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“日本の伝統色”を採用した美しいカラーバリエーションがそろう「いろもよう」のインキを組み合わせて、自由に配置し、他にはない自分だけのオリジナルスタンプパッドがつくれる「いろづくり」。
今回は、minneの作家さんにそんな「いろもよう」と「いろづくり」を使って、贈り物に春の華やかさをプラスできる、ポストカードやギフトボックスづくりに挑戦いただきました。色選びやつくり方のポイントもおうかがいしていますので、ぜひ最後までお楽しみください。
無色のスタンプパッドに、全29色から選んだ複数の専用インキを垂らして、まだら模様やストライプなど、世界にひとつのスタンプパッドを簡単につくることができます。
ご協力いただいたのは、ストーリー性のあるオリジナルの図案で消しゴムハンコを制作されている作家・日々森はんこさんです。
手彫りとは思えないほどの繊細なラインで表現された日々森はんこさんの消しゴムハンコはそのひとつひとつにモチーフやストーリーがあります。さまざまな配色で表現できる「いろづくり」のグラデーションは、作品のもつ幻想的な雰囲気にぴったり。
今回のテーマは”春”。さまざまないろづくりを制作いただき、春の贈り物を彩ってくれる華やかな作品の数々が誕生しました。
日々森はんこさんならではの、絵本の1ページのように美しい作品をひとつひとつご紹介します。
まずはじめに制作いただいたのは、暖かな桜の色合いの中にどこか物悲しい雰囲気をあわせもつポストカードです。「桜の木下で旅立つ」というタイトルの通り、ノスタルジーな印象で儚く美しい作品となりました。
桜には、牡丹色(ぼたんいろ)、桃色(ももいろ)をメインで使用。そこに立体感を意識して藤色(ふじいろ)を入れてみたところ、絶妙な色味が想像以上にいい効果を出してくれたそう。
桜の下にいるのは、日々森はんこさんの手がける「佇む紫陽花」。美しい女性の容姿や立ち振る舞いを花にたとえた「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」から着想を得た消しゴムハンコです。
「佇む紫陽花」には、向日葵色(ひまわりいろ)や鴇色(ときいろ)を使用した「いろづくり」を使用。
「向日葵色(ひまわりいろ)を使用した部分は、光に当たったような表現ができてよかったです。白の紙なので見えづらくなるかなと心配しましたが、発色のよさに助けてもらいました」と日々森はんこさん。
今回の作品では黒を使ってしまうと色が浮いてしまいそうだったので、馴染むようにトーンの落ち着いた銀鼠色(ぎんねずいろ)を使用してみました。
落ち着いた色味が上品なメッセージカードも制作いただきました。さきほどの温かな色合いのポストカードとは異なる魅力をもったデザインです。
タイトルは「新しいスタートに」。本を読むことで知識や世界が広がる様子を表現した消しゴムハンコ「掌上の世界」が主役です。
深い海や宇宙を連想するような美しいブルーが印象的。瑠璃色(るりいろ)、浅葱色(あさぎいろ)、藤色(ふじいろ)が使用されています。
普段の作品制作でも寒色系のインクを好んで使っているという日々森はんこさん。今回も色選びにこだわりはあるのでしょうか。
帯を巻き付けるだけで、春らしいラッピングが完成する、ギフトボックスも制作いただきました。届いた瞬間からワクワクが止まらない「春のお届け物」です。
さきほどご紹介したポストカード、メッセージカードに使用された消しゴムハンコに加え、高級感をプラスしてくれる「クマンバチの封緘印」を使用。複数のハンコと「いろづくり」を組み合わせて、絵巻物のような一枚絵が完成しました。
帯が二重になっていることで、立体感やクラフト紙と白紙に自然なグラデーションが生まれています。日々森はんこさんは「クマンバチは、大切な小包を第三者が開封しないように監視する役割でもあります」とも教えてくれましたよ。
クマンバチのハンコを立体的なグラデーションカラーに仕上げているのは、ポストカードの「佇む紫陽花」にも使用された「いろづくり」。
向日葵色(ひまわりいろ)と鴇色(ときいろ)をベースに、アクセントとして若竹色(わかたけいろ)、紅色(べにいろ)を使用しています。
日々森はんこさんの、絵本の世界から飛び出してきたかのような図案と幻想的なグラデーションは相性抜群。「このデザインにはこんな意味が込められているのかも」とひとりひとりが違ったメッセージを受け取れる素敵な作品たちが生まれました。
実は「配色に自信がなかった」と教えてくれた日々森はんこさん。今回「いろづくり」と「いろもよう」を使った感想をうかがいました。
自分好みに色をつくれるだけでなく、使っていくうちに自然と色同士が混ざりあい、自分では意図していない違った色合いや配色になることが楽しかったです。世界にひとつだけの色が生まれるところがとてもいいなと思います。
最後に、制作を振り返っての感想と、「いろづくり」や「いろもよう」を使ううえでのポイントについてうかがってみました。
この記事を読まれているみなさんも、まずは「いろづくり」を使って自分だけのお気に入りのハンコを押してみてください。まずは同じ色相でまとめてみると失敗がありません。慣れてきたら、全く色相の違う色(補色)をワンポイントで混ぜてみるとおもしろい色合いになりますよ。いつものハンコの意外な印影に出会えるはずです。
好みの色を、自由に組み合わせてつくれるスタンプパッド「いろづくり」で、あなただけのスタンプ作品づくりを楽しんでみませんか。
ひとつのスタンプパッドの中で、ハンコをあてる角度や位置によってさまざまな色の表情を楽しむことができます。今回ご紹介した色の組み合わせや、複数のハンコを使って物語のある1枚を描くテクニックもぜひ参考にしてみてくださいね。
文 / 澤田芽乃華 撮影 / 真田英幸
企画・ディレクション / 中村瑛美里
この記事のライター
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