cover interview 井上真央

更新日:2018年6月20日 / 公開日:2018年6月20日

「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から井上真央さんのインタビューをお届けします♪

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喜劇界を代表する演出家、鄭義信が演劇賞を総なめにした伝説の舞台『焼肉ドラゴン』。
高度成長期の片隅で描かれる、小さな家族の大きな歴史の物語が鄭監督自身の手によって映画化される。
つらく、悲しいことがあっても乗り越える、固い絆で結ばれた『焼肉ドラゴン』の家族たち。
その家族の一員、次女である梨花を演じた井上真央さんにお話を伺った。

Profile
1987年生まれ。『花より男子』シリーズ(2005〜TBS)、連続テレビ小説『おひさま』(2011NHK)、大河ドラマ『花燃ゆ』(2015 NHK)に主演。映画『八日目の蝉』で第35回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ様々な賞を受賞。その他、映画『太平洋の奇跡〜フォックスと呼ばれた男〜』、『白ゆき姫殺人事件』、連続ドラマ『明日の約束』(2017 KTV)などがある。

悩んでいる人の後押しができるような…そんな作品に携わっていきたい

 井上真央さんが演じるのは『焼肉ドラゴン』の次女、梨花。思ったことはすぐ口にしてしまう感情的なキャラクターだ。
「今まで色んな役を演じましたが、どちらかというと割と受け身な役が多かったので、ここまで攻めるというか、自分主体のキャラクターはなかったので新鮮でした。私自身の中にも梨花ちゃんのような激しい要素はあると思うけど、でもあそこまでは激しくないかなぁ(笑)」

 梨花たち家族が暮らすのは関西の地方都市の一角。高度成長期の真っ只中、万国博覧会が催された1970年、故郷を奪われた一家が営む『焼肉ドラゴン』を舞台にストーリーは進んでいく。
「万博のあった時代のこと、『焼肉ドラゴン』があったような集落が本当にあったこと。そこで暮らす人たちがどんな生活をしていたか… など、自分なりに勉強しました。でも役作りは前もって考えるよりも、現場でみなさんとの空気感やバランスを見ながら作っていこうと思っていたんです。そして実際、現場に行ったら素晴らしいセットが出来ていて。その中で家族のみんなと過ごすうちに、自然と梨花ができあがりました」

 演劇賞を総なめにした伝説の舞台と呼ばれる『焼肉ドラゴン』。そこに出演するにあたりプレッシャーはなかったのだろうか。
「もちろん私自身もこの作品のことは知っていましたし、周りにもたくさんのファンの方がいてお話も聞いていました。でもプレッシャーというより、新たな作品が生まれるということにワクワクしていましたね。鄭監督の記念すべき初監督作品に参加できることの嬉しさの方が大きかったです」

「ただ、関西弁には苦労しました」と井上さんが笑う。
「方言のテープをもらったんですが、それだけじゃわからなくて。関西生まれ関西育ちの友達に聞いて覚えました。地方によっても男女によっても年齢によっても微妙にイントネーションが違うので、何人にも聞いて色んなバリエーションを比べたりして。梨花ちゃんは割と口が悪いタイプだったので『岸和田少年愚連隊』の秋野暢子さんを目指しました(笑)」

 その言葉通り、映画開始早々、スクリーンに『最低やろ、最低ッ!』という迫力ある井上さんの怒声が響く。大泉洋さん演じる婚約者の哲男と婚姻届を出しにいった梨花だったが、哲男が職員の態度に激切れして婚姻届を破ってしまったのである。でも実は哲男は梨花の姉である静花(真木よう子さん)に想いを寄せていて…。
「実際は考えられないシチュエーションですよね。姉のことが好きな男性と結婚しようなんて思わないかな(笑)。細かいことを考えるとありえないということがいっぱいなんです。でも家族ってそんなものなのかなって思ったりもします。家族だからこそ生まれる衝突もあるし、他人には理解できないことも解決できたり。それが家族なんだと思います」

 泣いて怒って笑って、傷ついて…。感情をむき出しに生身でぶつかりあう家族の姿。どんなに悲しいことがあっても『たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる』という父、龍吉(キム・サンホ)の言葉に観客も胸が熱くなる。そこで井上さんご自身の気持ちの切り替え法を伺うと。
「人に会って話すことですかね。話すことで自分の気持ちとか頭の中が整理されることもあるし、女子って聞いてもらいたいところがあるじゃないですか(笑)。1人になりがちですけど、やっぱり人と関わることは大事だと思います。そういう意味ではこのお仕事は色んな人と携われるので、助けられている部分は大きいですね」

 子役時代からたくさんの作品に出演し、色んなキャラクターを演じて来た井上さん。最後にこれから演じてみたい役を伺うと。
「うーん、そうですね。ドラマや映画ってどんな役割があって、私には何ができるんだろうって考えることがあるんです。こういう職業だからこそできることがあるんじゃないかって思ったときに、悩んでいる人や落ち込んでいる人たちの後押しができるような作品に携われたらそれに越したことはないですね」

 大きな時代の波に翻弄されながらも強く、逞しく生きる家族達の物語『焼肉ドラゴン』。この作品こそ、多くの人たちの背中を押す1本となるに違いない。

『焼肉ドラゴン』

Ⓒ 2018「焼肉ドラゴン」製作委員会
監督・脚本/鄭義信
出演/真木よう子、井上真央、大泉洋、桜庭ななみ、大谷亮平 他
公開/6月22日(金)全国ロードショー

PHOTO/ Mizuaki Wakahara(D‐CORD MANAGEMENT LTD.)
STYLING/Koji Yukisada(No.2)
HAIR&MAKE/Yoshie Sasaki(sylph)
TEXT/Satoko Nemoto

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