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国立公文書館では、7月20日(土)~9月16日(月・祝)の期間、令和6年夏の特別展「お札に描かれた人物-公文書で見る紙幣の歴史-」を開催する。入場無料・予約不要で閲覧可能だ。
また、同展の期間中、展示資料を詳細に解説した『展示会図録』800円を販売するほか、関連イベントも展開する。
「お札に描かれた人物-公文書で見る紙幣の歴史-」では、3章構成により、紙幣に描かれた人物と紙幣の歴史を紹介。国立公文書館が所蔵する資料を中心に展示する。
第1章は「明治初期の紙幣」について。明治元年、明治政府により太政官札が発行されたが、偽造が横行するなど多くの課題が生じたという。こうした課題への対策として、明治5年に新紙幣(明治通宝)が発行された。
明治10年、得能良介紙幣局長は新しい紙幣の製造方法について大隈重信大蔵卿に伺いを提出。その中で、偽造防止には写真彫刻が一番の方法であり、外国では多くの紙幣が国王の写真を入れているとし、明治14年から政府が発行する紙幣(改造紙幣)には神功皇后が描かれることになった。
第2章は「日本銀行の設立と兌換銀行券の発行」について。明治15年、日本銀行が創設され、明治17年に兌換銀行券条例が制定された。この条例に基づき、明治18年から日本銀行兌換銀券が発行されたが、すべての券種に大黒天を描いたことで、額面の違いが分かりにくくなるなど、問題も起きたことから、新たな紙幣を製造することになった。
明治20年、以降の各種紙幣の肖像は、「日本武尊」「武内宿禰」「藤原鎌足」「聖徳太子」「和気清麿」「坂上田村麿」「菅原道真」の7名とすることが提案され、閣議決定を経て裁可。その後、昭和21年の紙幣発行まで、この7名の中から肖像が選ばれた。
第3章は「日本銀行券の時代へ」。昭和17年、日本銀行法が公布され、日本銀行が発行する日本銀行券は兌換義務のない紙幣となった。戦後の紙幣肖像は、政治家、文化人が中心に選ばれている。
紙幣の製造は、大蔵省紙幣司、紙幣寮、紙幣局、印刷局などを経て、現在は国立印刷局が行っている。7月に発行された新一万円紙幣の肖像に選ばれた渋沢栄一は、初代紙幣頭(紙幣寮のトップ)を務めたことから、印刷局の功労者とされ、大正10年、紙幣司(寮)創設50年を記念した式典で表彰された。
7月26日(金)、8月14日(水)、9月2日(月)には、国立公文書館東京本館4階会議室にて、企画担当者が見どころを紹介する展示解説会を実施。展示会をより深く理解できる関連イベントだ。
各日午後2時より40分程度で実施。参加費は無料、事前申込制で定員は先着40名となっている。受付期間・受付方法は国立公文書館HP、SNSで確認を。
また、8月10日(土)~18日(日)の期間には、国立公文書館東京本館常設展示室にて、「終戦の詔書」原本の特別展示を実施する。
さらに、小学生向け・中高生向けの展示会も実施予定。詳細が決まり次第、国立公文書館HP、SNSにて発表される。
新紙幣が発行されたこの機会に、お札に描かれた人物や紙幣の歴史を学んでみては。
■お札に描かれた人物-公文書で見る紙幣の歴史-
開催期間:7月20日(土)~9月16日(月・祝) ※8月26日(月)は休館
会場:国立公文書館 東京本館1階展示ホール
住所:東京都千代田区北の丸公園3-2
開催時間:午前9時15分~午後5時 ※8月16日(金)・9月13日(金)は午後8時まで開館
国立公文書館HP:https://www.archives.go.jp/exhibition
(Higuchi)
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