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子どものLINEに不幸の手紙「1時間以内に20人に回して」、子どもがLINEデビューしたら親がチェックすべき8項目とは

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目次

ここ数年で、子どもを取り巻くデジタル環境は劇的に変化。私たち親世代は、子どものデジタル機器の付き合い方や、ITリテラシーの教え方にどう向き合ったらよいのでしょうか? ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーとして活躍し、自身も二児の母である鈴木朋子さんに教えてもらいます。

執筆者プロフィール 鈴木朋子さん ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザースマホやSNSなど、身近なITサービス全般に関する記事を執筆。なかでもSNSに関しては、コンシューマーからビジネスまで広く取材を行い、最新トレンドを知るジャーナリストとして定評がある。また、安全なIT活用をサポートするスマホ安全アドバイザーとして記事執筆や講演も行う。著書は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)、『インターネットサバイバル 全3巻』(日本図書センター)など。

子どもがLINEデビュー、よくあるトラブルと対策法は?

コミュニケーションアプリ「LINE」が便利なサービスであることは、もはや言うまでもありませんね。国内の普及率も高く、幅広い年代に使われています。推奨される年齢は12歳以上とされていますが、保護者の管理の元、小学生でも利用している人は多くみられます。むしろ、お子さんにLINEを使わせるためにスマホを持たせた人も多いでしょう。

子どもがLINEを使い始めると、大人にはあまり起こらないトラブルが発生します。そこで今回は、子どもがLINEデビューするときに注意すべきトラブルと対策方法をご紹介します。

長時間利用やいじめなどの友人トラブル

子どもたちにとっては、待ちに待ったLINEデビューです。友人とLINEができること自体がうれしくて、過度に使ってしまいます。メッセージに関しては、文章というよりも単語ですばやく打ち返します。スタンプは「スタ連」「スタ爆」と呼ばれる、スタンプを連打して数十個送り合う使い方をします。通話に関しては、音声通話やビデオ通話を繋ぎっぱなしにして、おしゃべりしたり勉強したり、そのまま眠ったりします。

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親としては長時間LINEに張り付くことはやめさせたいのですが、子どもとしては友人と気まずくなりたくないので会話を切り上げることは難しく、親子でもめてしまいます。

年度初めには、学年やクラスでLINEグループを作るため、大人数のグループができ上がります。最初は自己紹介をしたり、新学期に必要な物について質問をしたりと活発に話しますが、やがてグループが細分化してメッセージを送る人は減り、発言する人は一部の子だけになります。

グループでの交流は、いじめが起きやすい場所でもあります。あるグループのメンバーからひとりだけを抜いたグループを新たに作る、または誰かが入れてもひとりだけすぐに退会させてしまうといった「仲間はずし」が行われます。仲間はずしの原因はLINE内だけに限らず、学校内でのトラブルがLINEに持ち込まれている可能性もあります。また、クラスメイトの恥ずかしい写真を大人数のグループに送信する「晒し」もよく行われます。変顔(へんがお)程度なら笑って済むのですが、ズボンを脱がされている動画を撮られて送信され、不登校になってしまった人もいました。

単純なところでは、「既読スルー」も大きな問題です。MMD研究所「2023年1月初めてスマートフォンを持つ子どもと親への意識調査」では、子どもがスマートフォンを所持してからトラブルに巻き込まれた内容の同率1位が、「LINEなどのコミュニケーションツールで既読無視されて、友人と険悪になってしまった」(14.9%)ことでした。今は通知でメッセージを読んで「未読スルー」することが一般的になってきていますが、つい既読してそのままにすることもありますね。また、特に返信する内容がない場合は返信しないこともあるでしょう。しかし子どもたちはそれを「無視された」と感じることがあるようです。

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子どもがスマートフォンを所持してからトラブルに巻き込まれた内容(出典:MMD研究所/2023年1月)

また、同調査で同率1位となっている「不適切な写真を送るように言われたり、意思と関係なく送られてきたりした」に関しても、LINEが使われることがあります。裸などの写真を送るように強制されることは悪い大人からというイメージがありますが、近い年齢同士でもこうしたトラブルは発生しています。アダルト画像やグロテスクな画像を送ってくる子、アダルトサイトへのリンクを送ってくる子などは、本人は軽いいたずらのつもりかもしれませんが、送られてくる方は困ってしまいますね。親が知らないうちにこうしたやり取りをしているのかもしれません。

LINEでも行われるチェーンメール

LINEを始めたころには「不幸の手紙」がよく回されます。不幸の手紙はハガキからガラケー、そしてLINEへと場を移しているのです。「このメッセージを20人に回してね。グループに送るのは禁止!」などのメッセージが送られてきます。「不幸になります」だけでなく、「幸せになります」というハッピーレター版もあります。いずれにしても、メッセージを大人数に送る「チェーンメール」です。

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チェーンメールの例(筆者作成)

チェーンメールが送られてくると、最初は驚いて友人に送信しますが、やがてこれが迷惑行為だと認識します。すると、いつまでもチェーンメールを理解せずに送り続ける子を非難するようになり、もめ事へと発展します。

チェーンメールには、「バトン」タイプもあります。バトンが回ってきたら、アンケートに回答してLINE VOOM(旧タイムライン)に投稿、次の人を指名しなければなりません。

バトンはリスクを伴います。質問や設定によっては、名前、年齢、趣味などの個人情報をLINEユーザーに公開してしまうからです。そして、指名が強制的なので、友人間のトラブルになります。

メッセージや通話以外の機能もチェック

大人世代は普段、LINEのメッセージや通話機能を主に使っていますが、子どもたちはショート動画「LINE VOOM」も大好きです。短い縦長の動画を次々に見られるため、つい長時間視聴してしまいます。YouTubeやTikTokの利用を禁じられている子どもは、なおさら魅力的に感じるでしょう。

また、LINEの「友だち」以外と匿名で交流できる「オープンチャット」も、大人があまり使っていない機能のひとつかもしれません。オープンチャットは普段使っているアカウントとは別に匿名のアカウントを作成し、趣味や興味があることについてチャットができるサービスです。出会いを目的とする行為やわいせつな投稿、誹謗中傷などは禁じられていますが、不特定多数の人と交流する場なので、子どもにはふさわしくない話題が出るかもしれません。

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「オープンチャット」は匿名でチャットできる機能

大人にとっては便利な「ニュース」も、記事の内容や広告を子どもに見せたくない人が多いようです。

LINEを安全に使うための設定

子どもがLINEでトラブルに巻き込まれないために、まずは安全に使うための設定をしましょう。

友だち追加をオフにする

連絡帳に登録した人を自動で追加してしまう「友だち自動追加」をオフにします。また、知り合いに勝手に追加されないように、「友だちへの追加を許可」もオフにしておきましょう。

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ホーム画面から「設定」を開き、「友だち」画面でオフに

QRコードを更新する

お子さんが「友だち追加」にQRコードを使っていて、メールで送ったことがあるのなら、必ず「更新」するようにお話しておきましょう。QRコードが流出しても、アカウントを見つけられることがなくなります。

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ホーム画面から「プロフィール」を開き、「マイQRコード」で「更新」をタップ※この画像では、QRコードにモザイク処理をかけています

友だち以外からメッセージを受け取らない

友だち以外からメッセージを受け取らないように設定します。大人でもスパムメッセージがよく来る人はオンにしておくといいですよ。

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ホーム画面から「設定」を開き、「プライバシー管理」画面で「メッセージ受信拒否」をオンに

ニュースを開きづらくする

ニュースタブを通話タブに切り替えることにより、ニュースが開きづらくなります。ニュースをあまり見せたくない人に有効です。

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ホーム画面から「設定」→「通話」を開き、「通話/ニュースタブ表示」画面で「通話」を選択

LINE VOOMでプライバシーを守る

LINE VOOMは、LINEユーザー全体と投稿を通じて交流できます。そこで、他のユーザーからフォローされないように設定しましょう。

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ホーム画面から「設定」を開き、「LINE VOOM」画面の「フォロー設定」をタップ、「フォローを許可」をオフに

また、親子で話し合っておいた方がいいポイントも挙げておきます。

知らない人と繋がらない

他のアプリで知り合った人とLINEを交換してしまう子もいますが、一度知らない人とLINEで繋がると、相手をブロックしてもプロフィール画面は見続けられてしまいます。知らない人とは繋がらないことを約束しましょう。また、実際の知り合いでも、誰かと「友だち」になるときには親に相談すると決めてもいいかもしれません。

LINE VOOMへの投稿を制限

LINE VOOMは、文字や画像の投稿だけでなく、エフェクトを使った動画撮影もできます。LINE VOOMへの投稿は一切しないか、知り合いだけの「公開リスト」に限定するならOK、などのルールも話し合っておきましょう。

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LINE VOOMはエフェクトを使った動画も撮影可能

利用時間や場所を決める

LINEを使う時間帯や曜日を決める、もしくは1日に何時間までと利用時間の上限を決めると長時間利用を避けられます。スマホや携帯キャリアのフィルタリング機能を使って制限しておくと、明確なルールになります。

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iPhoneでは、「設定」の「スクリーンタイム」から「Appの使用時間の制限」画面を開き「制限を追加」をタップすると、アプリを選択して使用時間を設定ができる

まとめ

LINEデビューしてしばらくの間は、親も子どものLINEを見ることを約束して、安全に運用できているかを見守りましょう。友人とLINEでトラブルが起きると、学校での人間関係にも響くかもしれません。親子でコミュニケーションを取りながら、楽しくLINEを使えるようになりたいですね。

(文:鈴木朋子、編集:マイナビ子育て編集部)

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この記事のライター

マイナビウーマン子育て

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