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短い単語で教訓を伝える「ことわざ」には昔生きていた人々の知恵がこめられており、それが現代の私たちまで大切に伝えられています。特に、天気に関することわざは現在では科学的根拠が証明され、ふとした場面で役立つようなものも多いです。
そこで今回は、晴れや雨、風などの気象や季節にまつわる実用的なことわざをご紹介します。天気にまつわる言い伝えを通して、かつての人たちとを心を通わせられること間違いなしです。
「晴れやかな気持ちになる」と言うように、朝起きて窓の外が青空だとテンションが上がる!と言う人も多いのではないでしょうか。また、真夏のひどく暑い時期などは晴れよりも曇りの方がレジャー向けで、雨具も入らずに快適に過ごせるということもありますよね。
ことわざとして気象の豆知識を後世に残した昔の人々も、ちょっとした自然の情報をライフスタイルに活かしてきました。まずは、そんな晴れ・曇りにまつわることわざを6つご紹介します。
夕焼けは晴れ
出典:http://econeco.sakura.ne.jp/
「きれいな日没を見られたから明日も晴れるね」という話を聞いたことはありませんか。実は、この言い伝えにはれっきとした理由があるんです。日本の天気は西から東へ変わるので、太陽が沈む西の方角に雲が無いとしばらく天気が良い場合が多い、ということからきています。
忙しい中でもたまにはオレンジの夕焼けを楽しむと、明日の晴れ空を思い浮かべられて良い気分転換にもなるでしょう。
西の空が曇りだと雨になる
出典:http://www.ypec.ed.jp/
「夕焼けは晴れ」と同じ、「日本の天気は西から東へ天気が変わる」というはっきりとした根拠があることわざです。昔は天気予報がなく、人々は方角や風向きなど、日常生活の中から些細なヒントを得てあらゆる気象の変化に対処してきました。
多くの人が参考にして身を守り、さらに言い回しまで変えて現在まで伝わっていることを考えると、天気にまつわることわざにいっそう説得力を感じられるでしょう。
すずめが朝からさえずるのは晴れ
出典:http://econeco.sakura.ne.jp/
「チュンチュン」という鳴き声とぴょんぴょん跳ねる体が愛らしい、すずめと天気にまつわることわざです。彼らの鳴き声がよく聞こえると、その日はきっと良い天気になると言われています。
すずめはとても早起きで日の出前から起き出し、さらに日光に反応してとても活動的になる生き物です。つまり、早朝に曇りではなく青空が広がっていると、その日は一日中は天気が良いだろう、ということわざとして伝わっています。
朝曇は日照り
出典:http://econeco.sakura.ne.jp/
このことわざは、海に近い地方で昔から言われていることが由来です。海岸地域ではしばしば朝方に濃い霧や雲が発生し曇りがちですが、特にその現象が起きやすい日というのが実は高気圧に覆われている日、つまり天気が快晴である日であることから来ています。
天気にまつわることわざは地方によって異なるものが伝わることがとても多いため、そこに趣を感じるのもことわざの楽しみ方の一つです。
流星多ければ日照り続く
出典:http://www.mitene.or.jp/
日本国内だけでなく、世界中でも言い伝えられている天気にまつわることわざが「星空や流れ星がきれいに見えると、次の日も暑い日が続く」というものです。
これは、空気中に水蒸気が少ないと夜空がいっそう澄んで見える、という理由からきています。夏などにキャンプや花火などできれいな星を見上げ、さらに次の日以降も好天候が続くと思うとレジャーや旅行ももっと楽しみたい気分になるでしょう。
春に三日の晴れ無し
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新生活やお花見シーズンでわくわくする春に、予測しない通り雨に降られたことはないでしょうか。このことは日本では昔から言われており、春が偏西風が特に強くなり高気圧や低気圧も移動速度を速め、天気がころころと変化し曇りやすいことからきています。
だんだん気温が上がってきて浮かれがちな春も、お守りとして折り畳み傘などを持ってでかけると気象条件に左右されず良い気分のまま過ごせるでしょう。
肌寒さやジメジメした湿気を感じやすい雨は、仕事やレジャーへの影響を考えるとどうしてもネガティブな感情になってしまいがちですよね。
また、冬が近づいてくると積雪の多い地域に住んでいる方たちには、その年の積雪量予報や雪・吹雪の天気予報は特に注目すべきニュースとなっています。これはどうやら、昔生きていた人々も同じ気持ちだったようです。では、雨、雪に関することわざはどのようなものがあるのか、6つご紹介します。
早朝あたたかいときは雨
出典:http://econeco.sakura.ne.jp/
気温が低く感じられる早朝があたたかいと良い天気になるイメージがあるかもしれませんが、実は天気が悪くなる前兆と言われています。これは、低気圧が近づいていると湿度が上がり、水蒸気が熱を放出することによって空気も暖まることが根拠となっています。
もしも朝起きて「今日は暖かいな」と感じられたら朝のニュースで流れる気象情報に十分注意し、なるべく傘を持って出かけると思わぬトラブルを避けられるかもしれませんね。
櫛が通りにくいときは雨
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「雨の日など湿度が高い日は、膨らみやクセが強くなりヘアスタイルがなかなか決まらない」ということを、身をもって実感したことがある方は多いのではないでしょうか。
どうやら昔の女性も気象による髪の変化には悩まされていたようで、そのまま雨の日にまつわることわざとして残っています。かつては、特に影響を受けやすい西洋人の髪の毛を湿度計として利用することもあったようで、とても信頼性の高い言い伝えです。
ご飯粒がきれいにとれると雨、つくと晴れ
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雨にまつわることわざは、ずばり「湿度」が根拠になるものが多く「なるほど」と思えるものが多いですよね。ことわざとして「雨の日が近いとお米が茶碗にこびりつかず簡単に落ち、反対に晴れの日だと落ちにくい」と言われているのも、周囲の湿度の高さによる変化が由来だと言われています。
食後のお茶碗を水につける習慣がある家庭も多いと思いますが、まるでそんな生活術のようなことわざですね。
渡り鳥早き年は雪多し
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動物と共に暮らしてきた昔の人々は、その動きや習性も天気のヒントにしてきました。
一例として、寒さを避ける習性があるカモなどの渡り鳥がいつもより早く南下してくるのは、「元々いた北の地域がいつもより早く冷え込み雪が降り始めている」というシグナルだということわざです。
積雪に備えるのは時間や労力も必須なので、雪にまつわることわざはその機敏さと重みをいっそう感じられます。
ソバの豊作は大雪
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科学的根拠があることが多い天気にまつわることわざの中で、ややロマンを感じられるものがあります。蕎麦は寒冷地域でよく育つ作物ですが、実は豊作だからといって必ずしもその年が大雪とは限らないのです。
しかし、蕎麦が咲かせる花が白く、畑一面にあふれることから「大雪」と表現したのではないかとも言われています。事実ベースが多い天気ことわざで、珍しい風流さを感じられる言い伝えですね。
秋タンポポの花咲く年は雪が浅い
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春になると芽吹くタンポポが秋に咲いていると、その年は暖冬で雪があまり降らないと言われることわざです。確かに、春の暖かさのイメージがあるタンポポを思い出すとそのまま納得しそうになりますが、実は現代ではもう通用しないと言われています。
それは、現在の日本ではセイヨウタンポポという年中咲くタンポポをあちこちで見かけることが理由です。植物に詳しくないと見分けるのは至難の業でしょう。
肌寒さやジメジメした湿気を感じやすい雨は、仕事やレジャーへの影響を考えるとどうしてもネガティブな感情になってしまいがちですよね。
また、冬が近づいてくると積雪の多い地域に住んでいる方たちには、その年の積雪量予報や雪・吹雪の天気予報は特に注目すべきニュースとなっています。
これはどうやら、昔生きていた人々も同じ気持ちだったようです。では、雨、雪に関することわざはどのようなものがあるのか、6つご紹介します。
雲が東より西に向かって急走すれば暴風あり
出典:http://econeco.sakura.ne.jp/
天気の変化に偏西風が大いに関わる日本では、基本的には西から東へ向かって気象が変わっていきます。
それを理由に、普段感じないような方角からの雲の動きや風を感じたらそれは東に規格外の低気圧があり、急激な強風や大雨など気象の変化に注意したほうがいいという言い含めです。
注意報・警報などのニュースがなかった昔の日本では、ことわざが命を守りつなぐための大切な方法となっていました。
暑さ寒さも彼岸まで
出典:http://kotowaza-allguide.com/
うだるような暑さや凍えるような寒さは、昔の人たちも苦しめられていたようです。春分の日や秋分の日などの「彼岸」にまつわるこのことわざは、「区切りの時期までなんとか耐えればそれ以降は過ごしやすい天気の季節になるといわれる」ことから来ています。
また、このことわざが実際の天気の変化のほかに「辛いこともどこかの区切りで楽になる」といった意味合いも持っているのは、そのままこちらが由来となっています。
冬に三日の大荒れなし
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積雪が多くひどい吹雪にも見舞われる日本海側は、現代でもそれらの気象とどうにか共存するため天候の変化を重視して暮らしています。それでも大荒れの天気の時はあるので、「どんなに酷い気象もそう長くは続かない」と、常に周囲の人たちと励まし合って生きてきたようです。
現在ではこのことわざもしっかり根拠づけられ、吹雪は移動性の低気圧が原因となるため実際に長引くことは少ないことが明らかになっています。
大根の根が長い年は寒い
出典:http://econeco.sakura.ne.jp/
「大根から伸びる根が長いと、次の冬は寒い」。これは、大根が特に温度に敏感な野菜で、土の中に温かさを求めてより深く根を張る性質に由来しています。もちろん、もともと長さがある品種もあるので全てではないでしょう。
しかし、とてもポピュラーな野菜である大根の性質にまつわることわざを知ってしまうと、普通のスーパーで売っているような大根の根の長さもつい気にしてしまいますよね。
雷が鳴ると梅雨明ける
出典:https://hp.otenki.com/
尋常じゃない大雨に加え、激しい音や時には停電や感電の危険も伴う雷は苦手な人も多いですよね。しかし、雷はジメジメした梅雨が終わるシグナルになるとも言われています。
これは、夏のカラッとした気象を作る太平洋高気圧が近づき、境目である前線近くに雷雲を作りやすいことが要因です。気分が下がりやすい梅雨の季節に雷が落ちると怖いかもしれませんが、十分な対策をしてひたすら夏を待ちましょう。
秋の夕焼け鎌を研げ
出典:https://proverb-encyclopedia.com/
讃岐地方に由来する天気のことわざです。秋に夕焼けが見られた時は次の日も天気が良いので、農耕の道具を手入れして明日の仕事に備えるようにと忠告しています。
農業は特に天気に左右されやすい職業なので、予測して準備する姿勢は現代でも見習いたいですね。また、後ろに「春の夕焼け傘を持て」と続くこともあるようで、キャッチーな表現はこのことわざが現在まで知られる理由を伝えているようです。
今回は、晴れや雨、季節など天気にまつわることわざをご紹介しました。いま現在では原因がはっきりと証明されていて、科学の豆知識としても新たな学びになることわざも多いですよね。
現代の私たちもあらゆる天気とどうにか共存し暮らす必要があります。天気予報だけではなく普段はスルーしてしまいがちな夕焼けや風向きなどにも注目することで、ことわざを耳だけでなく肌でも感じてみてはいかがでしょうか。
この記事のライター
folk
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