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60年以上に渡って神社仏閣彫刻に携わってきた豊田彫刻工房は、サーキュラーエコノミーによる「神社復興プロジェクト」を、3月より本格的に開始した。
「神社復興プロジェクト」では、危機的な状況に置かれている神社の支援を目的とし、神社から出た蘇材(残材を新たな形で蘇らせた木材)を有効活用。
さらには子どもたちに、神社・神棚の存在意義を知ってもらえるデジタル教材を無償で提供している。
また、有名神社の改築時に出された蘇材の有効活用に際しては、豊田彫刻工房で長年培ってきた木工彫刻技術を活かし、企業や事業の繁栄に繋がる神棚の彫刻物(カササギ/瑞雲/文字・梵字・社章など)を制作。
彫刻物ごとに祈祷を行って、届けている。
全国各地の神社は、数百年から一千年以上の長い時間をかけ郷土を見守り、暮らしと文化を支えてきた存在だ。3月時点で神社の総数は8万社を超え、5.5万のコンビニ店数を大きく上回っているという。
しかし、この10年で神社の数はおよそ300社減っており、氏子や一般参拝者の減少といった「神社離れ」も加速し、都市部・過疎地を問わず、多くの神社が危機的な状況に立たされている。
豊田彫刻工房が取り組むのは、神社改築時に出た蘇材を使い、企業や事業の繁栄に寄与する彫刻物を制作し、その収益の一部から、子どもたちに神社・神棚を知ってもらえる教材を制作し無償で提供していくプロジェクトだ。
この一連の流れにより、多くの人たちに神社・神棚への親しみを持ってもらい、地域の神社を訪れる機会を増やし、神社離れを防ぐことを同プロジェクトでは目指している。
「神社復興プロジェクト」は、サーキュラー(循環型)となっており、3つの価値を生み出していく。
1つ目は、残材利用で環境負荷軽減だ。神社で使われなくなった材料は、削ると新品同様に(蘇材として)蘇る。豊田彫刻工房では、神社改修時に出た蘇材を倉庫に保管しておき、ユーザーの要望に応じて、事業繁栄を祈りながら彫刻作品を仕上げていく。
2つ目は、神社への寄進でご利益頂戴だ。制作した彫刻物は、神社にて企業や事業の繁栄を祈祷した後に、企業の神棚に奉納される。
3つ目は、教材制作で文化継承だ。「神社復興プロジェクト」で得られた収益の一部で、「神社はなぜ日本各地に?」「神社とは?」「神棚の意義とは?」などを学ぶことができるデジタイル教材を制作。子どもたちに無料配布する。
「神社復興プロジェクト」には、企業以外にも個人の参加も可能だ。なお、詳細及び申込は「神社復興プロジェクト」公式サイトで確認できる。
この機会に、次世代の子ども達に伝統を伝える「神社復興プロジェクト」をチェックしてみては。
神社復興プロジェクト:https://www.cho-koku.net/fukko
(角谷良平)
この記事のライター
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