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夫婦で子育てをしていく中で、同調する部分・食い違う部分はどうしても出てくるものです。子どもへの対応にあたり、両親はどの程度足並みを揃えるべきなのでしょうか。自ら育休を取得し、夫婦で3人の子どもを育て上げた経験を持つ小崎恭弘先生に「ママとパパ、それぞれの“子供への関わり方”」について聞きました。
【これまでの記事】<第一回>子どもの人生で「親のリベンジ」はあかん!
お話を聞いた方 小崎恭弘 先生 大阪教育大学教育学部教員養成課程家政教育講座教授・大阪教育大学附属天王寺小学校長1968年生まれ。兵庫県出身。NPO法人ファザーリング・ジャパン顧問。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得し、それらの体験をもとに「父親の育児支援」研究を始める。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修等、全国で年間60本程度講演会等を行い、これまで2000回の公演実績を持つ。
まず、子どもを育てる時の「土台」は共有しなければなりません。
たとえばママは「ジュースを飲んだらあかん」と言い、パパは「飲んでいいよ」と言うと、子どもは混乱してしまう。だからそういう基本的な考え方は共有しておくといい。
一方で、その「基本的な考え方」という“土台”の上に積み重なる「関わり」はパパとママで違っていい、むしろ多様である方がいいんです。
パパでよく見られるパターンですが、パパが「2人目のママ」になってしまうのはもったいない!パパとママは違うからいいのよ。
たとえば、一方の親とは積み木で遊ぶ。積み木は何度失敗してもいいし、むしろ「失敗を学ぶ」遊びやね。
そしてもう一方の親とはジャングルジムで遊ぶ。ジャングルジムは失敗したらあかん、怪我をするから。だから、遊びの中で「失敗しないという価値観を学ぶ」ことができる。
そういうふうに、多様な遊びの中で子どもたちは様々な経験や価値観、これからの人生に必要な基礎を身に着けていく。だからパパとママは土台となる方向性を共有しても、関わりまで一緒である必要はないし、違う方がいいのよ。
特に、なんでも勝ち負けで考えていると、育児がうまくできない自分が「負けている感じ」で嫌なのもあるでしょうね。
そうなると、育児をがんばるという方向ではなく、たとえば「パパ大好き!」って子どもに言われたくてついお菓子とかおもちゃで釣ろうとしたり……でも、それはあかんで!
子どもの気をお菓子とかおもちゃで引けても、「パパが好き」なんじゃなくて、「お菓子やおもちゃが好き」なだけだから、パパじゃなくていいことになってしまう。それは育児の土俵ではありませんし、ママに勝ったことにはならない。そこに気づいてほしいです。
(解説:小崎恭弘先生、文・取材:大崎典子)
▶︎第三回 ママは爪切りが得意…って本当にそう思ってる?パパは「スーパーサブ」やない! に続く(2023年6月23日公開予定)
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