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少しずつ寒くなり、風邪のシーズンがやってきました。そこで、子供が風邪をひいた時、保護者に何ができるかを小児科医の森戸先生にお聞きしました!
(photoAC)
子供が風邪をひくと、すごく心配になりますね。でも、子供は繰り返し風邪をひくことで免疫を獲得し強くなっていくものですから、さほど心配しなくても大丈夫です。 有名な小児科の教科書には、子供は平均して年6〜8回くらい風邪をひき、9〜15%の子は少なくとも12回も風邪をひくと記されています(※1)。 風邪は最も身近な感染症で、「急性上気道炎」「風邪症候群」などとも呼ばれています。症状が出るところによって「鼻風邪」「喉風邪」などとも言いますが、同じものです。風邪の30〜50%はライノウイルスが原因ですが、その血清型は100種類以上あり、特定することはできません。 そして風邪薬は根本的に治療する「根治療法」の薬ではなく、症状を和らげる「対症療法」の薬です。だから、「風邪に特効薬はない」と言われているんですね。大人でも子供でも、急いで病院やクリニックを受診したり、風邪薬を飲んだりしても、そのぶん風邪が早く治るということはありません。風邪を治すのは医師でも薬でもなく、患者さん自身なのです。 でも、つらい症状がある場合は薬を使いましょう。薬を飲むことは悪いことではないので、我慢する必要はありません。ドラッグストアなどにある市販の子供用風邪薬、解熱鎮痛剤を使ってもいいですし、小児科を受診してもいいでしょう。ただし、総合感冒薬の中でも抗ヒスタミン薬を含むものは、けいれんを引き起こす恐れがあるので、熱性けいれんを起こしたことのある子などにはおすすめできません。 小児科受診の目安は、お子さんが6カ月未満で37.5度以上の熱があったり、哺乳量が通常の半分以下になった場合、それ以上の年齢なら本人につらい症状があったり、保護者の方から見て普段と様子が違う場合です。そして、いずれにしても安心できる場所でゆっくり休み、よく寝ることが大事です。
具体的には、まず、ゆっくり休めるように環境を整えましょう。病気の時は横になるとラクですから、清潔で寝心地のいい寝具を用意します。咳や鼻水がたくさん出る時は、上半身を少し高めにすると、ラクに感じるだろうと思います。 次に、室内の気温や湿度、衣服を調整しましょう。熱があって暑がっていたら室温を下げたり、衣服を一枚減らすなどします。「熱は汗をかくと下がる」という迷信がありますが、無理に汗を出しても熱は下がりませんし、熱中症のリスクがあるのでやめましょう。 一方、寒がっていたら、室温を上げたり、衣服を一枚多くしたり、布団や毛布をかけたりして温めます。これからの季節であれば、湯たんぽなどを使ってもいいですね。ただし、湯たんぽは身体に直接また長時間は接触させないようにし、布団を温めるために使用する場合は就寝前に布団から出しておくようにしましょう。 食事は、なんでも大丈夫です。体調が悪い数日くらいなら、バランスよく食べられなくても問題ありません。本人が好きで、少しでも食べられるものをあげてください。なかなか食べない時も、水分はとらせるようにしましょう。 お風呂に入れるかどうか迷う保護者の方は多いようですが、ぬるめのお湯に適度な時間つかる、サッと体を洗うことは特に体に負担をかけません。熱の有無に関係なく、元気であれば入れて、ぐったりしているなら入れなくてもいいでしょう。 そして、子供は大人と違って、じっとしておくのが苦手なもの。風邪をひいていても、熱があっても、家の中で元気に遊んでしまうかもしれません。なるべく休むよう伝えても無理であれば、日中は無理に寝かせなくても大丈夫。いつでも休めるようにして、室内で遊ばせましょう。 ※1Nelson Textbook of Pediatrics, 18th edition,Saunders,2007,p1747-1749 参照)森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)
(編集協力:大西まお)
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