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「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から吉高由里子さんのインタビューをお届けします♪
「ロミオとジュリエット」の中のセリフ、「彼女の眼が問いかけている。僕は答えなければ」から引用されたタイトルの映画『きみの瞳(め)が問いかけている』が公開される。視力を失った女性と夢に破れた青年の恋を描く純愛ラブストーリーのヒロインを務めるのは吉高由里子さん。『僕等がいた』以来、8年ぶりの恋愛映画出演となる吉高さんに、この作品へかけた想いを伺った。
1988年生まれ。2008年映画「蛇にピアス」で主演を務め、「第32回日本アカデミー賞新人俳優賞」を受賞。2014年、NHK連続テレビ小説「花子とアン」のヒロインを演じ、同年のNHK「第65回 NHK紅白歌合戦」では、紅組司会を任される。近年では、ドラマ「わたし、定時で帰ります。」、「知らなくていいコト」他、舞台「大逆走」「レディエント・バーミン」でも活躍。2017年映画「ユリゴコロ」では「第41回アカデミー賞優秀主演女優賞」を受賞。
「ラブストーリーは割と苦手意識があったんです」
8年ぶりとなる純愛映画の出演に注目が集まっていると伝えると、そう話し始めてくれた吉高由里子さん。
「恋愛映画は自分の恋愛観と明らかに違っていたり、セリフに共感できないと、他のジャンルにはない違和感を感じることが多くて。なんとなく自分には合わないのかなって苦手意識がありました。もちろん、率直に恥ずかしさや照れ臭さもあるんですけどね」
それでも出演を決めたのはこの作品に特別な思い入れがあったからだと続ける。
「この作品のプロデューサーのひとりは、私のマネージャーなんです。彼が原案の映画に感動し、日本でリメイクしたいと。そしてそのヒロインを私に演じてほしいということから企画が始まりました。企画の実現は彼の夢でもありましたし、私もその夢を一緒に叶えられたら嬉しいと出演を快諾したのですが、話が決まったタイミングで彼が私のマネージャーから外れてしまうという…。夢が叶ったと思ったらまさかのお別れ。でも今はまた戻って来てくれたんです。それこそラブストーリーみたいですよね(笑)」
不慮の事故で視力と家族を同時に失うという悲劇に見舞われながらも懸命に生きようと奮闘する明香里とかつて将来を有望視されつつも、ある事件をきっかけに心を閉ざしてしまう無口な青年、塁との純愛ストーリーだ。W主演を務めた塁役の横浜流星さんについて伺うと。
「こんなにピュアな方がいるのかと。飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍されているのに、まったく汚れてない(笑)。役作りのためにもいっぱい思い出作ろうって写真を撮ったり、リードしてくれました。でもね、その写真がね…。海辺でジャンプして撮ったんですけど、跳躍力が半端ない横浜流星の横で3センチくらいしか跳べてない吉高由里子というシュールな絵で。しかも連写してるからそれはもう大量で。この写真どうしたらいいんでしょう(笑)」
この作品のために筋肉量を増やし、10キロ増量したという横浜流星さん。その肉体を近くでご覧になった感想は?
「もうね、ゴリゴリ(笑)。痩せているのに筋肉がついているからかったい、かったい。おんぶされるシーンがあるのですが、まったく心地よくなかったです(笑)」
視力に障害のある役は、吉高さんの14年のキャリアの中で初挑戦。実際に盲学校や視覚障害者生活支援センターの取材を行ったとのこと。
「普段の生活から、お料理やメイクの仕方まで色々と教えて頂きました。自分でも電気を消して生活したり、杖をついて外出してみたんですけど、あちこちにぶつかって足なんて傷だらけ!でも1番難しかったのは、相手と目を合わさずに会話をすることですね。普通に会話するとどうしても目を見てしまうので、見ないように意識するのが難しかったですし、目線を合わせないのでお互いのタイミングを測るのが大変でした。あとは目にかかった髪の毛を振り払わないことや、物音がしても目で追わないこと。普段何気なくしている仕草が「見えている」からなんだなって痛感しました。当たり前に体に染み付いた感覚ってすごいんですよね。それが突然見えなくなってわからなくなるのかと思うと、今、目に写っている景色は当たり前じゃないと痛感して。普通に見えていることがどれだけ素晴らしいか、この景色をしっかり焼き付けようと思いました。でもね、実際に施設などでお会いした皆さんはとても明るくて、リアル明香里そのものなんです。たくさんお話しさせていただいた時間は私の宝物です」
当たり前だと思っていた景色が当たり前じゃなくなること。それは新型コロナウイルスが蔓延している今、誰もが少しは感じていることじゃないだろうか。
「人と会うことが制限されている今、もっと会っておけばよかった、もっと話しておけばよかったって思うことがあります。この作品は純愛映画ですが、家族や友達など、大事な人たちのことを改めて想うきっかけにもなってくれたら嬉しいです」
前回、ポコチェで吉高さんを取材させていただいたのが約2年前。30才を目前にした吉高さんは「30になったら新しい世界が見えるかも!」とお話ししていたことを伝えると、『なーんにも変わってません』と即レスが。
「ただただ時間が過ぎるスピードが早くなったくらい(笑)。相変わらず家が好きだし…自粛体質みたいです、私。でも自粛が続いて舞台挨拶などが無観客になるのは辛いですね。私にとって舞台挨拶は皆さんと直接お会いできる大事な場所。観に来てくれたお客さんのお顔を見て、こういう人たちが応援して下さってるんだと実感させてくれる楽しい場所だったのに、それを取り上げられてしまうのはとっても悲しいです。だからこの作品が上映される頃は状況が落ち着いていて、皆さんにお会いできる機会が増えているといいなと思っています」
(C)2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会 (C)2020 Gaga Corporation / AMUSE Inc. / Lawson Entertainment,Inc.
監督/三木孝浩
出演/吉高由里子、横浜流星、やべきょうすけ、田山涼成、野間口徹、岡田義徳/町田啓太/風吹ジュン
公開/10月23日(金) 全国ロードショー
PHOTO / Hirohiko Eguchi (Linx.)
STYLING / Yusuke Arimoto (7kainoura inc.)
HAIR & MAKE / RYO
TEXT / Satoko Nemoto
この記事のライター
Poco'ce
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