もし余命3年だったら、どこへ行って何を見て何をしたい?海外旅行のこと

更新日:2017年9月27日 / 公開日:2017年9月27日

たまにはのんびり海外旅行に行きたい!でも、行きたい国がたくさんあって選べない…。ケチケチ贅沢日記の著者であるmuccoさんに海外旅行の旅先についてアドバイスを頂きました!せっかくの海外旅行、忘れられない旅の思い出をつくりましょう。

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Q、muccoさんが今まで行った海外旅行で、旅先で出会って感動したエピソードと、 人生で一度はこの国に行ってこれはしておくべき!と思う国があれば教えてください。(30代女性・派遣)

A、はぁ、困りました。
「あ~、とにかくどこかに行きたい!」という旅行欲がほとんどないのです。体弱いし、時差ボケひどくて寝不足になるし、乗り物移動も苦手…それを押してまではるばる出かけるのは「本当を見たい!実物をこの目で確かめたい!見ないで死んだら一生後悔する!」なものやこと、そして見たい人会いたい人がいるときだけ。

大自然でアドヴェンチャー体験したり、リゾート地でリラックスするよりも、建物や美術品、手工芸品、ファッションなど人が作り出したものに興味があって、それを見るのが好き、そしてバレエが好きなので、ヨーロッパの都市に出かけることがほとんどです。見たいものを見るために出かけているのですから、感動エピソードをあげればキリがありませんが…

今でも思い出すたびに心が温かくなるのは、ロンドンのロイヤルオペラハウスで隣り合ったご夫妻でしょうか。

2011年の夏、大好きなバレエダンサー、ウリヤーナ・ロパートキナが所属するロシア・マリインスキーバレエのイギリス公演を鑑賞するため、ロンドンを訪れました。なぜロンドンなのかというと、本拠地サンクトペテルブルグで見るよりも、海外公演のほうがキャストや日程が決まっていて、とても効率よく様々な作品を見ることができるから、そしてロンドンはある程度言葉に困らないからです。

全部で4公演鑑賞しましたが、現地で追加購入した「バヤデール」という演目を鑑賞した時のこと。隣席には70代前半くらいの女性と補聴器をつけた70代後半の男性のご夫妻がいらっしゃいました。お二人共、背が高くすらっとしていて、話し方や姿勢、服装から堅実で品の良い感じが伝わるとても素敵なご夫妻でした。

舞台が始まると、隣にいる奥様がハッと息を飲んだり、感動の溜息をついたりするタイミングが私と同じことに気づき、踊りの好みが同じかもと思って、一回目のインターバルの時に「マリインスキーバレエはお好きですか?」と声をかけてみました。

すると奥様は、「もちろん。マリインスキーは本物のバレエよ。」と。わぁ、うれしい♪マリインスキーバレエを見るために日本から来たことを伝えると、とても驚いたご様子。

バレエ用語を交えながらの会話が進むうちに、その方が子供向けにバレエを教えていらっしゃる先生だとわかりました。どうりで姿勢がいいわけです。ちなみにご主人はクラシック音楽がお好きで、マリインスキーオーケストラの演奏も楽しみにしていらっしゃったのだそう。

それから二人で、マリインスキー独特のポールドブラ(腕の動き)について、ダンサーたちの体型の素晴らしさ、特に顔の小ささ(えっ?イギリス人でもそう思うんだ!)など楽しくおしゃべり。

「どうしてマリインスキーのダンサーはあんなに美しく踊れるのでしょう?」とぽそっと言ったら、「そうね、みんなあんなふうに踊りたいと思っているのよ。でもとても難しいことだわ。」とおっしゃっていたのが印象的でした。

そして奥様も私も楽しみにしてる3幕目冒頭の群舞「白の幻影」32人の幻影たちがアラベスクしながら次々とスロープを降りてくる姿はまさに幻影です。客席中がしーんとして、まるで時が止まったかのように、ただただ幻のような美しい光景を見つめています。

群舞の最初のパートが終わり、一瞬の静寂。そして割れるような拍手が湧きおこり「ブラボー」の嵐、群舞がこれほどまでにたくさん拍手をもらっている場面は初めてです。鳴りやまぬ拍手のなか、隣の奥様と私は互いに手を取り合って「キャー、素晴らしい」と大喜び。ご主人が優しい瞳でニコニコしながら私たちを見ていました。

お名前は伺うことができませんでしたが、このご夫妻のおかげでバレエ公演がより素晴らしく感じられ、忘れられない一夜になりました。こうして書いていても、その時の記憶が蘇って、涙が溢れてきます。

「人生で一度はこの国に行ってこれはしておくべき!と思う国」ですか。それは、質問者さんの中にありますので、私には答えられません。質問者さんにとって興味があるところ・みたいものがあるところへ行って、実際に体験する。これに尽きるでしょう。

えっ?行きたいところがいっぱいありすぎて困っている?それはいいことですね。では、その選択するための考え方の一つを教えましょう。

もし余命3年と宣告されたら、あなたはどこに行って、何を見て、何をしたいですか?まず一番行きたいところへ行きましょう。

3年あれば旅行貯金して、遠い遠いマチュピチュやガラパゴス諸島にも行けるでしょ?一番行きたいところへ行ったら、また余命3年を考えて、その時一番行きたいところへ行く。すぐ行けるところはすぐ行く。費用や体力などが必要なところは準備してから行く。一度行ったところでも、もう一度行きたければ行く。これを続けてはいかがでしょうか。

私の場合は、先ほど書いたように3年に1度ある(ロパートキナの)バレエ鑑賞目的のロンドン旅行が常に行きたいNo.1でしたが、それも彼女の怪我と引退で終了。フィレンツェとヴェネツィアとミラノにどうしても行きたい場所や見たい美術館、泊まってみたいホテルがあったので、今年の年初に訪れました。あぁ、どこも素晴らしかった!

次の行く先は…内緒です。



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