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育児で疲れたり孤独を感じたりすると、子育ての正解がわからず自己嫌悪に陥ることがあるかもしれません。そんなとき、自分が毒親化しないためにはどうしたらよいのでしょう。精神科医の井上智介先生の『子育てで毒親になりそうなとき読んでほしい本』(主婦の友社)から、毒親にならずに自分と向き合う子育てのヒントについてご紹介します。
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2つ目は親御さん自身の人生をちょっとふり返ってみること。これまで自分たちが生きてきたなかで、当然ながらピンチやドン底のときというのは、あったはずです。それでも結局、なんとかなっています。いろいろあったけれどいまは、なんとか生活しているという感覚を思い出すことは、持続可能な子育てにとても大切なことです。
やはり人間は、先のことを考えると心配しすぎてしまうものですから、心配したとしても「なんとかなる」という感覚がないと、やはりしんどいのです。
子育てというのは「育てなきゃ」と思うと、プレッシャーを感じて毒親化していきます。でも「勝手に育つ」「自然に成長する」という気持ちで向き合うと楽になります。「なんとかなる」という感覚を忘れず、子どものいまの姿に注目して、子どものがんばりなり、大変さなりに気づいて理解してあげてください。親がこういう考えであれば、子ども自身も「なんとかなるよね」と余裕をもって生きていけるようになります。子どもにとっても、よい教育になっていきます。
ですから子育てになんだか力を入れすぎているな、完璧主義になりすぎているなと感じたら、自分の人生をふり返って、いろいろあったけれど、なんとかなっているなという感覚を思い出すようにしてください。
たとえ子どもが、親の期待どおりにいい学校に行ったから、いい職業に就いたからといって、幸せになるとは限りません。たとえば医師という職業は、華やかで幸せそうなイメージがあるかもしれませんが、医師でも精神科を受診するまで心身を壊してしまう人は少なくありません。
患者さんとの関係がうまくいかないとか、若手がどんどんやってきて自分の立ち位置がなくなるとか、いろいろな事情でうつになっていく人がいます。親が医者で、その子どもであれば、親からのプレッシャーをずっと抱えてしんどい思いをしている人もいます。
結局のところ、自分の幸せは自分で決めていくものであって、親であっても子どもの幸せには口出しできないということです。
3つ目です。子育てするなかで、自分がちょっと毒親化しているなと感じたときは、家族の中だけで解決しようとせず、外に助けを求めましょう。繰り返すようですが、病院や行政など、外とつながっていくことはとても大切です。また「189(いちはやく)」という虐待対応ダイヤルがある児童相談所に相談するのもありです。
世間的には、189番は虐待している家を見つけたら通報してください、という番号のように思われていますが、自分からSOSで連絡しても問題ありません。24時間受けつけていますので、自分がちょっと危ないなと気づいたら、電話してみるのもすばらしいことです。虐待にあたらなくても、いま自分が子育てで問題を抱えていることを声に出して誰かに言うことは、大きな一歩です。それだけで心が軽くなったり、余裕ができたりすることもあります。
電話をすると児童相談所の人が来てくれて、いろいろと相談にのってくれます。根本に経済的な問題など別の問題があれば、専門の窓口につないでくれます。行政サービスというのは、なかなか自分ではわからないところも多いので、この189番に自分から相談して駆け込むと、行政ともつながりができるということもぜひ知っておいてください。
(井上智介『子育てで毒親になりそうなとき読んでほしい本』(主婦の友社)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
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『育児はとてもストレスフル。誰でも毒親になりえます』子育てというのは、非常にストレスフルなもの。仕事は嫌ならやめられるけれど、子育ては嫌でもやめられない。逃げるという選択肢がまずありません。初めての子育てに、不安や心配のない親御さんは、いないのではないでしょうか。
しかも子育ては、独自性の高いもの。つまり一つ一つの家庭によって違いが大きく、親は基本的に自分の家庭しか知りません。そんなふうに、子育てというのはとても難しいものにもかかわらず、世の中では「子育てができてあたりまえ」「誰でもやっているもの」というイメージがもたれています。それが、ますます親御さんを苦しめているのです。『毒親にならない気持ちの持ち方を知りましょう』この本では、自分が毒親化していると気づいた人が呪縛から脱し、わが子に向き合い、自分らしく生きていくステップをご紹介します。
子どもの接し方に悩んだとき、心に寄り添ってくれる一冊です。
産業医・精神科医兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動する。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやSNS、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。Twitter @tatakau_sangyoi
この記事のライター
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