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まるで”屋根のある公園”「東京R不動産」運営のOpen Aの新オフィスが自由で楽しすぎた

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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まるで”屋根のある公園”「東京R不動産」運営のOpen Aの新オフィスが自由で楽しすぎた

住宅やオフィス、公共空間のリノベーションを手掛ける建築設計事務所「Open A」。独自の角度から不動産の魅力を掘り起こす「東京R不動産」の運営でも知られている。
そんなOpen Aが昨年11月、本社機能を神田から日本橋馬喰町に移転。その新オフィス「Un.C.(アンク)」が、とにかくかっこいいとウワサだ。かっこいいだけでなく、「これからのワークスペース」にまつわる実験の場でもあるらしい。いったいどんな空間なのか? 訪ねてみた。

広いワンフロアにキッチン、リビング、執務エリアなどが混在

新オフィスはJR浅草橋駅から徒歩3分。神田川沿いに建つ7階建てビルの7階にある。じつはこのビル自体、そもそもOpen Aがリノベーションの設計を手掛けており、自らがつくり上げたオフィスにそのまま入居した形だ。また、オフィスの一部はシェアスペースとして運営し、少人数の組織、フリーランスの個人などに貸し出している。外から多様な業種を迎え入れることで刺激を生み、時には協業して新しい価値を生み出したい。そんな狙いもあるようだ。

【画像1】ショールーム兼倉庫だった建物を、一棟まるごとリノベーション。オフィス仕様へとリニューアルしている(写真撮影/森カズシゲ)

【画像1】ショールーム兼倉庫だった建物を、一棟まるごとリノベーション。オフィス仕様へとリニューアルしている(写真撮影/森カズシゲ)

ともあれ、まずはその空間の全容を見てみよう。

【画像2】入口には“工事中”を意味する「Under Construction/Un.C.(アンク)」のロゴが。より良い空間は現在進行形で日々つくられていく。そんな志を表現している(写真撮影/森カズシゲ)

【画像2】入口には“工事中”を意味する「Under Construction/Un.C.(アンク)」のロゴが。より良い空間は現在進行形で日々つくられていく。そんな志を表現している(写真撮影/森カズシゲ)

【画像3】入口から手前半分はオープンな空間。ベンチが置かれたフリースペースの奥に、みんなが集まれる「LDK」のような場所もある(写真撮影/森カズシゲ)

【画像3】入口から手前半分はオープンな空間。ベンチが置かれたフリースペースの奥に、みんなが集まれる「LDK」のような場所もある(写真撮影/森カズシゲ)

【画像4】オフィス空間としては立派過ぎる対面式キッチン。コーヒー片手に何気ない会話を生み、人間関係の潤滑油的な役割を果たすのだとか(写真撮影/森カズシゲ)

【画像4】オフィス空間としては立派過ぎる対面式キッチン。コーヒー片手に何気ない会話を生み、人間関係の潤滑油的な役割を果たすのだとか(写真撮影/森カズシゲ)

【画像5】ここは会社のリビング的なラウンジスペース。こちらも、雑談レベルのカジュアルなコミュニケーションが生まれやすい空間だ(写真撮影/森カズシゲ)

【画像5】ここは会社のリビング的なラウンジスペース。こちらも、雑談レベルのカジュアルなコミュニケーションが生まれやすい空間だ(写真撮影/森カズシゲ)

【画像6】執務スペース。物流倉庫で使うラックを組み合わせ、各ブースをゆるやかに区切りつつも抜けのある空間に仕立てている。ラックは2段になっていて、下はデスク、上は物置。天井高4メートルの利点を、余すところなく生かしている(写真撮影/森カズシゲ)

【画像6】執務スペース。物流倉庫で使うラックを組み合わせ、各ブースをゆるやかに区切りつつも抜けのある空間に仕立てている。ラックは2段になっていて、下はデスク、上は物置。天井高4メートルの利点を、余すところなく生かしている(写真撮影/森カズシゲ)

【画像7】個室の会議室も。よく見るとテーブルの天板が廃材のソーラーパネルになっていたりして、おしゃれかつエコ。細部にまで抜かりなくセンスが光っており、その一つひとつにいちいち感動してしまう(写真撮影/森カズシゲ)

【画像7】個室の会議室も。よく見るとテーブルの天板が廃材のソーラーパネルになっていたりして、おしゃれかつエコ。細部にまで抜かりなくセンスが光っており、その一つひとつにいちいち感動してしまう(写真撮影/森カズシゲ)

【画像8】こちらは通称「ファミレス席」。個室を使うまでもないライトなミーティング、あるいは一人こもって集中したいときなどに重宝するそうだ。座ってみると、なるほど一人作業がはかどりそうな空間である(写真撮影/森カズシゲ)

【画像8】こちらは通称「ファミレス席」。個室を使うまでもないライトなミーティング、あるいは一人こもって集中したいときなどに重宝するそうだ。座ってみると、なるほど一人作業がはかどりそうな空間である(写真撮影/森カズシゲ)

産業廃棄物をリメイクしたオリジナル家具も

また、家具・インテリア類にも、さすがのこだわりが見受けられる。

【画像9】座面に「消防車のホース」を使用したベンチ。ホースの中に角材を仕込んで強度を高めている(写真撮影/森カズシゲ)

【画像9】座面に「消防車のホース」を使用したベンチ。ホースの中に角材を仕込んで強度を高めている(写真撮影/森カズシゲ)

【画像10】こちらは跳び箱を使ったテーブル&チェア。色塗っただけで、こんなにもスタイリッシュになるとは(写真撮影/森カズシゲ)

【画像10】こちらは跳び箱を使ったテーブル&チェア。色塗っただけで、こんなにもスタイリッシュになるとは(写真撮影/森カズシゲ)

なお、これらの家具の素材には全て産業廃棄物が用いられている。産廃処理会社と提携し、一度は廃棄されたものをカスタマイズしてつくった、Open Aのオリジナルプロダクトなのだという。それも量産品ではなく、全てがこの空間の雰囲気に合わせてつくられた一点ものというから何とも贅沢だ。

【画像11】同じく小学校シリーズ。石灰でトラックに白線を引くラインカーは、なんとプランターに。石灰を吐き出す部分から余計な水がはけるようになっていて、鉢植えとしてもなかなか機能的であることが分かった(写真撮影/森カズシゲ)

【画像11】同じく小学校シリーズ。石灰でトラックに白線を引くラインカーは、なんとプランターに。石灰を吐き出す部分から余計な水がはけるようになっていて、鉢植えとしてもなかなか機能的であることが分かった(写真撮影/森カズシゲ)

目指したのは「公園のようなオフィス」

オフィスとしての機能性、使い勝手はもとより、長い時間を過ごす居室としての心地よさをも兼ね備えた空間。こんなオフィスなら、さぞ楽しく働けるに違いない。

なお、「Un.C.」の大元のコンセプトは、アメリカ西海岸のオフィスにその原型があるという。Open Aの馬場正尊(まさたか)代表は、以前に視察で訪れた当地の「オフィスらしからぬワークスペース」が、設計にあたって大きな手掛かりになったと語る。

「シリコンバレーのIT・クリエイティブ系ベンチャー企業は、もはやオフィスがオフィスの風景をしていないんですよね。言うなれば『屋根付きの公園』のような空間です。そこでは各々が好きな場所で、それぞれのモードで仕事をしていて、必要に応じて集まり、離散する。楽しくて自由な雰囲気がありました。2013年に私が出した『RePUBLIC-公共空間のリノベーション』という本の中で、“公園のようなオフィス”という構想を描いたんですが、まさにそれを体現するような空間でしたね」(馬場氏、以下同)

執務スペースや会議室といった従来のオフィス機能に加え、同じフロアにキッチンがあり、リビングがあり、ベンチやファミレス席もある。気分に合わせて好きな場所で仕事をし、状況に応じて会議のスタイルを変えられる。目指したのはそんな場所だ。

【画像12】「ずっとこんなオフィスをつくりたかった」と馬場氏(写真撮影/森カズシゲ)

【画像12】「ずっとこんなオフィスをつくりたかった」と馬場氏(写真撮影/森カズシゲ)

【画像13】個人や組織を隔てるパーティションを取り払ったオフィスでは、過度に干渉し合うわけでなく、会話を欲している人同士が自然と語り合う(写真撮影/森カズシゲ)

【画像13】個人や組織を隔てるパーティションを取り払ったオフィスでは、過度に干渉し合うわけでなく、会話を欲している人同士が自然と語り合う(写真撮影/森カズシゲ)

「空間を仕切らずオープンにすることで、あえて“雑音”を生む狙いもあります。適度なノイズは脳を刺激してくれますよね。今って人間に求められる仕事が『作業』から『発想』や『コミュニケーション』に変わってきているじゃないですか。僕らの業務も、もちろん一定の作業量は伴いますが、設計という仕事においてはアイデア出しや、アイデア同士を対話によって組み合わせ、新しい何かを生み出すクリエイティビティが何より重要。そのためには、こういう場所が適していると思うんです。それも含めて、今まさに実験しているところですね」

入居から2カ月足らずの現段階で成果を語ることは難しいが、“実験”は順調だという。日々、さまざまな発見があるようだ。

「例えば、誰がどこで仕事をしているかが一目瞭然なので、みんなの今の“モード”が分かる。黙々と作業に没頭したいのか、作業に集中したいけど話しかけるのはアリなのか、あるいは完全にオープンなモードなのか。ここにはオープンな空間、オープンとクローズの中間のような空間、クローズな空間と全てがそろっているので、居場所によって何となくその人が発しているメッセージが読み取れるようになりました」

自らを実験台に、これからのオフィス、働き方の最適解を探る。いかにも空間設計のプロフェッショナルらしいアプローチだ。

【画像14】取材対応いただいた皆さんの明るい表情や雰囲気の良さからも、“実験”が順調であることがうかがえた(写真撮影/森カズシゲ)

【画像14】取材対応いただいた皆さんの明るい表情や雰囲気の良さからも、“実験”が順調であることがうかがえた(写真撮影/森カズシゲ)

各々がデスクに張り付き、自らの仕事を粛々とこなすといった、従来のオフィスのセオリーの真逆を行く「Un.C.」。型破りのようにも思えるが、しかし本来、仕事をする場所に決まった型なんてない。こんなふうに自由で楽しいオフィスが、もっともっと増えたっていいはずだ。

●取材協力
・REWORK (5/15オープンの新しい働き方を実践するメディア)
・Open A
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この記事のライター

SUUMO

『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。

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