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住環境研究所の調査によると、住宅を初めて買った(一次取得)人と2回目・3回目(二次・三次取得)の人では、住宅を購入する際に重視するポイントなどに違いが見られるという。どんな点が違うのだろうか?どこを見逃さないようにすればいいのだろうか?詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「ファーストバイヤーの住宅購入意識調査」を発表/住環境研究所予算内で買えるかだけでなく、施工事例の見学なども
住環境研究所の調査では、住宅を初めて買った一次取得者の中でも、特に、40代以下の子育て世帯を「ファーストバイヤー」と名づけ、その購入意識を分析している。調査対象となる住宅の種類は、2階建て以下の一戸建てだ。
住宅会社を選ぶ際に重視するポイントを聞いたところ、「ファーストバイヤー(若年子育て世帯の一次取得者)」(以下、一次取得者)と二・三次取得者とで大きなギャップが生じる項目があることが分かった(画像1)。「営業担当者の対応が良い」と「予算内で購入できるかどうか」は、一次取得者が二・三次取得者より大幅に高くなっているのだ。
これはある意味、やむを得ないことと言えよう。初めて住宅ローンを借りるほど高額な買い物をするのだから、「会社が信頼できる」ことを重視しながらも、予算内で買えるかどうか、無理なく返済できるかどうかといった大きな不安を抱えて、対応が良い営業担当者についつい頼りがちになる、というのはありがちなことだ。
一方で、一次取得者が二・三次取得者と比べて重視度が低いのは、「会社が信頼できる」「耐震性に優れている」「実際に建築された家が良い」「採光・通風が良い」などだ。これらの項目は、例えば、その会社が過去に建築した、販売済みの住宅(施工事例)を実際に見せてもらうことでかなり解消できる。
耐震性や断熱性・気密性といった住宅の性能は、説明を聞くだけでは違いが分かりづらいものだが、完成した住宅を複数見学して実物を見たり、室内環境を体感したりすることで、会社の基本的な設計施工の考え方をうかがい知ることができる。
入居済みの施工事例で、その取得者から話が聞ける場合は、住み心地など具体的な話も聞くことができて参考になる。取得者と住宅会社の関係が良くないと、第三者の見学を受け入れようとはならない。施工事例を複数見学でき、かつその取得者と話ができるというのは、住宅会社の自信の表れとも言える。つまり、会社の信頼性を測る目安にもなるわけだ。
間取り・プランや収納、外まわりは、初めて買う人ほど不満が強いこの調査では、「“住宅購入の成功度満足度”は 100 点満点で何点か」も聞いている。「100点満点(不満無し)」が2割程度(一次取得者で19%、二・三次取得者で22%)いるが、残りの約8割はなんらかの不満を感じていることになる。
“住宅購入の成功度満足度が100点に満たない理由”について聞くと、一次取得者が二・三次取得者と比べてより多く不満に感じるのは、「間取り・プラン」「収納・収納量・片付けやすさ」「庭や車庫、外まわり」だった。
一次取得者でも二・三次取得者でも、不満点の1位は「間取り・プラン」であるが、これは購入後に住んでみて間取り・プランに不満が生じたのか、予算的な制約で例えば4LDKが欲しかった、広いリビングが欲しかったのに手に入れられなかったのか、などが定かではない。
しかし、住宅を取得することに関心が行きがちな一次取得者に比べ、住宅の使い勝手にも目が行き届く二・三次取得者のほうが、間取りや収納、外まわりへの不満が減るというのは理解できることだ。
重視点や不満点として挙げられた調査項目は、いずれも一戸建てのチェックポイントとして見逃せないものばかりだ。ただし、外まわりの見栄えの良さだけをチェックしていると、プライバシー確保や安全面の観点でチェック漏れをしたり、収納量に気を取られて適材適所の収納に目が行き届かなかったりといったこともある。
実物をできるだけ多く見て体感する機会を増やすこと、具体的な生活イメージをふくらませてチェックすることなどで、満足度の高い住宅を手に入れるようにしてほしい。
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナルこの記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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