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そろそろ家を買おうと考えているなら、頭金を計画的に貯めるためにも、わが家の家計の見直しをしたい。まず大切なのは家計管理。そこで、まだ家を買っていない、子どももいない、結婚5年以内の共働き夫婦に「誰がどんな方法で家計を管理しているのか」についてアンケート調査を行った。気になるよその家庭の事情をのぞいてみよう。
半数近くの世帯で妻がお財布を握っている結果に「家計管理は夫・妻、どちらが主に管理していますか?」という質問に対して、最も多かったのが「妻」という回答。45.0%、つまり半数近くの世帯で、妻が家庭の財布を握っていることになる。続いて、「その他」が約3割。理由を見ると、夫婦2人で管理しているかそれぞれが管理といった内容が多い。そして3番目が25.3%と約4世帯に1世帯の割合で「夫」が管理していることが分かった。
なぜ、妻担当または夫担当なのだろう。その理由を聞いてみた。
妻が主に家計管理をしている世帯からは、
「細かく家計簿をつけたり、資産管理をするのが好きだから」(33歳・女性)
「お金の管理を自分よりもしっかりできるから」(26歳・男性)
「性格的に細かいから、几帳面だから、財布の紐が硬いから」(28歳・女性)
と、妻のほうが細かなお金の管理が得意だったり、好きだったり、という声が多い。
また、
「日常の買い物は殆ど自分だから」(31歳・女性)
「自分は残業も多く管理する暇がない。平日に銀行にも行けないので管理はすべて妻に」(33歳・男性)
など、妻が担当したほうが便利なことが理由な世帯も多い。
一方、夫が主に家計管理をしている世帯を見ると
「自分の方がお金に関してはしっかりしている」(40歳・男性)
「数字につよいから」(34歳・男性)
など、妻担当の世帯同様、得意なほうが管理している様子が分かる。また、夫担当の世帯で目立つのが、
「株式投資などにより資産形成をしているから」(30歳・男性)
「貯蓄など将来設計の判断のため」(39歳・男性)
など、将来を見据えた資産運用のための積極的な家計管理だ。
「その他」と答えた世帯のコメントを見ると、
「二人で一緒に管理している」(29歳・男性)
「共働きなので、お互いそれぞれで管理」(28歳・男性)
といった、一緒に管理か、お財布を分けるかの2パターンに大きく分けられる。
アンケートの結果を見ると、「ただ何となくどちらかが支払っている」という家計管理ができていない8.0%を除いて、89.7%の世帯が自分たちのルールを決めて家計管理を行っているようだ。
一番多いのは「夫婦で共用口座を作り一定金額を入金(残りはそれぞれ自由)」の29.3%。次に多いのが「夫婦で支払項目を分担(家賃は夫で、食費は妻など)」の25.7%。この2つに共通しているのが、夫と妻がそれぞれの分担を決めたら、あとは自由に使える点。今回の調査では、子どもなし、かつ家を購入していない結婚5年以内の共働き夫婦に調査しているため、双方に収入があり、まだ住宅ローンや教育資金などが発生していないため、このような結果になったのだろう。
では、家計管理の具体的な方法を見てみよう。
家計簿をつけている人の場合、
「家計簿に詳細を記入、月末に立て替え分を共通口座からお互いの個人口座に振り込みをする」(34歳・女性)、
「オリジナルの家計簿をエクセルでつくって管理している」(29歳・女性)
と使いこなしているケースもあれば、
「家計簿がめんどくさくなってきた。自分だけのレシート集計ではないため、難しい」(32歳・女性)
と重荷に感じる人も。家計簿は、今後の収支計画を見渡すうえでの重要な資料になるもの。頭金の積み立てにまわせる余裕はどれくらいあるか、住宅ローン返済は毎月いくらまでだいじょうぶかなどを把握するためにも、家計簿ソフトやアプリも活用して頑張って続けるのがオススメだ。
そのほか、
「一定金額を共同口座にいれている。基本買い物はすべてクレジットカードで支払い共同口座から引き落とすようにしている。(クレジットのポイントもつくため)」(29歳・男性)
「家賃は夫、水道光熱費、食費等は妻の負担。さらに一定額を共通の口座に預けて貯蓄とし、残りはそれぞれ別の会計」(32歳・男性)
「私の名義のメイン口座(家計)とサブ口座(貯蓄)、それぞれの小遣い口座があり、給料後すぐに振り分ける。家計簿と通帳で管理。貯まったら定期と投信」(36歳・女性)
など、みんな、さまざまな方法で家計管理をしているようだ。
「家計管理の具体的なやり方」や「困っている点や工夫している点」について聞いてみました。その中から筆者が気になったコメントを独断と偏見でご紹介しよう。
「お互いにそれぞれ管理している。今のところ、生活費が足りなくなることはない。今後の資産形成については、おいおい話し合っていかないと、とは思っている(39歳・女性)」
→ちらほら見られるのが「今のところ困ってない」という回答。共働き・子どもなし夫婦らしい、やや余裕あるコメントだ。
また、夫婦それぞれ働いているためか、仕事のやりとりみたいな夫婦も。
「エクセルで生活費を入力し負担割合によって相手に差額分を支払う。相手が領収書をなかなか出さないので困る(26歳・女性)」
「月末にレシート、領収証等を提出して必要経費をもらう(35歳・男性)」
→「負担割合」「必要経費」など、出て来る単語が会社の経理担当とのやりとりのようだ…。いや、しかし、家庭も企業経営と同じ観点で会計を行うのはよいことかもしれない。
そして、ちょっと気になったのはこちら。
「全て折半なので、収入の低い自分のほうが負担になっている(33歳・女性)」
→多い方が負担を多くしたらいいのでは?と思わずつっこみのような同情のような気持ちがわいてしまうのは筆者だけではないはず!
そして、今それだとまずいのでは!?という夫婦。
「ボーナスでの補填が多い(35歳・男性)」
「収入と支出のバランスが崩れている(31歳・男性)」
→どちらも結婚3年目のご夫婦。もしかしたらこの認識があるだけいいのかもしれないが、なんとか早めに立て直してほしいところ。
そんな人に参考になるのはこちらのコメントだ。
「総収入から貯蓄額を除き、各予算(家賃・通信費・光熱費・食費等)を決定する。工夫:お互いが納得のいく金額に設定する(37歳・男性)」
→なかなかできないが、「まず貯蓄額を差し引く」というのが貯蓄の基本。5000円でも1万円でも、まずは差し引く、というのが大事だ。そして、家計管理をうまくやるコツの最大のポイントは、コメント後半部分「お互いの納得感」にあるのではないだろうか。
これからの長い結婚生活を円満にするためにも、夫婦でよく話し合い、「お互いの納得感」を大事にしながら、家計管理・資産運用をしていこう。
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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