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2018年4月9日(月)、フジテレビの新ドラマ『コンフィデンスマンJP』第一話が放送されました。人気脚本家・古沢良太さんが1年前から温めていたという、詐欺師をテーマにしたオリジナルドラマの見どころをレビューします。
コンフィデンスマン(confidence man)とは、直訳すると詐欺師・ペテン師のことです。
「君に金がない理由を教えてやろうか…」というセリフではじまる本作のテーマはずばり信用詐欺。
主人公ダー子(長澤まさみさん)と幼馴染のボクちゃん(東出昌大さん)、ベテラン詐欺師のリチャード(小日向文世さん)の3人組で、悪いことをして稼いでいる人たちから、あらゆる手段でお金をだまし取る、というストーリーです。
『コンフィデンスマンJP』の見どころのひとつは、本作の主人公・ダー子の破天荒さ。
お金をだまし取る相手が悪徳富豪だとはいえ、詐欺師は詐欺師、アウトローであることは間違いないのですが、憎めない天然さが全開です。
詐欺を働くにあたって様々な職業の女性に変装をするのですが、第一話では、極妻さながらの着物姿に入れ墨を入れた賭場のオーナーに変装したり、スカーフを巻いた正当派キャビンアテンダントに化けたりと、衣装を見ているだけでも楽しめます。
ふたつ目の見どころはなんといっても、「Aと言う話だと思ったら、実はBについての話だった」「Cが黒幕かと思ったら、黒幕はDだった」などの、どんでん返しがふんだんに盛り込まれているところでしょう。
「え? そういうことだったの?」「うわー騙されたー」と一話の間に少なくとも4回は思わされた気がします。
『コンフィデンスマンJP』は、一話完結もので、毎回豪華ゲストが騙される役としてでてきます。第一話でゲスト出演したのは、元ピンクレディーの未唯mieさんと江口洋介さん。
江口さんが演じたのは、表向きは慈善団体の紳士を演じながら、裏では「日本のゴッドファーザー」と呼ばれ、仲間(ファミリー)に忠誠を使わせるヤクザの赤星栄介。
権力を使い、平気で弱い人間の尊厳を踏みにじっていく赤星を、ダー子、ボクちゃん、リチャードたちが巧みに罠にはめていく様がまさに痛快でした。
『コンフィデンスマンJP』は、『ゴッドファーザー』や『マルサの女』など古典映画のパロディがふんだんに盛り込まれていたり、ダー子が画面から視聴者に向かって語りかけてくる演出なんかもあって、遊び心満載の新ドラマです。
「あーしてやられたー。騙された」とちょっと悔しく感じながらも、「来週も思いっきり騙されたい!」と思っちゃうクセになる一作です。
この記事のライター
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編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。
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