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もうすぐ夏休み。帰省や子どもたちとの旅行を考えている人も多いだろうが、その際の移動は愛車? それとも電車や飛行機? いずれにしても子どもたちがグズったりすると大変……なんて人も最近注目しているのがキャンピングカー。何しろドアを開ければ寝るためのベッドはもちろん、キッチンや冷蔵庫、トイレにお風呂にテレビにソファ……などがそろっていて、まさに家での生活がそのままできるからだ。これなら道中で子どもたちが騒ごうが、他人に迷惑をかける心配もない。
そんなキャンピングカーの最新車がずらりとそろった「東京キャンピングカーショー2013」が東京ビッグサイトで7月6日と7日の2日間開かれたので行ってきた。
“動く家”から手軽な軽自動車ベースまで、たくさんの種類があるそれでは早速キャンピングカーを紹介していこう。まずは「キャブコン」。これはトラックなどをベースに、運転席の上までキャビン(部屋)を載せるようなカタチをしたものをいう(写真1・2・3)。運転席上の部分はベッドになっていることが多く、後部にはキッチンやソファ、冷蔵庫、トイレなどを備えている。最近は車のクーラーでは足りないと、室外機を備えた本格的なクーラー(4)まで搭載しているものもある。価格は500万~800万円くらい。
さらにミニバンやバンをベースにしたものを「バンコン」(写真5)、それよりも大きなマイクロバスをベースにしたものを「バスコン」(写真6・7・8)と呼ぶ。以上の3台は車の大きさによって装備の有無が左右されるが、ベッドだけは必ず備わっている。バンコンの価格は300万〜500万円、バスコンは500万〜700万円といったところ。
なおこれらの価格は装備の充実次第で変動し、なかには1000万円を超えるものもある。
また、普通の車(※1)で牽引するキャンピングトレーラー(写真9)や、モーターホーム(写真10・11・12)はキャンピングカーの本場であるアメリカやヨーロッパ製がほとんど。どちらもトイレやシャワールームなどを完備するなど広さを活かした間取りや装備が魅力だ。
例えば写真(10)のモーターホームは、全長9700mm×全幅2490mm×全高3200mm(一般的な軽自動車より約3倍長くて約1.5倍幅が広い)というサイズを活かして、リビングと寝室それぞれにテレビが備わり、シャワールームとトイレがある。価格も1554万円(税込)だからまさに動く家だ。
一方で、軽自動車をベースにした軽キャンパー(13・14・15・16)は、価格も180万円~とほかのキャンピングカーより手ごろなため、最近は人気が高い。つくりとしてはバンコンとほぼ同じで、後部は移動時には普通の座席、寝るときはベッドに早変わりする。
スペース上トイレなどを装備できないが、最近はシャワールームや電源などを備えた道の駅やサービスエリア/パーキングエリアなどがあるし、日帰り温泉施設もあるので、これらを利用すれば十分旅が楽しめる。
ここ数年は子育てを終えた世代がセカンドライフを楽しみたいと、軽キャンパーなどを購入するケースが増えているが、最近では20~30代の若いファミリー層も多いという。車中泊することでホテル代などが節約できるし、冒頭のように子どもたちが騒いでも気兼ねなく遊ばせておけるし、車の中で仮眠が取れるため渋滞を避けて前日から出かけられるなどメリットがあるため、キャブコンなどを購入しているようだ。
さらに最近の傾向としては、愛犬とともに旅行へ出かけたいというニーズも多いそうだ(写真15は愛犬仕様の軽キャンパー)。実際、今回の「東京キャンピングカーショー2013」でも愛犬を連れた見学者が数多く来場していた。
そのほか装備面では、車の上に載せる太陽光発電設備や、屋根上をベッドにすることで室内を有効に活用できるポップアップ式ルーフ(写真13・14)などが目立った。
キャンピングカーを家にするより「動く別荘」と考えたほうがいいさて、これだけ充実した装備を備えたキャンピングカー。家を買うよりは安いから、いっそのこと普段の住まいとしても活用できないかと思うかもしれないが、そう簡単ではない。
まず購入する際には車庫証明が必要で、そのためには自宅と、自宅から半径2km以内(※2)に駐車場がなければならない。つまり購入時点では自宅と駐車場が必要だということ。
また住民票をとるという面から考えても、移動できるキャンピングカーを建築物として認めてもらう必要があり、そのためには土地に固定することはもちろん、上下水道や電気などもキャンピングカーに引き込んだりしなければならない。
しかし動かないキャンピングカーって一体……。それよりは「好きな景色まで移動できる便利な別荘」として捉えたほうが正解じゃないだろうか。
※1/キャンピングトレーラーのサイズ等で牽引できる車の性能等が決められている。購入時に確認を。
※2/写真のような大型のキャンピングカーは、半径2km以内に関わらず警察庁が認めた業者が運営・管理している駐車場で車庫証明を取ることができる。例えば自宅は東京、駐車場は栃木ということも可能。
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナルこの記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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