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加害者は学校関係が55%、小学生での被害も2割を超える「性暴力被害」の1つとは

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目次

性暴力の被害者には10代などの若い世代が少なくありません。性暴力のうち、言葉で性的な嫌がらせを受けたなどは「言葉による性暴力」と言えます。性交や身体接触を伴わないからといって、その被害を軽視することはできません。本記事では、内閣府が実施した調査をもとに、言葉による性暴力に関する若年層の被害の実態を見ていきます。

言葉による性暴力の被害実態を16~24歳に調査

内閣府では、若年層(16歳~24歳)の性暴力被害の実態を把握し、その施策を検討することを目的にオンラインアンケートを実施しており、スクリーニング調査で性暴力被害の経験がある人を抽出(有効回答:8,941人)したうえで本調査(有効回答:2,040人)を行っています。

この調査では性暴力を「望まない性的な言動」と規定し、以下の5つの分類を設けています。

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性暴力被害の分類と例示「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果 報告書」より

本記事ではこのうちの「言葉による性暴力」に関する調査結果をご紹介します。

初めて「言葉による性暴力」に遭ったのは中学生が最多

「言葉による性暴力被害」の経験者を年齢別にみると、16~19歳が27.3%、20~24歳が72.7%となっています。所属・職業でみると大学生が32.2%と最も多く、次いで勤め人(常勤)22.3%。

また、最初に言葉による性暴力に遭った年齢としては、13歳~15歳が30.2%、次いで16歳~18歳で23.5%、7歳~12歳が21.7%となっており、小中学生や高校生のときに初めて経験した人が多いようです。

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言葉による性暴力被害に最初にあった年齢「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果 報告書」より

加害者は学校の教職員・先輩・同級生が半数以上

次に「言葉による性暴力被害」の加害者について見ていきます。加害者として最も多いのが学校・大学関係者(教職員、先輩、同級生、クラブ活動の指導者など)で55.8%と半数を超えています。続いて、職場・アルバイト先の関係者16.3%、まったく知らない人16.1%となっています。

また、異性による加害が74.1%と圧倒的に多いようですが、同性による加害も31.1%と3割強いることがわかります。

加害者の社会的・職務上の地位を聞いた設問では、「同様または下位だった」が50.0%と、「上位だった」よりも多いのも特徴といえます。これは他の性暴力被害の分類と比べても多い結果です。

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「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果 報告書」より

被害を受けた場所は「学校」が圧倒的多数

被害に遭った場所としては「学校」という回答が圧倒的に多くなりました。被害者の所属・職業で大学生や高校生が多いことからもうなずける結果でしょう。次いで公共交通機関(10.6%)、会社(10.1%)となっています。

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<被害にあった場所(複数回答)>

被害をどこにも相談しなかった場合が半数以上

「言葉による性暴力被害」を受けたときに「誰に相談したか?」という設問に対しては、「どこ(誰)にも相談しなかった」という人が最も多く52.2%と、「家族・親戚」(28.6%)、「友人・知人」(25.7%)、「学校関係者」(11.5%)よりもかなり多くなっています。

「誰にも相談しなかった」理由としては、「相談するほどのことではないと思ったから」が35.6%で最も多く、次いで「相談してもむだだと思ったから」が29.3%、「恥ずかして誰にも言えなかったから」が28.3%となっています。

この結果には、表面化していない被害者が多いことが想像されるといえます。

被害によって「自分に自信がなくなった」などの影響も

言葉による性暴力被害は生活にどのような影響を及ぼすのかについても調べています。被害によって生活の変化があったか、という点について最も多かったのが「自分に自信がなくなった」(34.0%)という回答でした。

「特にない」も30.8%を占めるものの、「誰のことも信じられなくなった」(20.0%)、「夜、眠れなくなった」(19.6%)なども少なくありません。

被害から回復できたかどうかについては、37.2%の人が「もとどおり回復した」と回答していますが、「まったく回復していない」という人も14.7%に及びました。

まとめ

言葉による性暴力を受けたことのある人へのアンケート調査によると、加害者には学校の関係者(教職員、先輩、同級生など)が多いということがわかりました。また、被害によって自分に自信を失う、他人を信じられなくなる、などの影響が見られ、被害から回復できていないという人も約15%に上るという結果でした。加害者にとっては軽い気持ちで放った言葉であっても、被害者にとっては心身の健康を大きく損なう可能性があります。周りの人間が「卑猥な言葉を言われただけ」と軽く考えず、被害者へのケアをしっかりと考えることも大切でしょう。

(マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです

調査概要

■若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果 報告書調査地域:全国調査対象:16歳~24歳のアンケートモニター1.スクリーニング調査(有効回答数:8.641人)1次配信=有効回答数:6,224人2次配信=有効回答数:2,717人2.本調査(有効回答数2,040人)調査時期:2022年1月7~17日

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この記事のライター

マイナビウーマン子育て

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