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若葉竜也

interview 若葉竜也

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「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から若葉竜也さんのインタビューをお届けします♪

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目次

Profile

2016年、映画『葛城事件』で第8回TAMA映画賞・最優秀新進男優賞を受賞。幅広い演技力で数多くの作品に出演。公開待機作に、映画『あの頃。』(2021年2月19日公開)、映画『街の上で』(2021年春公開予定)、映画『くれなずめ』(2021年春公開予定)など多数。2020年度後期放送のNHK連続テレビ小説『おちょやん』に出演。

完成度の高い青春 物語将棋を知らない人でも楽しめると思います

2015年に行なわれた棋士とコンピューターの対局「将棋電王戦FINAL」から着想を得て、山田篤宏監督が書き下ろしたオリジナルストーリー『AWAKE』。物語は、棋士になる夢を諦めた主人公がふとしたことで出会うAI将棋のプログラミングに新たな夢を見出し、かつてのライバルとの再戦を果たすという青春物語。若葉さんが演じる役こそ、そのライバル役の浅川陸だ。「若手天才棋士」と呼ばれる役だけに、さぞや将棋を勉強したのかと思いきや、「今もルールはわかりません。『角』って強いんでしたっけ?」というから驚いた。

「サボった訳じゃないですよ(笑)。撮影までの準備期間がそれほど長くなかったので、何が必要なのかをジャッジしなければいけませんでした。その中でプロがやる高度な棋譜を理解するのは途方もなく時間がかかると判断をしたんです。若くしてすごく才能のある孤高の棋士を演じる上で、絶対条件として必要なものは立ち居振る舞い、指し手(駒を置くときの手つき)だと思いました。そして何より、陸が纏う勝負師としての緊張感。将棋の世界には運というものが全く無くて、すべて実力のみだという話を伺った時、その張り詰めた空気を出すのが最優先だと思いました」

その言葉通り、劇中の若葉さんのセリフはとても少ない。しかし仕草、目つき、雰囲気だけで見事にすべてを伝えていた。将棋素人の若葉さんがどのようにこれらを習得したのかを伺うと。

「将棋指導に元奨励会員の栗尾軍馬さんが入っているのですが、彼は僕の中学の同級生なんです。彼と密にディスカッションできたことが大きかった。棋士は実力のみの世界ですが、俳優は答えもなければ勝ち負けもなくすごく曖昧。その一介の俳優がそこを体現するのは無謀というか、とてつもないプレッシャーでした。でも彼は何も知らない僕に、棋士は何で悩み、どういう状況になったらどういう行動をとるのかを、わかりやすいように僕の想像力を喚起しながら教えてくれて、とても厳しく見守ってくれました。現場では、監督が2人いるような感じでしたね(笑)」

栗尾さんから聞いた棋士の美学が印象に残っていると若葉さんは続ける。

「将棋で勝つ可能性は今、観測されている星の数より多いそうなんです。将棋盤の上は宇宙より広い、かっこいいと思いませんか?」

将棋一本の世界で生きてきた主人公の英一と陸。幼い頃から子役をはじめ、ずっと演劇一筋で生きてきたご自身と重なる部分はあったのではないだろうか?

「僕は陸ほど立派じゃない、というより褒められる俳優ではないと思います。演じるのが生きがいとかでこの仕事をしてるわけではないんです。生きていくために仕事をしている感覚がすごく強い。僕は大衆演劇出身なんですが、大きくなるにつれて将来は俳優以外の仕事ならなんでもいいと思って生きてきたわけです。でも歳を取るごとに自分の可能性とか、何もない自分に限界が見えてきて…。でも、周りはみんな就職し始めて、俺はどうしよう… と思ったときに1番食べていける可能性があるのが役者でした。ある種諦めに近いですよね。年貢の納めどきというか(笑)。そういう感覚で役者になったので、陸とは似て非なるものです」

生きていくために仕事しているだけ、そう話す若葉さんはとてもリアリストだ。だからこそ好きじゃないものを続ける秘訣を聞いてみたくなった。

「仕事をしたくないとか、誰にでもあると思うんです。僕もしょっちゅう(笑)。でも、仕事ってそういうものだと思っていて。それでがんばって働いて得たお金で友達と旅行をしたり、美味しいものを食べたりして“あぁ、なんとか仕事できているな”って感じる。その繰り返しです。なので、新年の抱負を聞かれても毎年答えは同じ。『粛々と』です。粛々と仕事に向き合い、粛々と台本に向き合い、粛々と映画に向き合う。来年も今年と変わらず年貢を納めるために一生懸命、粛々と働きます(笑)」

「AWAKE」

(C)2019「AWAKE」フィルムパートナーズ
監督・脚本/山田篤宏
出演/吉沢亮、若葉竜也、落合モトキ、寛 一 郎 他
公開/ 12 月25 日(金)新宿武蔵野館 他

PHOTO / Isamu Ebisawa HAIR&MAKE / FUJIU JIMI STYLING / Toshio Takeda(MILD) TEXT / Satoko Nemoto

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Poco'ce

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