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リクルート住まいカンパニーでは、 関東圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している20歳~49歳の3996人を対象に実施した「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017 関東版」を発表した。昨年は5回連続1位の王者「吉祥寺」が2位に陥落するという波乱が起きたが、今年は返り咲きとなったのか? 上位に挙がったのはどんな街か?【今週の住活トピック】
「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017 関東版」を発表/リクルート住まいカンパニー住みたい街ランキングで吉祥寺が1位に返り咲き、品川、渋谷が過去最高位に
結論から言うと、「吉祥寺」は「恵比寿」を抜いて1位に返り咲いた。ここ数年で男性のランキング1位が恵比寿だったのだが、今年は吉祥寺が1位になったこと、女性からの獲得点も伸びたことが、返り咲きの要因だ。
吉祥寺、恵比寿に加え、横浜のトップ3は不動。ただし、トップ3の得点差はそれほど大きくはない。来年は順位が入れ替わる可能性もないわけではない。
また、昨年の10位以下からトップ10に入ってきた、「品川」「中目黒」「渋谷」にも注目したい。
2017年のランキングを見ていくと、新しい開発があったり、話題になることが多かったりする街が、ランキングで上位に挙がる傾向が強いことがうかがえる。
なぜ吉祥寺は返り咲けたのか? 大規模な再開発や大型商業施設の開業などはなかったが、井の頭公園や、ドーナツ&コーヒーショップの『アーノルド』など、日本初(または東京初)の初物店の出店などで昨年話題になることが多かったし、人気漫画をテレビドラマ化した『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』は、深夜の時間帯だったが筆者も毎週見ていた。安定した街のブランド力に加え、露出度が増えたことで、トップに返り咲いたのだろう。
また、品川はリニア中央新幹線など従来から話題はあったが、昨年は品川駅と田町駅の間の新駅(2020年に開業予定)が話題になったり、食の新スポットが誕生するなどで注目を浴びた。新駅の駅舎デザインが、オリンピックの核となる新国立競技場の設計と同じ隈研吾氏の設計で、駅舎の完成予想図が公表されたり、新駅の名称がどうなるかなどが大きな話題を集めたことで、過去最高位の5位にランクアップした。
・参考記事:これからの都心鉄道[2] 山手線新駅、2020年に向け着々と進行中(SUUMOジャーナル)中目黒は、「Nakameguro青の洞窟」と名付けられたイルミネーションで目黒川の魅力が再認識されたことなどで注目を集めた2015年でトップ10に入ったが、昨年は中目黒駅の高架下に新施設「中目黒高架下」がオープンして再び話題になったことが、トップ10に返り咲いた要因と考えられる。
渋谷は、2020年に渋谷駅の駅ビルが地上46階建ての超高層にリニューアルするほか、駅周辺の4つの街区で再開発が進行中などで、街が様変わりすることが昨年たびたびメディアに取り上げられた。こうした話題性と期待感から、初のトップ10入りを果たしたと見てよいだろう。
11~20位では北千住、大宮、浦和、立川などのターミナル駅が上昇。住みたい行政市区は港区が1位ランキング11~20位を見ていくと、利便性の高い駅がランキングを上げている。
穴場だと思う街ランキングで3年連続1位の北千住は、5路線が乗り入れ、大学の新設などで街の活性化が評価されているが、総合ランキングでも過去最高の17位になった。
大宮、浦和、立川は、複数路線の交通の利便性に加え、近隣含めた商業施設の新設、改装などで話題をつくってきた街だ。大宮、浦和、先の北千住は上野東京ライン開業の影響もありそうだ。
なお、リクルート住まいカンパニーでは「住みたい行政市区ランキング」も出している。トップ3は「港区」「世田谷区」「目黒区」。いずれも閑静な住宅街があるなど、住宅地として評価が高い区なのだが、住みたい街のランキングと必ずしも連動していない。街のイメージと行政市区のイメージは違うということだろう。
筆者が毎週見ていた、テレビドラマ『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』(2016年10月14日~12月23日放送)は、大島美幸さん(森三中)と安藤なつさん(メイプル超合金)が演じる重田姉妹が、吉祥寺の「重田不動産」を訪問する、吉祥寺で住まいを探しているお客さんに、吉祥寺以外の街を勧めるというストーリー。
それぞれに吉祥寺に住みたい理由はあるのだが、重田姉妹がどんな暮らしをしたいのか聞いたうえでほかにピッタリな街があると考え、例えば雑司ヶ谷や五反田、中野、蔵前、大森などの街と住まいを案内するという展開だった。
「住み替える」と思うに至るには、それぞれにきっかけや理由があり、新しく始めたい暮らしのイメージもある。よく知っている街だけでなく、気づいていなかった街に希望する暮らしの可能性があることは、住まい選びで忘れてほしくないポイントだ。
●参考この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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