interview  中村 蒼

更新日:2024年11月1日 / 公開日:2024年11月1日

「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から中村 蒼さんのインタビューをお届けします♪

他のおすすめ記事を読む
大好きな推しビョン・ウソクvsかっこいい年下君チョン・ヘイン♡デートするならどっち?

Profile

Profile /1991年生まれ。2006年、寺山修司原作による舞台「田園に死す」で主演デビュー。近年の主な出演作は、連続テレビ小説「エール」、 「らんまん」(NHK)、「仮面ライダーBLACK SUN」、「沈黙の艦隊 シーズン1〜東京湾大海戦〜」(Prime Video)、「ギークス〜警察署の変人たち〜」(フジテレビ)など。自身初の海外作品となる「Pachinko2」がApple TV+にて世界配信中のほか、ドラマ「宙わたる教室」 (NHK)に出演中。2025年1月より放送の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」に出演が決定している。

「自分なんて...」と思いがちな僕ですがそれでもきっと誰かのためになれているのかも。

中條ていによる小説「アイミタガイ」が映画化される。タイトルの「アイミタガイ」とは、〈相見互い〉。誰かを想ってしたことが、巡り巡って自分にも返ってくるという言葉だ。

「僕もはじめて聞いた言葉でしたが、本当に素敵な言葉ですよね」と話し始めてくれたのは中村蒼さん。

「困った時は助け合うのは当たり前、見返りを求めずお互い様よという感じが日本人らしいというか、素敵だなと思いました」

中村さんが演じるのは黒木華さん演じる主人公、梓の恋人・澄人。突然の事故で親友を失った悲しみから立ち直れずにいる彼女を支える役どころだ。

「澄人はタイミングが悪いというか、どこか抜けていて頼りがいがない人。でも憎めないキャラクターで周囲からは愛されているし、いざというときは頼れる男になる。そこが彼の魅力だと思ったので、その部分を意識して演じました」

中村さんご自身との共通点を伺うと、「似ているかもしれません」と笑う。

「頑張っているけれど“そうじゃない!”みたいなことが僕にもよくあるらしいです。でも、不思議なもので自分では具体的には思い出せないんです。きっとそういうところが澄人っぽいのかもしれませんね(笑)」

「澄人は親友を亡くして悲しむ梓に寄り添うだけではなく、しっかりと自分の言葉を伝える。そういうところがすごく好きです」と中村さんは続ける。

「誰かを慰めるのって難しいですよね。触れないという慰め方もあると思うのですが、澄人はあえて梓の悲しみに踏み込んであげる。なかなかできないことだと思います。その上で共感したり、自分の言葉を伝える澄人のやり方は、とても良いなと思いました。僕はどうしても顔色を伺って“こう言った方がいいかな?”とかを考えてしまうので、澄人のように僕はこう思うと自分の意見を伝えられる人に憧れますし、何も考えずに人に優しくできる人になりたいです」

ご自身が落ち込んだときの解決法を伺うと。

「僕は時間で解決させるしかないかなという感じです。特に何かで発散するとかではなく、ただ時間が流れるのを待つ。あとは自分のこれまでのことを思い出します。これまでもいろんなことがあったけれど、今が番楽しく過ごせていると思うんです。なので、きっと今起きている悲しいこともすべてがマイナスではないのかなって、前向きな気持ちになれるんです」

返事が来ることはないとわかりながらも亡き親友にメッセージを送り続ける梓。ストーリーは彼女を中心に思いがけない出会いと優しさが連鎖しながら進んでいく。

「僕は“自分なんて”と思いがちなタイプなのですが、この作品に出会って“もしかしたら僕も誰かのためになっていることがあるのかも”と思うことができました。そしてもちろん自分も誰かのおかげでこうしていられるということを改めて実感しました。周りに溢れている些細な優しさは見落としがちですし、つい当たり前のように感じてしまうからこそ、感謝することを忘れてはいけないなと」

「あと、人に迷惑をかけてもいいんじゃないかな」と中村さん。

人に迷惑をかけちゃダメって教わってきた人も多いと思うんです。僕もそうでしたし。でも、きっと人は少なからず誰かに迷惑をかけながら生きていると思うんです。だから大切なのは迷惑をかけられたときに“お互い様”と相手を許せる心を持つことかなと。ちゃんとしなきゃ!と思う人ほど相手のことも許せなくなってしまうような気がするので、そんなときは『アイミタガイ』の言葉を思い出して、心に余裕を持ってもらえたら嬉しいです」

最後に中村さんが『アイミタガイ』を感じたエピソードを教えてもらう。

「振り返ればたくさんあります。この世界に入るきっかけをくれた両親もそうですし、友達、マネージャーさん...。今、この状況に僕がいるのはたくさんの縁が繋いでくれた結果で、絶対に僕一人では出来てなかったことだと思います。そして監督やスタッフの方、共演者の方ももちろんそう。今回の撮影中の話で言えば、監督は自分の知らなかった表情や動きを引き出してくださいましたし、黒木さんという素敵な俳優さんのおかげで台本を読んで想像していた以上の素敵なシーンがいくつも生まれました」

それはまさに点と点が繋がって線になり、それぞれが影響を与え合うことで奇跡的なものになるというこの作品そのもの。

「きっと観ていただいた方も大切な人や、どこかで出会った人のことをふと思い出して温かい気持ちになってもらえると思うので、目に見えないつながりを感じに、映画館へ足を運んでいただけたら嬉しいです」

『アイミタガイ』

画像

原作/中條てい「アイミタガイ」(幻冬舎文庫)
監督/草野翔吾 脚本/市井昌秀、佐々部清、草野翔吾
出演/黒木華、中村蒼、藤間爽子、安藤玉恵、近藤華、白鳥玉季、
吉岡睦雄/松本利夫(EXILE)、升毅/西田尚美、田口トモロヲ、風吹ジュン/草笛光子
公開/11月1日(金)TOHO シネマズ日比谷 他

PHOTO / NAITO (OUTNUMBER inc.)
STYLIST / Daisuke Araki
HAIR & MAKE / Go Takakusagi (VANITES)
TEXT / Satoko Nemoto

「#ポコチェ」の記事をもっと見る



この記事に関連するキーワード

この記事のライター

新着

ログイン・無料会員登録