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都心の30駅を環状に結んで走るJR山手線。東京駅や新宿駅をはじめ沿線の駅には都心から各方面に延びる路線が多数乗り入れており、都内交通網の要と言える存在だ。そして便利で人気があるゆえに、東京都内でも特に家賃相場が高いことでも知られている。そんなJR山手線のなかでも、家賃相場がリーズナブルな駅を調査! 各駅から徒歩15分圏内にある、一人暮らし向け賃貸物件(専有面積10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場を安い駅順にランキングした結果をご紹介しよう。
JR山手線の家賃相場が安い駅ランキング安い駅TOP10は沿線のなかでも北側、日暮里駅~新大久保駅間に集中JR山手線の30駅のうち最も家賃相場が安かったのは、田端駅で家賃相場は8万6500円。北区にあり、JR山手線の駅では最も北側に位置している。駅北口側に併設された「アトレヴィ田端」にはスーパーやドラッグストア、ベーカリーに飲食店などが入っており、日常的に活用しやすそう。駅周辺にもスーパーやコンビニが点在し、深夜0時まで営業するスーパーもあって便利。駅前のビルにはファストフード店やファミレスがあるほか、駅周辺には気軽に入れる和食や中華の食堂、そば店に居酒屋も点在し、サッと食べて帰ることもできそうだ。
(写真/PIXTA)
2位は田端駅から1駅目、荒川区にある西日暮里駅で家賃相場は8万7000円。JR京浜東北線も停車するほか、赤坂駅や表参道駅と結ばれた東京メトロ千代田線が通っている。JRの駅舎から少し離れた場所には、東京23区北東部へ延びる日暮里・舎人ライナーの駅も。駅の東側にはファストフード店からカフェ、居酒屋に焼き肉店……とさまざまな飲食店が立ち並んでいるので、外食する場所には困らないだろう。駅から徒歩10分圏内にスーパーやドラッグストアも複数。さらに、食べ歩きもできる谷中銀座商店街も駅から歩いて10分ほどなので、休日に訪ねても楽しそう。
3位は豊島区にある目白駅で家賃相場は8万8000円。両隣に位置する5位・高田馬場駅(家賃相場9万1000円)と7位・池袋駅(同9万3000円)ほどには繁華街は広がっておらず、落ち着いた雰囲気の街並みだ。とはいえコンビニやドラッグストアは駅周辺に複数あるので、日常のちょっとした買い物には困らない。駅前には飲食店やスーパーなどが入ったおしゃれな雰囲気のショッピングモール「トラッド目白」も。このショッピングモールが面した目白通り沿いには飲食店も点在しているが、少し裏道に入ると静かな住宅街が広がっている。
1位・田端駅からJR山手線の外回り(時計回り方向)に乗ると2位・西日暮里駅~4位・日暮里駅(家賃相場8万9000円)と続き、逆方向の内回りに乗ると1駅目が10位・駒込駅(同9万4000円)という位置関係。駒込駅~田端駅、田端駅~日暮里駅は、それぞれ歩いても15分少々という近さだ。そして連続するこの4駅はいずれも、さまざまな大学に通いやすい立地でもある。最寄り駅というほど接近はしていないが、たとえば田端駅から自転車で15分圏内に限っても、東京都立大学や女子栄養大学、東洋大学、日本医科大学、東京大学、東京藝術大学などのキャンパスがある。周辺一帯にはこうした大学に通う学生向けの賃貸物件が豊富にそろっていることも、JR山手線沿線にしては家賃相場がリーズナブルな理由の一つかもしれない。
学生が多く利用する駅周辺には若者が日常使いできる価格帯の飲食店も多く、一人暮らししやすい街並みが広がっている。しかし昔はいざ知らず、JR山手線では家賃相場が低めであっても、学生には「安い」とも言えない金額ではある。その点、社会人の一人暮らしならば住む街の候補に入れやすいかもしれない。
また、1位・田端駅がJR山手線で最北の駅であることに加え、トップ10の駅はいずれも北側に集中。さらには、順位が入れ替わりつつも日暮里駅~新大久保駅間の連続する10駅すべてがトップ10入りをしていたのだ。JR山手線沿線でリーズナブルに住みたい場合は、まず「北側にある駅」と覚えておくとよさそうだ。
南側にある駅のうち狙い目は高輪ゲートウェイ駅~目黒駅間の5駅!北側にある駅ほうが家賃相場はリーズナブルな傾向にあることは分かったが、「JR山手線のなかでも、JR中央線で南北に分けた場合の南側にある駅のほうが都合がいい。それでもできる限り家賃を抑えたい……」という場合はどの駅がよいだろう。ランキングを見てみると、高輪ゲートウェイ駅(13位・家賃相場10万1000円)~品川駅(14位・同10万3000円)~大崎駅(12位・同10万円)~五反田駅(15位・同10万5000円)~目黒駅(16位・同10万8000円)と連続する5駅がよさそうだ。南側に位置する駅のほとんどは家賃相場が11万円以上だが、この5駅のみ家賃相場が10万円台に収まっている。
JR山手線の南側にある駅のうち家賃相場が最も安いのは、12位・大崎駅。JR各線に加えてりんかい線も乗り入れており、お台場や有明、新木場方面にもアクセスしやすい。駅の北口と南口の改札を結ぶ通路沿いには駅ナカ商業施設「Dila(ディラ)大崎」があり、ユニクロやドラッグストア、飲食店が営業中だ。そして改札を出て駅東側のペデストリアンデッキを進むと、ショッピングモールとオフィスビルからなる「ゲートシティ大崎」や「大崎ニューシティ」へ。駅西側にも同様にオフィス棟と商業棟を備えた「ThinkPark」がある。
大崎駅前(写真/PIXTA)
かつては都内有数の工業地帯だった大崎エリアは1980年前後より工場跡地の再開発が進められ、1990年代~2000年代には大規模なオフィスビルや複合ビルが次々と誕生。いまやビジネスと商業の街として発展している。そして今また、大崎はさらなる進化の過程にある。2022年1月には駅から東へ徒歩8分ほどの旧ソニー本社跡地に地上19階建てのオフィスビルが誕生したほか、駅の西口側で再開発事業が進行中。住宅や事務所、店舗、保育所などを備えた地上35階・地下3階建てのビルが2025年度内に竣工予定だ。
また、12位・大崎駅~15位・五反田駅の中間地点でも、再開発ビルの建築が計画されている。目黒川に面した約1.6ha区域に地上20階建てと39階建ての商・住・業務の複合ビル2棟が建ち、周辺には公園も整備される予定。2027年度の竣工を目指しているそうだ。このビルに先立つ2023年12月には、五反田駅から南に徒歩8分ほどの旧ゆうぽうと跡地に地上20階・地下3階建ての複合ビルができる予定。高層階には宿運営で人気の「星野リゾート」が手がけるホテル、その下にはオフィスエリアや飲食エリア、品川区運営の多目的ホールが設置されるという。
五反田駅周辺(写真/PIXTA)
さらに、15位・五反田駅~16位・目黒駅の間には、新街区「MEGURO MARC」が生まれている。賃貸住宅、分譲住宅、オフィスの3棟からなる「複合型のまちづくり」が進められ、すでに地上13階・地下1階建てのオフィス棟と、地上24階・地下2階建ての賃貸住宅棟は2022年に完成。3棟のうち最も高層ビルとなる地上32階・地下1階建ての分譲住宅棟は、2023年8月竣工予定だ。
今回の調査では、JR山手線の南側としては家賃相場が低めだった高輪ゲートウェイ駅~目黒駅間。上記に挙げた以外の高輪ゲートウェイ駅~品川駅間を含めて続々と再開発が進行しており、このエリアの注目度が高まっていくのは必至だろう。今後は家賃相場が上がることも考えられるので、今のうちに一度住んでみるのもアリかもしれない。
●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されているJR山手線沿線の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/1~2022/12
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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