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山形県上山市という温泉やスキー場で有名なのどかな街に、なんと地上41階という超高層マンションが建っています。写真にするとコラージュに見えてしまうくらい不思議な建物の名前は、スカイタワー41。その住み心地を住人の方に伺ってみました。
一戸建てではなく、あえてマンションを選んだ理由とは?
近隣の住人なら知らない人はまずいない、上山市のランドマークであるこのマンションは、1999年に竣工して今年で18年目。山形新幹線の停車駅でもあるかみのやま温泉駅から徒歩30分、上山市の住宅街の端に位置しています。
今回お話を伺ったのは、2002年に低層階の部屋を購入し、そこでの生活がとても気に入っているというAさん。なぜ一戸建てではなく、高層マンションを選んだのでしょうか。
「私は上山市内からの引越しだったのですが、いくらこの辺の土地が安いといっても、新築一戸建てとなれば2000万~3000万円は掛かります。それに比べてこのマンションは、まだ残っていた部屋の販売価格が下がったタイミングということもあり、1000万円くらいから買えたんですよ。この価格なら賃貸のアパートを借りるのとローンの返済額がそんなに変わらないですから」
「私が購入した時は、同じ間取りでも1階上がるごとに5万円くらい高かったんですよ。低層階だし山側なので景色は皆さんが期待するようなものではないのですが、朝のエレベーターが混む時間帯でも、階段で降りられるという点では、低層階でよかったと思いますよ」
Aさんが購入した住まいは低層階ながらも日当たりの良い3LDK。この条件で新築が1000万円で買えるなら安いように思えるが、中古の一軒家という選択肢はなかったのだろうか。
「結婚の予定もないし、庭をいじりたいとかの希望もなかったので、一戸建ては考えていませんでした。田舎はどうしても地域とのつながりが良くも悪くも強いですが、できればそれを避けたかったというのもあります。草刈りや祭りの手伝いが苦手という私みたいな人には、これほど良い物件はないですね」
住む場所が『田舎』であっても、暮らし方は『田舎暮らし』にしたくないという考え方に、目からウロコが落ちた気分です。
田舎の超高層マンション暮らし、その実体やいかに!それでは実際に暮らしてみて、どんなところにメリットを感じたのでしょうか。
「私の場合はメリットのほうが多いですね。マンションの中は風が抜けるから夏は涼しく、クーラーをつけたことがないくらいです。冬も一軒家に比べれば断然暖かいと思いますよ。それに雪かきをやらなくていいっていうのは楽ですね。同じマンションの人とは、挨拶と立ち話くらいの適度な距離感でやっています」
逆にデメリットを感じることは?
「ドラマチックな答えができればいいんだろうけど、特にないかなあ。一戸建てと違って、修繕積立費と管理費が合わせて1万8000円掛かるっていうのはあるけど。建物の寿命は気になるものの、地震のときも平気だったし、私が生きているうちは大丈夫かなって思っています」
現在のお住まいをとても気に入っていることが伝わってくる内容ですが、問題点が特にないというのはすごいですね。冬の雪かきや地域社会との付き合い方など、田舎で生活する上でAさんがちょっと苦手としている部分を、タワーマンションという暮らし方がうまくカバーしているようです。
Aさんの話では、このマンションは徒歩圏内に小・中学校があることもあり、別荘として使っている人よりも、県内から引越してきて普通に住んでいる人のほうが多いそうです。コンビニは目の前にあるし、車で数分の範囲にスーパーが何軒もあるため、生活をする上で困ることはまったくないとか。
私のような部外者としては、どうしてもこの特徴的なマンションに住む人に特別な理由を求めてしまいますが、利便性やコストパフォーマンスを考えた上での現実的な選択だったという住人が、意外と多いのかもしれません。
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナルこの記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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