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JR常磐線や東京メトロ日比谷線、東京メトロ千代田線、さらに東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)、つくばエクスプレスが乗り入れる北千住駅。周辺には様々な商店街があるのだが、今回は「北千住サンロード商店街」に注目。同商店街のユーザー100人にアンケート調査を行い、行きつけの店などを聞いた。
昼より夜がにぎわう!? 居酒屋人気が高めの商店街
北千住サンロード商店街は、北千住駅西口から徒歩で約5分の場所にある。飲食店をはじめ、書店や寝具店などが約70店舗ほど並ぶこの商店街を利用する人々は、どこに魅力を感じているのだろう。「この商店街の好きなところ、気に入っているところはどこですか?」と質問してみたところ、TOP10は以下のような結果になった。
●好きなところ(複数回答)
1位:安いお店がある(47.0%)
2位:混雑度がちょうどいい(41.0%)
3位:活気がある、雰囲気がよい(40.0%)
4位:自分の好きなお店がいくつかある(36.0%)
5位:美味しいお店がある(35.0%)
6位:お店の数・種類が豊富(33.0%)
7位:商店街の長さがちょうどいい(30.0%)
8位:個人経営のお店がある(22.0%)
9位:お店の人と会話しやすい雰囲気がある(19.0%)
10位:常連になっているお店がある(18.0%)
1位は、「安いお店がある」の項目。食べ歩きができるようないわゆるお惣菜屋はあまり多くないので、ただ商店街をフラッと歩いただけの筆者はそんなに多くの店舗を確認できなかったが、この商店街が普段の生活の一部となっているユーザーが言っているのだから、きっとそうなのだろう。
2位「混雑度がちょうどいい」に関しては、筆者が訪れたのは平日だからかもしれないが、ちょうどいいというよりもむしろ少ないように感じた。しかし、周辺に大学が多いせいか学生らしき人が歩く姿が見受けられた。
3位「活気がある、雰囲気がよい」については、繰り返しになるがあまり人が多くなかったため、正直なところあまり実感はない。とはいえ、4割のユーザーが回答していることと、平日は16時~18時、休日は13時~18時まで歩行者天国になることを考えると、もしかしたら夜のほうがにぎわう商店街なのでは? と思い、別の日だが、あらためて夜の商店街を歩いてみることに。
すると、昼間は周辺地域にお住いであろう方々が多かったが、17時半にもなると、スーツを着た人たちの姿が増えた。そこで、18時になったばかりだというのにすでにビール4杯目という30代・会社員の方に話を聞いてみた。ちなみに、職場が北千住というわけではなく、お隣の町や駅が会社の最寄だそうだ。
――この商店街にはよく来ますか?
「週に2回くらいです。大体は月曜と金曜が多いと思います」
――この商店街の雰囲気はどうですか?
「あまり混んでいなくて、ゆったり飲めるので好きです。新宿とか上野でも飲んだりしますけど、隣と距離が近すぎるとなんか気になりますよね……。あと、そんなに大きな商店街ではないので、みんな優しい気がします。例えば、おつまみ1品おまけみたいなのって、大きいところだとあまりないですよね」
――職場は町屋とのことですが、どうしてわざわざこっちまで来るのでしょう?
「帰りは北千住で乗り換えがあるので、町屋で飲むよりもなんとなくゆとりをもって飲めるので」
――ビジネスパーソンの方が多いように感じますが、憩いの場のような存在ということでしょうか?
「少なくとも私にとってはそうだと思います。まあ、基本的には仕事と家庭の愚痴ばかりですが……」
話を聞く限り、この商店街はほかのターミナル駅などをあまり利用しない人にとって役立っているようだ。少なくとも、話をしてくれたこの方にとってはそうだろう。
4位には「自分の好きなお店がいくつかある」がランクインしているが、こちらは具体的にどんな店によく行くのかを聞いたところ、「バーミヤン/安くておいしい」(44歳・男性)、「ゴーゴーカレー/カレーがおいしい」(36歳・男性)など、チェーン店をあげる声も散見されたが、せっかくなので“個人商店”を以下にまとめる。
【もつ焼き おとんば】
「値段が安くておいしい」(21歳・男性)
【沖縄居酒屋 うるま島2ターチ】
「本格的な沖縄料理が味わえて、雰囲気も沖縄そのものを楽しめる」(46歳・男性)
一方、「改善してほしいところ」はないものだろうか? こちらもアンケートをとってみると、上位10項目は以下のような結果に。
●改善してほしいところ(複数回答)
1位:あてはまるものはない(31.0%)
2位:汚い・清潔でない(15.0%)
3位:開催されるイベントに興味がわかない(14.0%)
3位:お店の種類・数が少ない(14.0%)
5位:アーケードがない(12.0%)
6位:防犯面で安全・安心感がない(9.0%)
6位:常連になっているお店がない(9.0%)
6位:人が多くて混雑している(9.0%)
9位:自分の好きなお店があまりない(8.0%)
9位:高いお店がある(8.0%)
1位は、「あてはまるものはない」が31%。2位「汚い・清潔でない」以下の項目での回答者が2割にも満たないところを見ると、不満は少ないのかもしれない。
では、店舗のジャンルへの不満はどうだろうか? 続けて、「この商店街に不足しているお店(自分がほしいお店)はどんなお店だと思いますか?」と聞いてみると、以下のような回答があった。
「子どもが喜ぶような店」(32歳・男性)
「チェーン店のカフェが少ない」(57歳・女性)
「食べ放題のバイキングのお店がほしい」(38歳・男性)
「若い人や女性が行きやすいお店が増えてほしい」(34歳・女性)
「輸入品が豊富な雑貨店が増えれば、歩いて回っても楽しいと思う」(45歳・女性)
「若者向けのオシャレな店がまだ少ない」(60歳・男性)
なかでも特に「子ども」「雑貨」については、「子連れでも入りやすい飲食店がもっと増えるとうれしい」(39歳・女性)や「子供服やおもちゃ屋さん」(37歳・男性)、「かわいい雑貨店」(47歳・女性)、「輸入雑貨やスイーツ、和菓子専門店など」(52歳・女性)といった意見が多々ある。
これらの要望に加え、「Wi-Fiなどのネット環境やクレジットカードが使えないところ(が不満)」(30歳・男性)との声もあった。
最後に、商店街の雰囲気について質問した。
「親しみやすい手ごろなお店(が多い)」(31歳・女性)
「大人な人が多く、静かなところなのでのんびりできる」(29歳・男性)
「古くからの商店と、新しいオシャレな飲食店がうまく馴染んでいる」(55歳・女性)
「時間の流れが緩やかな雰囲気」(44歳・男性)
「地域密着型で親近感がある」(28歳・女性)
「雑多な感じ。飲みに行くことが多いが、サラリーマン以外も見かける」(32歳・男性)
多くのユーザーは「庶民的」「親しみやすい」「のんびり」などといった言葉で表現している。北千住という場所柄、下町の風情を残した商店街とでもいったところだろう。
これまでいくつもの商店街を実際に歩いてきたが、老若男女問わず集まるところ、子連れが多いところ、お年寄りが多いところなど、その特徴は様々。そしてこの北千住サンロード商店街は、昼は大学生、夜はビジネスパーソンが集う商店街のようだ。昼間はのんびり、夜は酒好きでにぎわうこの異なる雰囲気を、ぜひとも肌で感じてもらいたい。
●調査概要この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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