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初夏の陽気に肌も汗ばむ季節。気温が高くなると気になるのは「蚊」の発生です。人間の血を狙いすばしっこく飛び回る蚊たち。網戸を使っているはずなのに、いつの間にか部屋に侵入していた……なんてことも。でも、もしかしたらそれ、網戸の使い方次第で防げたかもしれません。
「窓と網戸の位置関係によっては、蚊が入りにくくなるんです」と語るのは、窓まわりのアイテム等を製造するメーカー・YKK AP住宅商品企画部の千田正勝さん。詳しく教えてもらいました。
蚊を防ぐための「網戸と窓の位置関係」、これだけは覚えておこう!
通気も確保しながら、蚊などの虫の侵入を防御する強力な武器「網戸」。蚊が入らないように、網戸を素早く開け閉めしている人は多そうですが、窓と網戸の位置関係に気を配っている人は少ないかもしれません。“窓も網戸も閉めている状態”にしていれば安心と思いがちですが、それぞれどのような位置にあるかによって、蚊に侵入の隙を与えてしまうリスクが高まるようです。
例えば、スライド式網戸の場合、蚊の侵入防御率を最も高められるのは次のイメージのような状態。
この2パターンを守りさえすれば、開口部から蚊が侵入することはまずないとのこと。問題なのは、多くの人がやっているであろう、次の状態。
基本は“網戸”と“外側の窓”のフレームの位置を合わせ、端をしっかりつけること、窓を閉めているときも網戸はしっかりと端に寄せること。この2点を守ることで、蚊の侵入を防ぐことにつながるようです。
網戸の密閉性を高めるには“網”だけではなく“フレーム”も重要!網戸は網目部分だけではなく、窓のフレームと接する網戸の縦方向のフレーム部分「縦框(たてがまち)」も重要なんです。
「外側の窓と網戸の間には、構造上左右に可動するために必要なわずかな隙間があるために、そこから虫が侵入する可能性があります。それを防ぐために、網戸の縦框(たてがまち)に『モヘア』と呼ばれるケバケバした起毛材が付いています。これが隙間をふさぎ、密閉性を高めています」(千田さん、以下同)
このモヘアが変形したり、窓に上手く密着していなかったりしたら、それは網戸の替えどきとのこと。ちなみに、耐用年数は大体10年ほどだとか。
網戸の効果を高めるには“掃除”と“メンテナンス”も欠かせないまた、もちろん素早い開け閉めで蚊に付け入る隙を与えないことも肝心といいます。網戸の“シャーーーッ”というスムーズな動作を可能にするためには、網戸レールのお掃除は欠かせません。
「網戸レールに砂やほこりなどのゴミがたまると網戸の動きは悪くなります。また、ペットを飼っている方は、レールに毛がたまってこびりつき、固まってしまうこともあるようです。そうなる前に、ゴミはこまめに掃除機で吸い取ったり、雑巾で拭いたりして取り除きましょう」
「また、部品の不具合などによって網戸の動きが悪くなることも考えられます。例えば、網戸の脱落・落下防止の危険性を抑えるための部品『はずれ止め』の位置が合っていないとか、網戸の動きを滑らかにする車輪『戸車』がしっかりレールに乗っていないなどということがあります。自分で直せる場合と、修理を依頼したほうが良い場合がありますが、まずは取扱説明書を確認しましょう」
最近は、網目が細かいタイプのものや、防虫剤を練り込んだものまで、さまざまな網戸がリリースされています。とはいえ、使い方次第ではその防御効果も低減してしまいます。まずは窓を開けているとき閉めているとき、それぞれの状態での網戸の位置に気を配ること、そしてこまめな掃除とメンテナンスで網戸のスムーズな開閉を可能にすること、この2つを守って蚊の侵入を防ぎましょう。
●取材協力この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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