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リクルートは、20代・30代の男女の既婚者412人に調査した「夫婦の住まいと生活 じっくりレポート 2021」を発表した。その前に発表していた、「一人暮らしのシングルに聞いた 賃貸住宅設備ランキング 2021」と併せて、その結果と違いなどを紹介していこう。【今週の住活トピック】
「夫婦の住まいと生活 じっくりレポート 2021」を発表/リクルート
まず、賃貸住宅に住む20代・30代の男女に聞いた「家で使っている便利な住宅設備」を見ていこう。図表は、左(緑)が単身者=シングル、右(オレンジ)が既婚者=夫婦の結果だ。
住宅設備では、「バス・トイレ別」と「エアコン」が人気のツートップだ。ヒートアイランド現象や地球温暖化の影響もあって、夏の暑さはエアコンなしにはしのげないようになってきた。これが、エアコンが使われる要因だろう。次に挙がるのが「TVモニター付きインターホン」だ。残念ながら昨今の情勢では、セキュリティ対策の重要性も増している。
「独立洗面台」と「クローゼット」も、どちらにも人気の住宅設備だが、一方で単身者と既婚者で大きく異なるのは「追い焚き機能」だ。単身者は風呂を沸かしてすぐに入ればいいが、既婚者ではそれぞれの帰宅時間などが違うので、追い焚き機能の評価が分かれたということだろう。
夫婦の部屋探しでは、家賃に加えて交通アクセスが重視される次に、夫婦の部屋探しの場合に、重視されたのはどんな点か見ていこう。
最も重視したのは、なんといっても「家賃」だ。75.0%なので、4人に3人が重視したことになる。ほかに目立つのが、交通アクセスだ。「通勤・通学時間」(56.8%)、「最寄駅からの徒歩分数」(56.1%)、「路線・駅やエリア」(53.4)と、半数以上が交通アクセスを重視している。
同調査で注目されたのは、「間取り」(56.3%)と「日当たり」(43.9%)だ。間取りは「シングル男女の調査では48.5%のところ、夫婦では56.3%」また、日当たりも「一人暮らしでは32.0%のところ、夫婦では43.9%と大きくアップ。夫婦で暮らすとなると、一人暮らしよりも家での快適性を重視するようになるといえそうだ」と分析している。
共働きの影響か、立地面では交通利便や買い物利便などを重視夫婦の部屋探しで、立地や周辺環境についてはどんな点を重視したのだろう。
ここでも、「駅の近さ」(50.5%)、「勤務先等への通いやすさ」(39.3%)など、交通アクセスの重視度は高い。次が「スーパー」(44.9%)、「コンビニエンスストア」(26.9%)で、日常の買い物で使う店舗に近いことだ。これらに次いで「治安の良さ」(33.3%)といったことが重視されている。
20代・30代の夫婦であれば、共働きの割合も特に高いことだろう。共働きの場合、夫婦ともに勤務先に通うことや、勤務日に買い物の時間が十分取れないことなどが、この結果に影響していると考えられる。また、夜間に帰宅する女性や子育てのことなどを考えて、治安の良さが気になるという点も夫婦の部屋探しならではだろう。
では、家賃や広さはどれぐらいがボリュームゾーンなのだろうか。まず、間取りを見ると、「2LDK」(33.7%)か「1LDK」(24.3%)が多い。次に家賃(管理費は含まず)を見ると、「8万円台」(13.8%)、「6万円台」(12.6%)、「9万円台」(11.7%)、「15万円以上」(11.7%)とかなり分散している。
この調査は対象が全国なので、地域による家賃相場の違いもある。また同じ地域でも、家賃は、間取りや広さ、住宅設備などよりも、都心への近さや駅からの近さなどの立地条件が大きく影響する。そのため、類似した条件で部屋を選んでも、家賃にはばらつきが出たということだろう。
住まい選びでは、「トレードオフ」となる条件が出てくる。例えば、予算を重視すると、駅からの近さや家の広さの希望条件と折り合わないことがある。駅からの近さを重視すると、住宅街の街並みや静けさを得られないことがある。トレードオフも考慮して、何を重視するかの優先順位をつけることが大切だろう。
「夫婦の住まいと生活 じっくりレポート 2021」
「一人暮らしのシングルに聞いた 賃貸住宅設備ランキング 2021」
●参考
「夫婦の住まいと生活 じっくりレポート 2021」を発表/リクルート
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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