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【10代のリアル】SNSでアカウントを使い分け…。我が子がSNSトラブルに巻き込まれないために親ができること

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目次

ここ数年で、子どもを取り巻くデジタル環境は劇的に変化。私たち親世代は、子どものデジタル機器の付き合い方や、ITリテラシーの教え方にどう向き合ったらよいのでしょうか? ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーとして活躍し、自身も二児の母である鈴木朋子さんに教えてもらいます。

執筆者プロフィール 鈴木朋子さん ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザースマホやSNSなど、身近なITサービス全般に関する記事を執筆。なかでもSNSに関しては、コンシューマーからビジネスまで広く取材を行い、最新トレンドを知るジャーナリストとして定評がある。また、安全なIT活用をサポートするスマホ安全アドバイザーとして記事執筆や講演も行う。著書は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)、『インターネットサバイバル 全3巻』(日本図書センター)など。

10代のSNS運用のリアル

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新学期がスタートして2ヶ月が経とうとしています。進級、進学にあわせてスマホを持ち始めたお子さんも多いのではないでしょうか。LINEでスタンプを送り続けたり、夜遅くまで動画を見たりなど、親としては不安な使い方も始まっているかもしれません。

今回は、SNSの複数アカウントについてお話したいと思います。保護者の方も利用していることが多いSNSですが、10代ならではの使い方もあります。特に、ひとつのSNSに複数のアカウントを作ることは彼らの常識です。どんなふうに運用しているのか、ご紹介します。

Twitterでは約4~6割が複数アカウントを利用

以前お話した通り、SNSは利用可能年齢があります。利用可能年齢に達した人はSNSにアカウントを作成することができるため、中学生ごろからTwitterやInstagramを使い始めるようになります。

NTTドコモ モバイル社会研究所が2022年2月に公開した調査によると、Twitterは10代の約8割が利用しており、Instagramは10代男性が約5割、10代女性が約8割利用しています。調査から2年経過しているので、Instagramの10代男性利用率はもっと上がっていると思います。

TwitterとInstagramは複数アカウントの運用を認めており、電話番号やメールアドレスでアカウントを追加できます。Instagramの場合はメインアカウントに紐づける形でサブアカウントを作ることもできます。また、アプリにもアカウントを切り替えられる機能があるため、併用して使うことも簡単です。

この機能をうまく活用している10代は、たくさんのアカウントを持っています。同社が2022年9月に公開した調査によると、Twitterは10代男性の約4割が2個以上、10代女性の約6割が2個以上のアカウントを所有しています。さらに、10代女性の23.6%が4個以上のアカウントを所有していました。

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性年代別Twitterアカウント所有率(出典:NTTドコモモバイル社会研究所/2022年9月)※わかりやすくするため、10代男女を赤線で囲っています

Twitterの場合、10代はメインアカウントを自分の公式アカウントのような運用をします。文章や画像の投稿は多くなく、気になったことをRT(リツイート)する程度です。これは自分の情報をあまり見せないようにして、誰に見られても特に問題がないアカウントにしているからです。

筆者が10代を取材し始めた約10年ほど前は、Twitterのプロフィールに自分の本名や出身校を書く人が多く、自撮り写真を投稿している人もよく見られたのですが、今どきはITリテラシーが上がっており、個人情報を出さない人が増えています。

Twitterを楽しんでいる人は、サブアカウントでの活動が盛んです。親しい友人と繋がるためのアカウント、さらに友人を絞った「縮小」アカウント、好きな芸能人やアーティストの「推し活」用アカウント、趣味ごとの情報収集用アカウントなど、用途別にアカウントを使い分けています。

親しい友人と繋がるアカウントは、非公開アカウントにしていることが多く、気兼ねなく自分らしい投稿をしています。「縮小では自分の仲間とグループチャットみたいに話してる」という女子高生は、「LINEのグループチャットよりも圧がないので色々言いやすい」と話していました。

また、「推し活」用アカウントは、推し同士で繋がります。お互いに同じ立場なので、推しへの愛を投稿したり、RTし続けてもフォロワーの迷惑になりません。推しがテレビに出演した際には、推しの名前を検索して「いいね」を付けて回るなど、Twitterの拡散力を活かした推し活をしています。

レビュー用のアカウントを作っている女子高生もいました。主にプチプライスのコスメに関して、購入した感想などをツイートしています。「同じ世代のフォロワーが多いので、100均のコスメを紹介すると反響が大きい」と話しています。TwitterではInstagramよりも率直な感想が聞けるため、商品を購入する前にTwitterで検索する人も増えており、貴重な情報源になっているようです。

Instagramでは女子の複数アカウント利用が盛ん

現在、10代のメインとなっているSNSはInstagramです。LINEももちろん使っていますが、仲良しの友人とはInstagramでの交流が盛んです。特に女子の利用率が高く、男子はアカウントを持っていてもあまり投稿はせず、閲覧中心のことが多いようです。

また、10代はフィードへの投稿ではなく、ストーリーズを盛んに利用します。フィードにはとっておきの投稿を2~3つだけ残して、不要になったものは削除してしまう人もいます。DM(ダイレクトメッセージ)でチャットをしたり、暇なときはライブ配信をしてネット越しの友人とも交流します。ライブ配信は、友だち同士で集まったときにも開催し、そこに来られていない人とたわいもない話をしています。場所にとらわれず交流できるいい時代ですね。

Instagramは、設定によっては相手のオンライン状態がわかり、DMに既読がつき、ストーリーズには閲覧履歴がつきます。そのため、プライバシーを知られたくない場合には、サブアカウントが重要になるのです。

前述の調査では、10代女性の約4割が3個以上のInstagramアカウントを所有していました。メインアカウント、親しい友人との交流用、趣味用などを運用しています。

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性年代別Instagramアカウント所有率(出典:NTTドコモモバイル社会研究所/2022年9月)※わかりやすくするため、10代男女を赤線で囲っています

メインアカウントのストーリーズでも「親しい友だちリスト」を作り、公開範囲を絞ることができます。親しい友だち限定のストーリーズではカコミの色が異なるため、公開されている人たちには限定投稿だとわかります。「私は親しい友だちに入れていないけど向こうは入れてくる」など、微妙な友人関係が明らかになることもあります。

ストーリーズには閲覧履歴が残るため、履歴が残らないように長押ししてのぞき見するワザもよく使われています。しかし、誤って指を離してしまうと履歴が残るため、のぞき見用のサブアカウントを作る人もいます。でも、知らない人がいつも見てくると気づくと、相手が警戒することもあります。そこで、知り合いのサブアカウントを乗っ取って見ている10代もいるようです。もちろん、アカウントの乗っ取りは「不正アクセス禁止法」にあたる犯罪なので、行ってはいけません。

サブアカウントを利用している前提で見守りを

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10代はTwitter、Instagramとも、無難に運用するのはメインアカウント、親しい友人や趣味に関してはサブアカウント、と切り分けて運用しています。

おそらく保護者にすべてのアカウントを教えてくれることはありません。サブアカウントを持っている可能性を頭に入れておく必要があります。相互フォローしている親子も増えてきていますが、親が見ているアカウントはメインのアカウントであり、あまり問題を感じることもないでしょう。とはいえ、親しい友人との交流用アカウントまで親が監視すると窮屈になってしまうかもしれません。サブアカウントは認めないという方針にしてもいいのですが、隠れて使うことがリスクになる可能性もあります。

親から話しておく注意点としては、「サブアカウントがあるなら非公開アカウントにすること」「間違えて違うアカウントに投稿しないようにすること」が挙げられます。

また、「親しい」関係性には亀裂が入ることもあるため、サブアカウントのフォロー関係をまめに見直すことも大切です。以前説明した「バカッター」と呼ばれる迷惑行為の動画は、本人が公開範囲を限定しているつもりでも、誰かが勝手に転載してしまうことで広まっています。非公開アカウントでも、迷惑行為や誹謗中傷などの人を傷つける投稿はやめるように話しておくことをおすすめします。

(文:鈴木朋子、編集:マイナビ子育て編集部)

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