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江戸後期に庶民のあいだで流行した粋な「藍鼠色」【日本の伝統色】

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目次

【藍鼠(あいねず)】とは、藍みを帯びた鼠色のことです。日本の伝統色である【藍鼠】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、親子でいっしょに学べるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【藍鼠】とは?

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藍鼠とは、藍みを帯びた暗めの鼠色のことを言います。

色の名前 藍鼠 読み方 あいねずainezu 英語 indigo-tinged gray WEBカラーコード #4b5d6b CMYK C=35/M=9/Y=0/K=70 RGB R=75/G=93/B=107

※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【藍鼠】の意味と由来は?

【藍鼠】は、藍みを感じる暗めの鼠色の色名です。【鼠色(ねずみいろ)】は、【茶色】と並んで江戸時代に流行した色です。材料が入手しやすかったことも手伝って、多くの派生色が誕生しています。江戸中期の『諸色手染草(しょしきてぞめくさ)』には、下地を【薄浅葱(うすあさぎ)】に染めたあと、【鼠色】に重ね染めをするという【藍鼠】の染色手順が書かれています。

【藍色】にオリーブ系の人気色だった【媚茶(こびちゃ)】をからませた【藍媚茶(あいこびちゃ)】や青みが強い鼠色の【藍気鼠】などは、江戸時代に好まれました。また、「相生(相老=あいおい)」という縁起のいい言葉にかけて【藍鼠】を呼び変えた「藍生鼠(あいおいねず)」という色名もあります。「相生」は、ひとつの根からふたつに幹が分かれている木や2本の木が途中から1本になっている状態のことを言い、それから転じて、夫婦が共に長生きするという縁起のいい意味があります。

江戸中期には、【紫色】や【紅色(くれないいろ)】などは、高貴な色として、庶民が身に着けることを禁止する「奢侈禁止令」が出されました。【藍色】は着用することを許されていました。それにさらに【鼠色】を合わせて、「粋(いき)」した【藍鼠】は、江戸後期の【鼠色】流行の先がけになった色です。

【藍鼠】に関連する色

■【鼠色(ねずみいろ)】 ■【藍色(あいいろ)】 ■【浅葱色(あさぎいろ)】

【藍鼠】に合う色は?

藍鼠あいねず 古代紫こだいむらさき

【藍鼠】に合う色のひとつにがあります。古代紫は、わずかに赤みを感じさせるくすんだ紫色です。【藍鼠】と組み合わせると落ち着いて重厚なイメージになります。同系色としては、薄い紫色に鼠がからせた落ち着いた雰囲気の青紫色の【藤鼠(ふじねずみ)】や、青みを含んだ明るい鼠色の【空色鼠(そらねずみ)】などと組み合わせると、さわやかさを感じさせる配色になります。江戸時代に持て囃された「粋」な配色なら、深い紫みのある紺色のなどと合わせるのもいいでしょう。

A traditional Japanese color “藍鼠 ai-nezu” is…

A traditional Japanese color “藍鼠 ai-nezu” is the color name for a darker gray color with a hint of indigo. The color “鼠 nezumi” (gray) is a color that was popular in the Edo period (1603-1868), along with the color “茶 cha” (brown). Many derivatives of those colors have been created, in part because the materials needed for dyeing were readily available. The “藍鼠 ai-nezu” is one of them. In “Shoshiki tezome sousa” (A book of various colors) from the mid-Edo period, the “藍鼠 ai-nezu”dyeing procedure is described: first, the base is dyed in light “浅葱 asagi” (light indigo), and then the color is dyed in layers of “鼠 nezumi” (gray).

There is also a color name “藍生鼠 aioi-nezu,” which is a variation of the color “藍鼠 ai-nezu” based on the auspicious word “相生 aioi”. “相生 aioi” refers to a tree with two separate trunks from a single root, or two trees that have become one halfway up the trunk, and is a corruption of the word, meaning that the couple will live long together.

From the middle of the Edo period , the “prohibition of extravagance” was in effect, prohibiting commoners from wearing colors such as purple and crimson as noble colors, but “藍 ai (indigo)” was allowed to be worn. Combining it with the color “鼠 nezumi” (gray) to create a chic look, this color “藍鼠 ai-nezu” became the forerunner of the “鼠 nezumi” (gray) color craze in the late Edo period.

まとめ

【藍鼠】は、藍みを感じさせる暗めの鼠色の色名です。江戸時代には、紫根(しこん)や紅花(べにばな)などの高価な材料を必要とする紫や紅などは、高貴な色として庶民が使うことを禁止していました。そんななか、比較的安価に染められる藍は庶民に人気で、さらにそれに鼠色系や茶色系を重ねて、さまざまな派生色を作り、おしゃれを楽しんでいたようです。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献・『色名がわかる辞典』(講談社)・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)



この記事のライター

マイナビウーマン子育て

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