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SUUMOが毎年発表している「住みたい街ランキング」。2017年の関東版では「吉祥寺」が1位に輝いた。ここ5年で4回目の1位である。2位以下の顔ぶれも、そう大きくは変わっていない。
ランキング上位常連の街は全体的に家賃は高く、その人気や知名度ゆえに物件の競争率もおのずと上がる。予算や条件が合わず、断念せざるを得ないケースも出てくるだろう。
では、そうした人気の街の「隣の街」ならどうなのか? 人気の街の“おいしいところ”を享受しつつ、家賃もお手ごろな穴場と言える街が見つかるかもしれない。
というわけで、住みたい街ランキング上位陣の「隣の街」をリサーチしてみた。
人気の街は高くて無理! ならば「隣の街」はどうなの?
はじめに、「2017年 SUUMO住みたい街ランキング 関東版」TOP5は以下のとおり。
1位「吉祥寺」
2位「恵比寿」
3位「横浜」
4位「目黒」
5位「品川」
ちなみに、吉祥寺、恵比寿、横浜は、調査開始以来ずっとTOP3を堅持している。
うん、いずれも魅力的な顔ぶれである。そりゃ、こんな街に住めたらいいだろうなと思う。でも、お高いんでしょう……?
そこで、隣の街である。「隣の街」の定義は難しいが、感覚的に徒歩20分くらい離れていれば“隣感”は出てくると思う。そのため、今回はざっくりと「当該の駅から半径1.5~2km(徒歩20分前後)ほど離れたエリア」を隣の街として定義し、そのうえである程度の生活利便性を考慮して
・最寄駅まで徒歩10~15分程度
・駅前に商店街もしくはある程度の大きさの商業施設があり、買い物や外食に困らない
・ほどほどに賃貸物件が見つかりそうな住宅街
・家賃相場が手ごろ(当該の駅より安い)
この4つの条件に当てはまる街はどんな街か、今回は探ってみたいと思う。
住みたい街ランキング1位「吉祥寺」の隣の街まず、住みたい街ランキング1位の「吉祥寺」。地図を使って、半径1.5~2km(徒歩20分前後)ほど離れたエリアで探してみると、例えば「三鷹台駅(京王井の頭線)」の近辺が、“吉祥寺の隣の町”として浮上してくる。吉祥寺駅周辺のような大型商業施設はないものの、駅前はほどほどに栄え、スーパー、コンビニ、飲食店、銀行、各科クリニックなどは一通りそろっている。三鷹市役所が近く、井の頭公園も徒歩圏内だ。
なかなか良さそうじゃないか。家賃はどうだろう?SUUMOの家賃相場データを見てみた。
ご覧のとおり、吉祥寺駅周辺に比べて三鷹台の家賃相場は割安感があった。吉祥寺に住みたいけど家賃は抑えたい、という人にとって悪くない選択肢ではないだろうか。
さて、同じ要領で、ランキング2位「恵比寿駅」、3位「横浜駅」、4位「目黒駅」、5位「品川駅」の「隣の街」も探ってみたところ、以下のようなエリアが浮上した。
住みたい街ランキング2位「恵比寿」の隣の街恵比寿は周辺の街も軒並み家賃は高く、半径1.5km圏内では家賃が手ごろな「隣の街」は見つからなかった。そこで、恵比寿駅から半径2~2.5km圏内、目黒川の西側、祐天寺まで範囲を広げてみたところ相場もやや落ち着いた。
最寄駅は東急東横線「祐天寺駅」。周辺アパートの家賃相場は8.2万円(ワンルーム)で、恵比寿駅周辺より8000円安い(恵比寿駅の家賃相場は9万円(ワンルーム))。
駅前の商店は充実していて、一人暮らしに重宝するチェーン店もある。八代将軍吉宗公の時代に建立された祐天寺の周辺は閑静な住宅街で、中目黒や代官山へ自転車10分圏内と至近なのも魅力的だ。
横浜駅北側に広がる丘陵地に宅地整備された三ツ沢地区。その中でも狙い目と言えそうなのが、地下鉄ブルーライン「三ツ沢下町駅」周辺だ。アパートの家賃相場は6.1万円(ワンルーム)で、横浜駅周辺より5000円安い(横浜駅のアパート家賃相場は6.6万円(ワンルーム))。
東急東横線「反町駅」へも徒歩10分圏内のため複数路線が利用でき、横浜駅へも徒歩20分程度と歩けないこともない。三ツ沢下町駅から隣の三ツ沢上町駅にかけて商店街が形成され、そのすぐ近くには緑豊かな「せせらぎ緑道」も整備されている。丘陵地を活かした住宅街も、静かで住み心地はよさそうだ。
目黒駅から「武蔵小山駅」までは徒歩で25分、自転車で15分ほどの距離感。東急目黒線を使うと2駅でアクセスできる。アパートの家賃相場は7.8万円(ワンルーム)で、目黒駅周辺より2万円近くも安い(目黒駅のアパート家賃相場は9.7万円(ワンルーム))。
その魅力は何といっても、駅前から続く名物商店街「PALM(パルム)」だ。全長800mのアーケードには、東急ストアのほか、総菜、青果、肉、豆腐、自然食品の個人商店のほか、レアなスニーカーを扱うショップまで幅広い顔ぶれが並ぶ。飲食店も充実していて、「食べ歩き」で検索すると美味しそうな立ち食いスタイルの焼き鳥店や、超巨大パフェなど、魅力的なグルメ情報が続々とヒットする。西口の住宅街の中には都立公園・林試の森公園もあり、生活利便性と自然環境をバランスよく享受できる街といえそうだ。
品川駅から徒歩25分ほどの場所にある「大崎広小路駅」。東急池上線に加え、五反田駅や大崎駅でJR山手線、不動前駅で東急目黒線も使える非常に便利なエリアである。アパートの家賃相場は7.6万円(ワンルーム)で、品川駅周辺より1万3000円安い(品川駅のアパート家賃相場は8.9万円(ワンルーム))。
駅前は大通りに面していて、五反田方面の通りには飲食店も多い。チェーン系からカフェ、バー、スナックなど何でも充実しているため、外食派には楽しい街だ。五反田TOCビル(東京卸売りセンター)では衣類や日用品が激安価格で売られていて、地下の飲食店街には和洋中の名店がそろっている。
地方から上京してくる場合など、東京の土地勘がない人にとって「住みたい街ランキング」は一つの指標となるかもしれないが、その順位は憧れや知名度によるところも大きく、「上位の街」=「住み心地が良い」とは限らない。人気の街に固執しすぎず、その周辺も視野に入れて探すことが重要だ。
その点、今回ピックアップした「隣の街」などは、人気タウンの華やかな雰囲気や利便性を徒歩圏内におさめつつ、手ごろな家賃、暮らしやすさも兼ね備えている。名を捨てて実を取る、賢い選択肢といえるかもしれない。
※家賃相場は随時更新のため変動の可能性があります。
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナルこの記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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