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新学期になると、自分で鍵を持って登下校し、一人で留守番をするようになる子も増えます。それも一つの成長ではありますが、不安やリスクがあることも事実。子供が安心して「鍵っ子生活」を送るためのポイントをお伝えする本シリーズ、第一回目の今回は「鍵っ子に起こりうるリスク」についてお伝えします。
今回、お話を伺った人 清永 奈穂さんNPO法人体験型安全教育支援機構代表理事株式会社ステップ総合研究所所長日本女子大学学術研究員教育学博士2000年にステップ総合研究所を設立。犯罪、いじめ、災害などから命を守るための研究に取り組み、大学などの研究員や政府、自治体等の委員会委員なども務める。各地の自治体、幼稚園、保育園、小学校などで独自の体験型安全教育を行っている。著書に『犯罪から園を守る・子どもを守る』(メイト)、『犯罪からの子どもの安全を科学する』(共著ミネルヴァ書房)、『危険から身を守る学校・通学路・遊び場・家』(監修/一部岩崎書店)など。まずは鍵っ子になるとどんなリスクが生じるのかについて考えてみましょう。
子供が鍵を持って登校するので、通学路や教室などに落としてしまうこともあるでしょう。すぐに気づけばいいのですが、どこで落としたのかわからず、いざ鍵を使う場面になってなくしたことに気づくことが多いものです。
朝、家に家族がいる状態で子供が登校するご家庭では、施錠の必要がないために鍵を持っていないことに気づかず、自宅に置いたまま外出してしまうことも考えられます。
鍵をなくしたり忘れたりすると、家に入れず、ただただ家族の帰りを家の前などで待ち続ける事態になることも。
紛失防止のために、ランドセルの奥やファスナー付きのポケットなど落としにくい場所に鍵をしまっておくお子さんもいるようです。しかし、落としにくい場所は取り出しにくい場所でもあります。
玄関の前やマンションのエントランスでランドセルを下ろし、鍵を取り出し、解錠……としている間に、不審者が一緒に建物に入り込んでしまうことも考えられます。
下校の際、出しやすいように鍵を手にぶらぶら下げて歩いている子を見かけることがあります。すぐに出せない場所に鍵をしまっていると、玄関やマンションの前でランドセルをおろすのが面倒だからと、手に持ってしまうのかもしれません。
鍵を持っていることを他者に知られることにはリスクがあります。鍵っ子=家に大人がいないと知られ、不審者に声をかけられたり、後をつけられたりする危険があるのです。
無事家に帰り着いたとしても、そのあとはしばらくの間ひとりで留守番をしなければならないのが鍵っ子です。大人ならば簡単にできること・やらないようなことでも、子供にとっては難易度が高く、危険が伴うことも少なくありません。
例えば、・ストーブやガスコンロなどを使用する(火災の危険)・アルミ製袋などを電子レンジで加熱する(火災の危険)・お風呂などで水遊びをする(溺れる危険)・ベランダで踏み台などに乗って遊ぶ(転落の危険)・薬を誤って口にしてしまう(誤飲の危険)などの可能性があります。
また、危険とまではいかなくても、暖冷房が適切に使えず体調を崩してしまったりすることもあるでしょう。
—————————必要なこととはいえ、鍵っ子は様々なリスクと隣り合わせです。でも、しっかり対策をしていくつかの決まりごとを守れば、子供がグンと成長する絶好の機会にもなり得ます。次回は「安全に過ごすため、鍵っ子に守ってほしいこと」についてお伝えします。
(解説:清永奈穂先生、構成:マイナビ子育て編集部)
※写真はイメージです
<鍵っ子対策連載記事一覧>【第一回】安心して「鍵っ子デビュー」① 知っておきたい5つのリスク【第二回】安心して「鍵っ子デビュー」② 守ってほしいこと「持つ・使う」編【第三回】安心して「鍵っ子デビュー」③ 守ってほしいこと「お留守番」編【第四回】安心して「鍵っ子デビュー」④ 練習の5ステップ【第五回】安心して「鍵っ子デビュー」⑤ 紛失、不審者、地震…どうする?
この記事のライター
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