/
かかりつけ薬剤師って聞いたことありますか?「お医者さんはわかるけど、薬剤師でかかりつけ?」そんな疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。でも、かかりつけの薬剤師さんを作ることでさまざまなメリットが!安心してお薬を飲むために知っておきたい情報を薬剤師の三上 彰貴子先生が教えてくれます。
※処方せんを出したときのみにかかります(処方せんが無くても、質問できます)
「さっき買った薬、今飲んでいる薬と一緒に飲んでも大丈夫?」
「処方された薬を飲んだら、胃が痛くて吐き気もする。これって副作用?」
「この薬って、1日何回飲むんだっけ?」
「朝、飲み忘れちゃったけど、次は、どうすればいいのかなー」
「この薬、何時間後に効くの?」
などなど、ネットで調べると時間がかかるし、かといって友人に薬剤師がいない…。どうすればいいの? 誰に聞けばいいの? 夜中だし…(涙)
という経験は、ありませんか?
実際、薬剤師の私ですら自分の専門外の薬で良く分からないことを、お恥ずかしながら薬剤師の友人に聞くこともあります(汗)
私の周りには職業柄薬剤師だらけですが、それでも夜中に連絡を取ることは申し訳ないなと思って躊躇します…。
皆さんも、今聞きたいのに!!!と思いながら、不安な時間を過ごしたこともあるのではないでしょうか。
昨年の2016年4月から「かかりつけ薬剤師」という制度(※正しくはかかりつけ薬剤師指導料という診療報酬)ができました。
家に帰って薬にまつわる疑問が出てきたり、追加で市販薬を飲みたいときなどに、是非、かかりつけ薬剤師に相談してみてください。
もちろん、これまでいつも使っている薬局がかかりつけであったり、そこにいつもかかりつけている薬剤師がいるという方もいらっしゃると思いますので、引き続きかかりつけとしてもいいのですが、何が違うのでしょうか?
薬剤師の業務の一つとして、患者さんからの薬に関する質問に答えたり、相談に乗るというものがあります。そのため、処方せんを持っていった薬局で後から電話で質問することができます。また、市販薬を購入するときにも、購入先の薬局でもいいですし、処方せんを持って行っている薬局に相談して買うこともできます。
ですので、相談は気軽に薬剤師になさっていただきたいのですが…。
処方せんの薬は、調剤した薬局。また、市販薬やサプリメントなどを購入する際には、そのドラッグストア、また別の処方箋の薬は別の薬局…と、色々な薬局で薬を手に入れるたびに違う薬剤師に1から説明して…と、かなり面倒になります。
そこで、「かかりつけ薬剤師」制度でかかりつけの薬剤師を決めておくのがお勧めです。
「かかりつけ薬剤師」の制度では、患者さんの薬にまつわる情報を一元管理しているため、以下のメリットが考えられます。
・以前副作用があった薬の名前を忘れたので、かかりつけ薬剤師に確認
・今、医師から処方された薬を飲んでいるが、追加で市販薬やサプリメントを飲みたい場合の確認
・24時間相談できる(電話などで)(「かかりつけ薬剤師」を契約していなくてもできます)
などなど
「かかりつけ薬剤師」として、登録(契約)したい薬剤師を選びます。原則、自分から薬剤師を選んでいただきたいのですが、なかなか良く分からない場合には、処方せんを持っていった薬局で、「かかりつけ薬剤師」の契約はしませんか?と、聞かれることがありますので、そこで考えてみてもいいかもしれませんね。
この「かかりつけ薬剤師」制度は、契約を交わすことが前提となります。いつでも解約できますし、他の薬剤師に変更したければ、容易に新たに契約を結び直すことができます。
ただ、1人につき、1人の薬剤師のみの登録(契約)になります。いつでも契約する薬剤師は変更できますが、変更時に新しく契約する薬剤師に、「以前他のところで契約していた」と、お伝えください。
(処方せんを出さない時も、いくら質問しても追加費用はありません)
「かかりつけ薬剤師」としての費用は、処方せんを出すごとに、保険料3割負担で自己負担が約60円程度となります(幼児など医療費が無料の方は、自己負担はゼロです)。
60円でいつでも24時間、薬局に行った時でも、電話でも気軽に相談できます。
処方せんを持っていかない月や期間があっても、追加費用はかかりません。
契約をした日のお薬の料金に、「かかりつけ薬剤師」の費用は掛かりません。
次回以降、処方せんを出した時に追加で60円程度がかかります。
処方せんを持っていった時に、契約している「かかりつけ薬剤師」がいない場合には、追加費用は掛かりません。ですが、その薬局で契約はしているので、前述のように一元管理されたあなたの薬の情報を元に、アドバイスをしたり相談にのってもらうことはできます。
薬や健康についてちょっと気になることが! でも、周りに気軽に聞ける専門家がいない…。
そんな方には、是非! 処方せんを持っていった時に、「かかりつけ薬剤師」について聞いてみて、詳しく説明してもらいましょう。
もちろん、契約してもいつでも解約したり、他の薬剤師をかかりつけにすることができますので、ご安心ください!
この記事のライター
薬剤師
三上彰貴子
4321
外資系製薬会社勤務後、慶應義塾大学にてMBA取得。卒業後、朝日アーサー・アンダーセン(現PWC)にて主に医療分野のコンサルティングを手がける。2005年より独立し、株式会社A.M.C代表取締役となり、製薬会社・化粧品会社関連のマーケティング、人財育成セミナーなどを行う。現在は、薬科大学博士課程にて研究も行う。その他、薬局薬剤師、登録販売者向けの講師、薬科大学非常勤講師としても活躍中。
ライフスタイルの人気ランキング
新着
カテゴリ
公式アカウント