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プレゼントを忘れたサンタ、代わりに「ある動物」が大活躍!犬でも猫でも、トナカイでもなく…!?

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目次

親子で楽しみたい物語をご紹介している本連載「親子のためのものがたり」。今回はクリスマスの時期に読みたいお話として、「金のくびかざり」をご紹介します。知らない人もいるかもしれません。女の子の家に飼われている動物たちがクリスマスの前夜に活躍するお話です。

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「金のくびかざり」を子どもに聞かせよう!

「金のくびかざり」の作者、小野浩は大正から昭和期に活躍した児童文学作家です。児童文芸雑誌『赤い鳥』の編集に十年以上携わりながら、自らも作品を発表しました。さて、「金のくびかざり」はどのようなお話なのでしょうか。

「金のくびかざり」のあらすじ

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クリスマス前日、サンタクロース(※)がやってくるのを待っている女の子の家では、ネコが煙突の上でサンタの目印になり、イヌは煙突の掃除をしています。しかし一方でかごの中にいるオウムは……。

(※このあとのあらすじでは原著に従い「サンタクローズ」と表記します)

よし子さんのためにサンタが来る準備をする動物たち

クリスマスを明日にひかえた、よし子さんのお家。まっ黒いネコは夜どおし、煙突のてっぺんにすわって、サンタクローズがこのお家をまちがいなく見つけてくれるよう、黄色い目を光らせて空を見つめていました。よし子さんは、今夜はきっとサンタのおじいさんが、欲しくてたまらない小さな金のくびかざりを持って来てくれると言って、眠りにつきました。

イヌは家の中の煙突の下をふさふさしたしっぽで掃除をします。せっかくサンタのおじいさんが金のくびかざりをもって煙突から下りてきたとき、そこがきたないと帰ってしまうかもしれないからです。

「オウムさん、あなたはこのクリスマスに、よし子さんには何をしてあげるの」とイヌは、かごの中のオウムに声をかけました。「あたしは、お目ざめの歌をうたって上げるわ」とオウムは言います。

「それは毎朝のことで、別にめずらしくもないじゃないの」「でも、いつもの歌とは違うのよ。あたしが、さっき、作ったばかりの、それは良い歌なんですの」「ふふん、歌なんかクリスマスの役には立たないや。ごらんよ、ネコがこの上にいて目を光らせていなかったらこの家は空から見えないし、僕がここをきれいにしておかなければ、おじいさんは入ってきやしないよ」

イヌは、しっぽを振っていばりました。

「あたしだって、何かしたいのだけれど、でも、籠の中にいるんですもの。あたしには歌をうたうことしか、できないわ……。今に、いい節が思いつくんだけれど」

オウムは寂しそうに小さな声でこう言いますが、イヌはそれに返事もせず、ごろりと横になってしまいました。

\ココがポイント/✅よし子さんの家にいる動物たち、ネコ、イヌ、オウムがクリスマス・イブに話をしている✅黒ネコは屋根の上で目をライト代わりに光らせ、イヌは煙突を掃除してサンタを迎える準備をする✅オウムは朝の目覚めの歌をうたうと言うが、「歌なんか役に立たない」とイヌにバカにされてしまう

サンタ、くびかざりを忘れるという失態!

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夜が更けてきたとき、屋根の上で足音が聞えました。イヌは、はっと目をさまして聞耳を立てました。オウムは寝ないで待っていました。

「掃除はきれいにできたかな」サンタクローズのおじいさんは煙突の上にいたネコを背中にしょって部屋へ下りてきます。そして、メモを取り出して「よし子さんは何が欲しいのだったかな」と読み返しました。

「あたしの歩き人形にはお靴を二つ。白い熊ちゃんには毛皮の帽子を。ネコにはちりちりと鳴る鈴を。イヌにはぴかぴか光る首輪を一つ。オウムにはあたらしい歌の節を。それから、あたしには……」

サンタはそこでつまってしまいました。暗くて字がよく見えないのです。「はてな、よし子さんのほしいものは何だったっけな」と、おじいさんは考えこみました。

「小さな金のくびかざりです」イヌとネコとオウムとが一度に言いました。

「おお、そうだった。昨夜ゆうべちゃんと、作って……それから、どうしたっけな」

おじいさんはポケットを探しますが、見つかりません。イヌとネコは心配して顔を見合せました。自分たちのもらうものはどうでもいいけれど、大事なよし子さんが欲しがっているくびかざりがないのは困ります。

おじいさんは帽子を取り、靴も脱いでみますが、どこにもありません。と、ふいに、「おお、そうだ。思い出したよ。あれはわしのうちのコウノトリの首にかけてある。かけたまま忘れて出てきたんだよ」と言いました。イヌとネコはため息をついて、おじいさんの顔を見つめました。

「これから取りに帰っては、ほかの子どものところへ回れないし、さて、どうしたらいいだろうな」「僕がとりに行きましょうか」と、イヌが言いました。「僕もネコも早い四本足がありますよ」

「わしのうちは遠い空の上だから、四本足だろうが六本足だろうが、明け方までに帰って来ることはとてもできない」「では、あたしが飛んでまいりましては?」と、オウムがかごの中から、羽ばたきをして言いました。「おまえなら間に合うかもしれないね」おじいさんはさっそくオウムをかごから出します。「ごらん、ずぅっと向こうに、大きな星が三つ光ってるだろう。わしのうちは、その一番左の星のすぐうしろにあるんだよ」

\ココがポイント/✅サンタのおじいさんがやってきたが、よし子さんにあげる金のくびがざりを家に忘れてきたことに気づく✅サンタの家は空の上にあるのでイヌやネコでは間に合わない✅そこで、翼のあるオウムが取りに行くことになる

バカにされたオウムの大活躍!

オウムは一気に高くとび上って、矢のようにかけ出しました。遠い、長い冷たい道でしたが、オウムはサンタクローズの家につきました。ふわふわした白い毛皮の屋根の上には赤くてきれいな煙突が立っています。

窓にまたたいている灯りが「おはいんなさい。お部屋の中はあったかよ」と言います。オウムはへとへとでしたが、朝になってよし子さんが目を覚さないうちに帰らなければなりません。

「コウノトリさんは、どこにおいでです。おじいさんのお使いで、くびかざりをいただきにまいりました」

「ああ、くびかざりってこれでしょう」と、屋根のてっぺんから声がして、コウノトリが首にきらきらした金のくさりをさげて出てきました。コウノトリはにこにこして、オウムの首にくさりをかけてくれました。オウムは大よろこびでおじぎをして「さようなら」と言うと、どんどん駆けて帰りました。

おうちに帰ってきたオウム。「よし子さんは、まだお目ざめじゃないでしょうね」と聞くと、「ああ、まだだよ。もらって来た?」と、イヌとネコが目を光らせて聞きました。「ごらんなさいよ」と、オウムは首のくさりを見せます。「僕なんか、もうオウムさんの前ではいばれないよ」と、イヌはあやまるように言いました。

オウムは、にこにこ笑いながら、よし子さんの枕もとへ、くびかざりをそっと置いておきました。

イヌや、ネコや、あるき人形や白熊へのおくりものは、おじいさんによって、ちゃんとよし子さんのベッドの下へ置いてあります。「さあ、もう、お目ざめのお歌をうたってもいい時間ね」と、オウムは美しい声で、夜中に作った新しい朝のお歌をうたいました。ひとりでに流れて出て来る、明るい、ほがらかなその歌の節は、サンタクローズのおじいさんからのおくりものでした。

よし子さんはその歌で目をさまし、枕もとに小さな金のくびかざりを見つけて、踊り上って喜びました。

よし子さんにも、イヌにもネコにも、オウムにも、それはそれはたのしいクリスマスでした。

(おわり)

\ココがポイント/✅サンタの家に着いたオウムは無事にくびかざりを受け取る✅オウムが家に帰るとまだよし子さんは寝ていた✅全員が楽しいクリスマスを迎えられた

子どもと「金のくびかざり」を楽しむには?

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サンタクロースのプレゼントを楽しみにしている女の子のために動物たちが活躍するお話でした。はじめは「役に立たない」と馬鹿にされたオウムが一番の活躍を見せ、みんなが楽しい気持ちでクリスマスの朝を迎えることができ、よかったですね。歌が特技のオウムに「飛ぶ」というもう一つの特技があるとわかることから、それまで見えなかった、誰かの特技や魅力に気づくことの素晴らしさも、知ることができるでしょう。

お話のあとで、・よし子さんはどんな女の子だと思う?・どの動物が一番好き?・オウムにあやまったイヌをどう思う?などと聞いてみましょう。

またオウムの声を美しく演じるのも良いかもしれませんね。

まとめ

サンタクロースが登場する、クリスマスシーズンにぴったりのお話。動物たちのよし子さんへの思いを通して、人への優しさを感じることができます。また、サンタが家にやってくる場面や、サンタの家の描写もワクワクしますね。クリスマスの日によし子さん、ネコ、イヌ、オウムのみんなが笑顔になる素敵な作品をぜひ、お子さんと楽しんでみてください。

(文:千羽智美)

※画像はイメージです


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この記事のライター

マイナビウーマン子育て

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