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ペットと入居が前提⁈ 愛馬とも暮らせる賃貸住宅に行ってみた

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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ペットと入居が前提⁈ 愛馬とも暮らせる賃貸住宅に行ってみた

ペットと暮らせる賃貸住宅が増えている。とはいえ、ペットと言えば、犬や猫、小鳥、熱帯魚などが思い浮かぶだろう。ところが、もっと大型の「馬」と暮らせる賃貸住宅があるという! いったい、どんな賃貸住宅なのか? そこでどんな暮らしができるのか? レポートしよう。
動物や自然と触れ合う暮らしができる場所、女性が助け合える場所にしたい

場所は、埼玉県入間郡越生(おごせ)町。都心から1時間半ほど、豊かな自然が残る里山が広がるエリアだ。

オーナーの小森恵子さんは、ベネッセグループの会社社長を務めた経験もあり、かつては仕事漬けの日々を過ごしていた。持病が悪化して退職したときに、乗馬が趣味で馬も所有していたので、越生町に愛馬と一緒に引越して、休業生活を始めた。ところが、それが縁で乗馬クラブの経営に参加するようになり、乗馬を中心とした動物や自然と触れ合って過ごせる場をつくろうと考えるようになった。それからは馬術の指導員資格や審判員資格の取得や競技会にも参加、馬術技術向上をめざし海外にも勉強に出かけた。

そして、近所に廃業した料亭(地鶏などのジビエ料理)旅館があると聞き、そこを買い取って『ビレッジ・マイエッセ』と名付け、都会を離れて動物や自然と触れ合って過ごせる場をつくることを決めた。

できるだけ建物を残してほしいという売主の意向を受けて、母屋を住まいにし、点在する離れ風一戸建ての宴席場を厩舎(きゅうしゃ)や事務所、物置、宿泊施設などにリフォームし、複数の馬場もつくった。和風の一戸建ての外観が残っているため、現地を訪れた筆者はどこが厩舎なのかよく分からなかったほどだ。

【画像1】厩舎の1つで馬の世話をするオーナーの小森さん。柱や梁(はり)、塗り壁などは元の建物を残している(写真撮影/片山貴博)

【画像1】厩舎の1つで馬の世話をするオーナーの小森さん。柱や梁(はり)、塗り壁などは元の建物を残している(写真撮影/片山貴博)

【画像2】『ビレッジ・マイエッセ』には、和風建物が多く残る。写真の建物は、物置や会議室、一部を厩舎として使っている(写真撮影/片山貴博)

【画像2】『ビレッジ・マイエッセ』には、和風建物が多く残る。写真の建物は、物置や会議室、一部を厩舎として使っている(写真撮影/片山貴博)

さらに、離婚経験がある小森さんは、女性が年をとっても助け合いながら暮らせる場をつくろうと思い立ち、敷地内に女性専用のコレクティブハウス(※)『トロット』もつくった。ちなみにトロットは、馬の走り方のうち速歩のことをいう。

※コレクティブハウスとは、北欧発祥の住み方で、仲間同士がそれぞれ独立した居室で暮らしながら、共用スペースで生活の一部を共に過ごせる住まいのこと

温水の洗い場、滑らない廊下、しつけ教室……動物と暮らすのが当たり前の賃貸

2階建て全15室のトロットは、ペットと暮らすのが当然という前提なので、さまざまな工夫が施されている。

バリアフリーであるのはもちろんのこと、共用玄関脇の大型シューズインクローゼットには、温水も出るペットの洗い場を設けている。廊下部分は、滑りにくい素材の小さなカーペットを敷き詰めているが、犬がおしっこをかけてしまうところは、そこだけはがして交換できるようになっている。

【画像3】洗い場があるシューズインクローゼット(写真撮影/片山貴博)

【画像3】洗い場があるシューズインクローゼット(写真撮影/片山貴博)

【画像4】滑りにくいカーペットを敷いた幅の広い廊下(写真撮影/片山貴博)

【画像4】滑りにくいカーペットを敷いた幅の広い廊下(写真撮影/片山貴博)

窓から馬場が見える、入居者の共用のダイニングキッチンは、入居者たちが集まってパーティー(実費は参加者負担)を開いたりするだけでなく、定期的に無料で開催される犬のしつけ教室や馬に関する勉強会などの会場にもなる。ほかにも、施設のサービスとして、ペットのトリミングや獣医への無料送迎サービス、馬の世話や運動、健康管理までまるごと請け負うお任せパック(月額7万5000円~※厩舎利用のみは月額2万円)などもある。

【画像5】大型キッチン付きの共用ルーム(写真撮影/片山貴博)

【画像5】大型キッチン付きの共用ルーム(写真撮影/片山貴博)

建物に隣接した場所にドッグランをつくる予定だが、「長い廊下を走り回る犬が多いので、ドッグランは頭数が増えてきてからでもいいかなと思っています」と小森さん。

一方、入居する部屋は25.63m2~40.28m2までの3タイプあり、賃料は月額6万2000円~8万9000円。共用部分の利用料金は家賃に含まれるが、ほかに、月額9000円の共益費(共用部分の清掃費用も含む)がかかる。

室内は、一般の賃貸住宅の設備に比べるとグレードが高いと思える、システムキッチンやユニットバス、トイレが設置され、ウオークインクローゼットもある。

ちなみに、トロットで飼えるペットは、飼い主が責任を負えるという原則の下でその種類や頭数には大きな制限はないが、人に恐怖心を与える動物もいるので、特殊なペットについては相談の上ということだ。

【画像6】部屋の間取図(出典/「トロット」の案内資料より転載)

【画像6】部屋の間取図(出典/「トロット」の案内資料より転載)

【画像7】Aタイプのモデルルームの室内(写真撮影/片山貴博)

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馬と深く接することができること、動物好きの仲間がいることが入居の決め手

トロットは現在4室が契約済み。40代~60代の7人の女性が住むが、定住している人もいればセカンドハウスとして週末などに利用する人もいる。馬を預けている人も、馬を持たずに乗馬を楽しむ人もいるが、共通しているのは馬が好きというということと、ペットを飼っているということだ。

そんな入居者の一人Sさん(50代)に、入居理由をうかがった。Sさんは乗馬仲間3人と1室をシェアしている。それぞれ仕事があるので、休日にトロットに泊まって乗馬を楽しんでいるが、幸い仕事の休日が異なるため、交代で利用する形となった。

Sさんは当初、家の近くの乗馬クラブに通っていたが、そこではサラブレッドが多く、本格的な馬術向きの馬は少なかったと言う。小森さんによると、馬術には温厚な性格で馬体ががっしりとしている馬が適しているので、サラブレッドだけでなく、外産馬も多く飼育して乗馬できるようにするのがよいのだそうだ。

ここでは、乗馬に適した馬を多く飼育しているうえ、小森さんが事前に調教して乗りやすい状態にしてからレッスンが受けられるのが良いと考え、Sさんは入居を決めたと言う。さらにSさんは、ただ乗るだけでなく、馬のことをもっと知りたいと、自主的に厩舎の馬の世話もしている。そうしたことができるのも、ここの魅力のようだ。

犬も好きなSさんは、ドッグトレーナーの資格を取って犬のしつけもしている。今は、保護犬のアースを引き取って育てている。入居者の多くが犬を飼っているということで、不在時に犬のエサやりや散歩を頼める環境にあるのも、助かるのだという。

入居者などが集まってバーベキューパーティーを開いたときは、皆が犬を連れてきたので、小型犬から大型犬まで多種多様な犬が集まったのだとか。オーナーの小森さんも保護犬だった夢ちゃんを引き取って育てているが、馬好き・犬好きの集まりなので、臆病な犬にもはしゃぐ犬にも適度な距離感で接してくれるため、人も犬も楽しめるパーティーになったのだそうだ。

「動物は見るだけ」という筆者は、馬・犬という括りででしか見ていなかったが、動物愛好家がのびのび暮らせるようにという、小森さんの想いに共感した人たちが入居するので、動物への理解が深く、その特徴や性格を見ながら適切な距離感で接することができ、安心して助け合える関係が構築できるのだろう。その核となるのが、オーナーの動物愛なのだと思った。

●取材協力
・ビレッジ・マイエッセ 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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この記事のライター

SUUMO

『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。

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