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忙しい共働き家庭が日々の家事を効率的に進めていくには、どうしたらよいのだろう。救世主は便利な家電の数々だが、家の狭さや価格がネックになって諦めている人も多いのではないか。そこで家電のプロにオススメの時短家電と、その実力を聞いてみた。
【1 掃除】ルンバとブラーバのダブル使いで、掃除は楽勝
今回、取材に伺ったのは白物家電の専門サイト『家電Watch』の編集部。編集長の阿部夏子さんに、「共働き家庭が日々の家事を効率的にこなすために手に入れるべき家電は?」ときくと、「掃除ロボットと食器洗い乾燥機は絶対に使ったほうがいいです」と即答。阿部さん自身も1歳の子どもを持つ共働き家庭で、家事の時短なくして日々の暮らしは成り立たないというから説得力がある。
「まず、掃除の時短については、ロボット掃除機『ルンバ』と床拭きロボット『ブラーバ』のダブル使いがオススメです。うちは1日交代で使っていますが、リビングの床に関しては週末、自分で掃除をする必要はありません。ルンバの進化は目覚ましく、センサーで部屋の状況を把握しながら掃除をするのでゴミ残りはほとんどないし、ブラーバで拭き掃除をすれば、食べこぼしや皮脂汚れもきれいに取れて、子どもが床をはいまわっても安心です」(阿部さん、以下同)
ルンバもブラーバも王道の時短家電として有名だが、購入を諦める理由としては「そもそもルンバを走らせるスペースがない」という声が目立つ。「床に座る生活スタイルだと、モノを上げてスペースをつくらなければならないので、ちょっとハードルが高いかもしれません。ただ、使う側の工夫次第という面もあって、例えば、子どもの遊び場として数枚をつなぎ合わせて使うパズルマットなどを敷いていると移動するのが面倒ですが、一枚の大きめマットなら移動は簡単です」
床掃除に1日約20分かけているとして、その時間が省けると、20分×7日で時短効果は1週間に2時間20分!掃除ができない日が続くと「そろそろやらなきゃ……」と気が重くなるが、そんなプレッシャーから解放されるのもメリットだ。
【2 片付け】時短力はダントツ! 家族も円満になる食器洗い乾燥機次は、面倒な食器洗いを一手に引き受けてくれる食器洗い乾燥機について。キッチンに組み込むビルトインタイプと卓上タイプがあるが、「スペースが許すならビルトインを」と阿部さん。
「うちは共働きを続けるための投資と考えて、ドイツの家電メーカー『ミーレ』を選びました。決め手はステンレス製の堅牢なつくり。洗い終わると庫内はステンレスがピカピカ光っていて気持ちがいいし、樹脂製の国内メーカーのものに比べて掃除もラクです。容量も大きいので、フライパンやコンロの五徳もまとめて洗えて、運転音も静かです」
食器を手洗いすると1回20~30分、さらに拭く手間もある。朝晩2回で1日に約1時間かかっているとすると1時間×7日で、食器洗い乾燥機を使った場合の時短効果は1週間で7時間も!
阿部家では、時短以上の効果もあったそう。「私は夕食後にゆっくりしたいタイプで、夫はすぐに片付けたいタイプ。それでよくケンカになっていましたが、食器洗い乾燥機を導入してからは夫に片付けを任せられるようになり、ケンカが減りました」。そのバトルに筆者も共感。共働き家庭なら夫婦で家事分担は当たり前だが、どうしても妻に負担が偏りがち。夫の家事分担を広げるためにも、食器洗い乾燥機の導入は有効かも。
ミーレとなると価格は30万円以上。賃貸住まいの人や、そこまで予算をかけられない人には、パナソニックの卓上タイプがある。価格は6~7万円程、自力で設置が可能だ。「省スペースモデルも多いので狭くて置けないと諦めないで、一度チェックしてみてください」
【3 洗濯】乾燥だけじゃない、洗濯も時短できるヒートポンプ搭載洗濯乾燥機洗濯の時短家電といえば衣類乾燥機。洗濯自体は洗濯機がやってくれるとしても、干す・取り込む手間は大きい。こまめな洗濯が欠かせない子育て家庭だと、その負担はかなりのものだ。阿部さんのオススメはヒートポンプ搭載型のドラム式洗濯乾燥機だという。洗濯機の乾燥方式は大きく分けて2つあり、乾燥機内のヒーターで乾燥するのがヒーター式、洗濯機の中のヒートポンプにより熱交換した熱で乾かすのがヒートポンプ式だ。
「ヒートポンプ式はヒーター式より乾燥温度が低めで、衣類を傷めにくいのが特徴です。洗濯機能も進化していて、パナソニックのななめドラム洗濯乾燥機は、約40℃のお湯に6時間ほどつけおきすることで、しみついた黄ばみを落とせるんです。それによって漂白剤につけたり、もみ洗いする手間が省けます」
洗濯物を干す・取り込むにかかる時間を1日20分とした場合、毎日洗濯をする家庭が乾燥機能を導入すると、20分×7日で時短効果は1週間に2時間20分。洗濯自体もラクになり、プラスの時短も見込めそうだ。
【4 料理】賢い調理家電が食事づくりの時短をサポート掃除や洗濯は2・3日ためても何とかなるけれど、食事づくりはそうはいかない。毎日メニューを考えて、食材を買って、調理して……。そんな食事づくりを時短できるお助け家電はありませんか? と阿部さんに聞いてみると、「オーブンレンジをグレードアップしては?」という提案が。
阿部さんは、子どもにはちゃんとしたものを食べさせたいと思い、パナソニックが発売しているビストロのハイグレードモデルを購入したそう。「冷凍ごはんと冷蔵おかずを一度にあたためられるレンジ機能や、冷凍した食品をそのまま焼き上げるグリル機能で、つくり置き中心の食事がスピードアップしました。ビストロを使った時短レシピも豊富で、ケータイのアプリと連動しているのも便利です。帰りの電車の中でアプリからレシピを選び、必要な食材を買って帰ればすぐに料理ができます」。調理はもちろん、献立を考える時間も短縮できるというわけだ。
「ヘルシオ ホットクックもいいですよ。こちらは煮込み料理が得意。食材と調味料を放り込んで、スタートボタンを押すだけで自動調理してくれます。しかも、設定時刻に合わせて仕上げてくれる予約調理も可能です」
ここではビストロの時短レシピで30分かかっていた平日の夕食作りが20分になったすると、1日10分×5日、1週間に50分の時短効果が期待できる。
【5 買い物】まとめ買いしても食材が長持ち、チルド機能付き冷蔵庫さらに阿部さんは、ライフスタイルに合わせて冷蔵庫を買い替えることで時短が図れるという。「イマドキの冷蔵庫は、チルド機能がすごく進化しています。まとめ買いした食材を長持ちさせられるので買い物の回数を減らせるし、冷凍とは違い調理もスムーズに進められます」
例えば、東芝の冷蔵庫ベジータは、一気に冷やしてぎりぎり凍らない低温で保存する速鮮チルドを採用。肉や魚の鮮度とおいしさが長持ちし、冷凍ではないから解凍も必要なく、冷蔵した食品と同じように調理できる。また、高湿度と低温をキープして野菜のみずみずしさを保つ野菜室も頼もしい。
週に3日スーパーに寄っていた人が、週に1度のまとめ買いだけで済んだとすると、1回の買い物が30分として、30分×3日で時短効果は週に1時間30分になる。
今回紹介した製品以外でも、各メーカーから同様の機能のある家電が出ているので、いろいろ見てみよう。さて、上記の家電をすべて活用した場合の時短効果を合計すると、週に約14時間という結果に。1日当たり2時間のゆとりが生まれる計算だ。イマドキ家電の時短力は予想以上だった!
「時短できた分は、なるべく子どもと過ごす時間にしようと心がけています」と阿部さん。購入を迷っている人や諦めている人にはこんなアドバイスをしてくれた。「共働き家庭は時間をお金で買うくらいのつもりで、できるだけ自分たちのライフスタイルに合った良いもの、便利なものを使ったほうがいいと思います。それによって日々のストレスを減らせたり、時短につながるなら、決して高い投資ではないと思いますよ」
共働き家庭にとって家事の時短は、まったなしの課題。いま買うべき家電が見つかった人は、さっそく検討してみてはどうだろう。
●取材協力この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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