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掃除といえば、年末の大掃除で一気に済ませるという人は多いだろう。しかし、「年末の大掃除のときにやることの多い窓や網戸、カーペットなどの掃除は、梅雨の時期に済ませるのがオススメです」。そう話すのは、生活コラムニストのももせいづみさん。そのワケとは?
嫌われがちな“湿気”にはメリットがもある
掃除をするタイミングは、カラッと晴れた日に換気をしながらという人は多いと思うのだが、なぜあえて雨が降ってジメジメした梅雨の時期に掃除をするのだろう?
「梅雨の時期は、一見掃除に向かないと思われがちですが、そんなことはありません。適度な湿気がカビの胞子の飛散を抑制したり、静電気が発生しにくいのでホコリが取れやすくなったり、夏から秋にかけて最盛期となるダニの発生を予防したり。実は掃除のベストシーズンなんです」(ももせさん、以下同)
また、掃除のテクニックとは少し違うのだが、何かとあわただしい12月よりも雨で外出を控えがちな梅雨の時期のほうが、余裕をもって掃除ができるという理由もあるそうだ。
窓ガラスや網戸の掃除は、小雨の日がオススメでは、さっそく実践編。まずは窓ガラスや網戸の掃除について話を聞いたのだが、「窓ガラスや網戸の掃除は、小雨が降る日にやるといいですよ」と、ももせさん。
「窓ガラスや網戸は、『掃除しても雨でどうせ汚れるから』と、梅雨の時期を避ける傾向にあります。しかし、実は梅雨時期のほうが、窓ガラスの汚れが湿気を含んで落ちやすくなるんです。また、網戸のホコリとりも同様。乾燥した晴天時にやってしまうとホコリが飛び散ってしまいますが、曇天や小雨の日にやればその心配もありません。ホコリが付着した状態でそのまま拭き取ろうとすると、網戸の細かい目のなかにホコリが詰まってしまうので、先にホコリを落としましょう」
そこで、網戸のホコリ取りのコツを教えてもらった。
「掃除したい面の裏側に新聞紙を当てながら掃除機で吸うと、ホコリが取れやすくなりますよ。さらにその後、市販の網戸用お掃除シートなどを使うと簡単です。シートと専用ハンドルのセットで使うのが一般的ですが、ハンドルがなくても大丈夫。台所用のスポンジにシートを巻き付けて表面をこするように拭くだけでも簡単に汚れが落ちます」
静電気が発生しにくい梅雨はカーペット掃除にピッタリ!「カーペットの掃除も梅雨がオススメ」と、ももせさんは話すが、その理由とは……?
「衣類やカーテンなどから出る“繊維のホコリ”や、カビやダニのフンなどの“微細なホコリ”、外から入ってくる“砂ボコリ”など、部屋の中にはたくさんのホコリが充満していて、例えば人が歩くだけでも舞い上がり、家具の上や部屋の隅にまで広がり落ちて堆積します。乾燥した時期は静電気が発生しやすいため、化学繊維のカーペットやソファ、カーテンなどに付着して取れにくくなってしまうんです」
また、ホコリが舞うといえば、大きな家具を動かすとき。繰り返しになるが、梅雨時どきならホコリが舞い散りにくいので、ダニやカビの胞子の拡散も最小限に抑えられるのだそう。雑巾がけは水分が残ってしまうので、市販のウェットシートやマイクロファイバークロス、セルロースクロスなどをしっかりとよく絞ったもので拭くのがいいとのこと。
キッチンまわりの掃除が12月より梅雨の時期がいい理由最後に、キッチンまわりの油汚れについて。コンロ周辺や換気扇などの大掃除のときに、なかなか汚れが落ちなくて苦労する人は多いのでは? しかし、これらの掃除も梅雨~夏にかけてやっておくと楽になるそうだ。
「食器を洗うときもそうですが、油汚れは温度が下がると固くなってしまいますよね。大掃除シーズンの12月は気温が低いので、油汚れが余計に頑固になってしまうのです。一方、梅雨の時期や夏は気温が高く、油汚れは液体に近い状態になるので、拭き取りやすくなるというわけです」
また、固まったままの頑固な油汚れには、ドライヤーで熱風を当てるというのも有効だそう。少々面倒かもしれないが、試してみる価値はあるだろう。
梅雨の時期の掃除というと、“カビ対策”にばかり目が向きがち。たしかにそれもやっておきたいことなのだが、それ以外でも梅雨は掃除のベストシーズン。「雨で出かける気にならない……」。そんな日には、掃除で部屋も心もスッキリ! なんてのもいいだろう。
●取材協力この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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