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「2016年版 みんなが選んだ住みたい街ランキング 関東版」で上位にジャンプアップした東急東横線の「自由が丘」「武蔵小杉」と、東急田園都市線の「二子玉川」。編集部では、東急線のイメージをけん引するこの東急東横線と東急田園都市線に着目。沿線に住んでいる人150名ずつ(計300名)にアンケートを実施し、その住み心地などを調査した結果を路線ごとにお伝えする。今回は「東急田園都市線」にスポットを当て、気になる調査結果を見ていこう。
田園都市線ユーザーの約7割が利便性を評価
田園都市線は、渋谷駅~中央林間駅を結ぶ、全長31.5kmの鉄道路線。全部で27ある沿線駅のいずれかに住んでいる人に、田園都市線のどんなところが好きなのか、気に入っているのかを質問し、あてはまるものを複数選んでもらったところ、ランキングは次のような結果となった。
●田園都市線の好きなところは? ※複数回答
1位:どこに行くにも便利 76.7%
2位:運行本数が多い(5分に1本くるなど)41.8%
3位:ほかの沿線に乗り換えしやすい35.6%
4位:好きな駅やスポットがたくさんある28.8%
5位:都心のターミナル駅に出なくても沿線上に栄えた駅があって便利 27.4%
6位:乗客のマナーが良い 20.5%
7位:乗車運賃が安い19.9%
8位:電車内が綺麗15.8%
9位:駅やホーム、トイレが清潔15.1%
10位:走行中の景色が好き13.7%
1位の「どこに行くにも便利」(76.7%)は、田園都市線ユーザーの約4人に3人が回答。渋谷という巨大ターミナル駅を擁することや、東京メトロ半蔵門線、東武伊勢崎線・日光線と相互直通運転していることも、その理由として挙げられるだろう。
2位の「運行本数が多い(5分に1本くるなど)」(41.8%)と3位「ほかの沿線に乗り換えしやすい」(35.6%)も、4割前後の田園都市線ユーザーが選択。1位と同様、利便性を評価しているユーザーが多いことが分かる。
4位「好きな駅やスポットがたくさんある」(28.8%)と5位「都心のターミナル駅に出なくても沿線上に栄えた駅があって便利」(27.4%)は、3割弱でほぼ並んでおり、沿線駅それぞれに魅力のあることが支持されている。特に、二子玉川、たまプラーザ、青葉台といったエリアは、ショッピングやエンタテイメントの面でも集客力があり、近場で用が足りることに満足しているユーザーたちの姿が浮かび上がった。
7割超の田園都市線ユーザーが不満を訴える通勤ラッシュ時の混雑次に、田園都市線の改善してほしいところ、もう少し改善されると良いのにと思う点を田園都市線ユーザーに尋ねてみたところ、ランキングは以下のようになった。
●田園都市線に改善してほしいところは? ※複数回答
1位:通勤ラッシュ時の混雑が激しい72.0%
2位:悪天候時や事故など、遅延が多い38.7%
3位:終電が早いもしくは始発が遅い10.7%
4位:乗車運賃が高い9.3%
5位:ほかの線との乗り換えが不便・面倒8.7%
6位:乗客のマナーが悪い6.7%
7位:運行本数が少ない5.3%
8位:駅やホーム、トイレが清潔ではない5.3%
9位:駅のエレベーターやエスカレーターが少ない4.7%
1位の「通勤ラッシュ時の混雑が激しい」(72.0%)は、実に7割以上のユーザーが選択。平成27年度「三大都市圏における鉄道混雑率について」(国土交通省)の「東京圏における主要区間の混雑率」でも、田園都市線の池尻大橋-渋谷間は、東京メトロ東西線とJR総武線、JR横須賀線、小田急線、JR中央線に次いで6番目の混雑率である「184%」を示している。事実、ユーザーからも、「特に通勤ラッシュ時でなくても、常に混んでいて座れない」(60歳・女性)という声が聞かれた。
2位の「悪天候時や事故など遅延が多い」(38.7%)も約4割に上った。2016年1月、降雪のために行われた間引き運転による入場規制で、駅出入り口から続く長蛇の列に並んだ田園都市線ユーザーも多いと思われる。また、悪天候時に限らず、「とにかく時刻表通りには来ない印象がある」(45歳・男性)という声もあった。
次いで、3位の「終電が早いもしくは始発が遅い」(10.7%)、4位の「乗車運賃が高い」(9.3%)が1割前後で並び、5位「ほかの線との乗り換えが不便・面倒」(8.7%)も続いた。
マナーの良さ、ゆとりのある暮らしぶりが田園都市線住人の特色「どこに行くにも便利」と満足する一方で、「通勤ラッシュ時の混雑が激しい」点には大いに不満な田園都市線ユーザー。だが、「今、住んでいる田園都市線は好きですか?」という問いには、「とても好き」「好き」と答えた人の合計が全体の87.3%にも及び、総じて田園都市線のことは気に入っていることが分かる。
また、「今住んでいる田園都市線沿線ならではの、電車の車内で見かける人はどんな人ですか」という問いには、「英字新聞を読みながら通勤するエリートサラリーマン」(68歳・男性)、「平日の日中は、上品な老婦人が乗っている」(54歳・男性)、「都心の学校へ通学する小中学生が目立つ」(45歳・女性)といった声が寄せられ、ビジネスパーソンや高齢の女性、私立や国立・都立一貫校等に通う小中学生の姿を挙げる人が多かった。
また、「マナーが良い。車内で化粧している女の子がいない(笑)」(63歳・女性)、「身なりの良い人が多い」(48歳・男性)といった回答も見られ、穏やかでゆとりのある暮らしを営む沿線住人像が浮かんだ。
ショッピング環境と自然が共存する住環境が魅力に最後に、田園都市線沿線に住みたいと思う人に対して、先輩住人としての自慢ポイントやおすすめスポットをまとめて紹介したい。
まず、自慢ポイントとしては……
「渋谷までのアクセスも良く、かかる時間も短いのが便利。急行停車駅のほとんどが駅に隣接して大きなショッピングモールなどがあり、その日の気分で途中下車してショッピングや食事を楽しむことも可能なのが魅力的」(52歳・男性)、「便利なショッピングスポットから閑静な住宅街まで、すべてがそろっている路線だと思う(27歳・女性)、「酔っ払いが日中乗っていることは少なく、沿線の治安の良さを実感します」(39歳・女性)、「駅の沿線には、繁華街だけでなく大きな公園も多いため、各種イベントや四季の花々を楽しむことができる」(54歳・男性)といった回答が見られた。
続いて、この沿線でオススメのスポットを尋ねたところ、以下のようなスポットが挙がった。
●デートするなら
・グランベリーモール 理由:「シネコンがあって映画が観られるし、ペット連れで買い物もできる」(51歳・男性)
・二子玉川 理由:「駅近ショッピングモールのライズでウインドウショッピングを楽しめるし、ショッピングに飽きたら多摩川べりを散歩すれば自然にも触れられる」(34歳・女性)
●子連れで遊びに行くなら
・フィールドアスレチック横浜つくし野コース 理由:「さほど遠くまで行かなくても、自然の中で子どもを思いっきり遊ばせられるのが魅力」(54歳・男性)
・世田谷公園 理由:「ミニSLなどがあり、小さな子が喜ぶ。何より、空間に開放感があって、リフレッシュできる」(45歳・男性)
●穴場だと思うスポット
・小台公園(宮前平駅)理由:「桜の季節は特にきれい。遠くまでお花見に行かなくて済んで助かる」(47歳・女性)
・寺家ふるさと村(青葉台駅) 理由:「とにかく自然がいっぱい。夏の夜にはホタルもいるし、早朝は、カブト虫捕りもできる」(54歳・男性)
・三軒茶屋 理由:「遅くまで営業している飲み屋が多い。下町っぽい風情なのでくつろげる」(65歳・男性)
どうやら、渋谷という巨大ターミナルだけでなく、二子玉川、たまプラーザ、青葉台といった急行停車駅を核としたショッピング環境の充実ぶりが、田園都市線の確固たる地位を支えている模様。そして郊外駅を中心として、自然環境に恵まれていることなども、田園都市線ならではの魅力となっているようだ。
●調査概要この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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