アプリでmichillが
もっと便利に

無料ダウンロード
ログイン・会員登録すると好きな記事をお気に入り登録できます

熱を出した子供が突然意識を失い、手足や全身がふるえだす…「熱性けいれん」の正しい対処法は?

/

他のおすすめ記事を読む
「彼女じゃなくて嫁にしたい!」男性が結婚したい♡と思ったリアルなポイント7つ教えます!

目次

4月にSNSで子供の「熱性けいれん」が話題となりました。発熱した子供が突然意識を失ったり、白目をむいたり、体をふるわせたりすると、保護者も心配のあまりパニックになりかねません。いざという時のために正しい対処法を森戸先生に聞きました。

けいれん時は体を押さえたり揺すったりしないで

2683479 m

(※画像はイメージです/PhotoAC)

子供は38度以上の熱を出した時に、けいれん(ひきつけ)を起こすことがあります。いわゆる「熱性けいれん」ですね。

実際にどういう症状が起きるかというと、子供は意識を失って、白目をむいたり、全身や手足などが意思とは関係なくガタガタ動いたり、反対に脱力したりします。けいれんが起こるのは片手だけ、両足だけだったりと、体の一部だけの場合もあるでしょう。

大事なお子さんが目の前でけいれんすると、特に初めて見る保護者の方は非常に心配になると思います。私は小児科医ですが、娘が3歳で初めて熱性けいれんを起こしたとき、最初は熱性けいれんなのか、てんかんなのか、脳炎なのか、細菌性髄膜炎なのかわからないので非常に心配しました。

ただ、お子さんが心配で慌ててしまっても、けいれん中に体を押さえつけたり、揺すったり、たたいたり、舌をかまないよう何かを口の中に入れたりなどはしないでください。何かを口に入れると、窒息や誤嚥(ごえん)の危険があります。

まずは心を落ち着かせて、けいれんの持続時間を計りましょう。また、倒れたり、吐いたりすることがあるので横向きに寝かせます。そして、けいれんするのが、手だけなど部分的なのか、全身なのかを観察しましょう。持続時間もわかりますし、様子も記録できるので、動画を撮ってもいいでしょう。

熱性けいれんは、大体の場合は1〜2分で終わります。その後は、ボーッとしたり、眠ったりすることがありますが、意識は戻るはずです。5分を超えてけいれんしている場合、意識がない場合は、直ちに救急車を呼びましょう。

お子さんが初めてけいれんをしたときは、すぐにおさまっても、診療時間内はかかりつけの小児科、それ以外は救急外来などにかかりましょう。初めてのときは、けいれんの原因がわからないからです。

けいれん止めの薬を使うケースは多くありません

熱性けいれんは、生後6カ月〜満5歳までの間に、日本人の子供の7〜11%に起きます。そのうちの6〜7割の子は生涯に一度だけで、繰り返しません。ただ、以下のいずれかにあてはまる場合、繰り返し熱性けいれんが起こるリスクが上がります。

①初めての熱性けいれんが起きたのが1歳未満だった場合②両親の片方あるいは両親ともに熱性けいれんを経験している場合③発熱からけいれんが起きるまでの時間が1時間以内の場合④39度以下の発熱でけいれんが起きた場合

以前は、一度でも熱性けいれんが起きたら、その後も熱が出るたびにけいれん止めの坐薬「ジアゼパム」を使うことがありました。しかし、2015年に日本小児神経学会が熱性けいれん診療ガイドラインを改訂し、坐薬を使うのは以下のときとしています。

✅15分以上続くけいれんがあったとき✅以下の(1)~(6)のうち2つ以上を満たす熱性けいれんが2回以上あったとき

(1)焦点性発作(体の一部分がけいれんする発作)または24時間以内に反復する(2)熱性けいれん出現前から存在する神経学的異常、発達遅滞(3)熱性けいれんまたはてんかんの家族歴(4)12カ月未満(5)発熱後1時間未満での発作(6)38度未満での発作

というのも、熱性けいれんは繰り返さない子も多く、またジアゼパム坐薬が眠気を起こすために転倒のリスクや髄膜炎や脳症の症状がわからなくなるリスクがあるためです。不安な点がある場合は、かかりつけの小児科医にも相談してみてくださいね。

参照)森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)

お話をお聞きしたドクター 小児科専門医/どうかん山こどもクリニック院長森戸やすみ 先生 一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在は東京都谷中のどうかん山こどもクリニック院長。医療者と非医療者の架け橋となる記事や本の発表に意欲的に取り組んでいる。『子育てはだいたいで大丈夫 小児科医ママが今伝えたいこと! 』(内外出版社)、『祖父母手帳』(日本文芸社)など著書、監修多数。■Twitter

「森戸やすみ 先生」記事一覧はこちら⇒

この記事の執筆者 大西まお 編集者・ライター。出版社にて雑誌・PR誌・書籍の編集をしたのち、独立。現在は、WEB記事のライティングおよび編集、書籍の編集をしている。主な担当書に、森戸やすみ 著『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、名取宏 著『「ニセ医学」に騙されないために』など。特に子育て、教育、医療、エッセイなどの分野に関心がある。■Twitter


関連記事



この記事のライター

マイナビウーマン子育て

「マイナビウーマン子育て」は、働く女性の恋愛と幸せな人生のガイド「マイナビウーマン」の姉妹サイトです。結婚後ママになりたいと思っている人や現在0歳から6歳までの子どもを持つママの、日々の不安や悩みを解決するお手伝いをしています。

ありがとうを贈ると
ライターさんの励みになります

トップへ戻る

恋愛・結婚の人気ランキング

新着

カテゴリ

公式アカウント

ログイン・無料会員登録