更新日:2017年9月30日 / 公開日:2017年9月30日
「期間限定」「数量限定」「カロリー0」「糖質ひかえめ」そして…「オーガニック成分配合」。女性ならついつい惹かれてしまうワードですよね。とりあえずオーガニック選んでおけば大丈夫なんて思う方もいるのでは。しかし「オーガニック成分配合」には落とし穴があることも…。今回は、美容師の阿波連さんにオーガニックとはなんぞやというところから解説していただきました!
こんにちは。
子供のころ、弟たちと冷蔵庫にある中華ドレッシングを直飲みしてたというオーガニックとは程遠い雰囲気のエピソードを持つ美容師、阿波連 大竜(あなみ だいりゅう)です。
こんな僕でも今から10年以上前くらいに『日本初オーガニック美容師』と名乗って(勝手に。笑)テレビや雑誌など色んなメディアに出させてもらってた事があったり…
勝手に名乗ってたとは言っても、しっかりとした先生についてオーガニックを学びました。
今回は、そんな僕が
『オーガニック成分配合』っていう言葉のマジックについて
業界から干される覚悟で(嘘)語ってみたいと思います。
オーガニックという言葉の意味を調べると『有機体(物)』や『器質性』などの言葉も出てきますが、この辺りを深追いすると完全に迷子になるのでスルーします。
食べ物や化粧品などにおけるオーガニックという言葉は主に『有機栽培』という意味で使われますね。
有機栽培とは、単にその植物などを育てる間に農薬や化学肥料を使わずに育てた無農薬栽培とは違い、その作物などを育てる土壌で過去3年間(モノによっては2年間)農薬や化学肥料を使っていない環境で育てる栽培方法です。
日本の有機JAS法では、農林水産大臣の認めた登録認定機関から認定を受けた事業者が有機JASの規格に沿って生産された有機食品にのみ『有機』や『オーガニック』の表示を付けることが出来ます。
しかし、シャンプーやスタイリング剤なども含む化粧品にはこの決まりは適用されない為、企業が独自の基準で判断していたり、海外のオーガニック認定機関の基準に基づいてオーガニックをうたっているのが現状です。
言葉の意味からとらえると、有機栽培された原料から抽出した成分ということになります。
メーカーさんが紹介してくれる『オーガニック成分配合』とうたっている美容商材は、ほとんどが海外のオーガニック認証機関に認定されたものを使っていたりしますが、日本の有機JAS法では化粧品に対する法規制が無いため、中にはその会社独自の判断によるオーガニック表記も混ざっているということになりますね。
オーガニック表記について特に規制が無いコスメ業界などで使われる
『オーガニック成分配合』
なんだか身体に良さそうな感じがしますよね?
しかしちょっと考えてみましょう。
『オーガニック成分』を『配合』しているだけなんです。
例えばシャンプー等の内容成分にどんなに身体に負担が掛かるような成分を使っていたとしても、オーガニック栽培された植物などから抽出したエッセンシャルオイルを1滴でも加えれば『オーガニック成分配合』と言えてしまいます。
嘘ではないですもんね。
でも、なんだか身体に優しそうなイメージをしてしまう不思議な言葉ですよね。
コレ。
今回、僕が吠えたいのはコレ。
いや、魅力的なワードで消費者の関心を惹きつけるのは広告の手法としてわかりますよ。
『オーガニック成分配合』
実際にオーガニック成分(自社基準を含むですが)を配合していることでしょう。
もちろん商品の使用感や良い成分の効果、身体や環境への優しさなども配慮されてると思います。
んでもね。
それって内容成分の一部にオーガニックな材料が使われているだけであって
オーガニック製品とは全く別物じゃん!!
オーガニック成分を『配合』してるからって別に身体に優しいわけではないじゃないですか。
だってどんなモノにだってオーガニックな成分(自社基準含む)を少しでも入れれば『オーガニック成分配合』って言えるんだし。
極論を言えば『オーガニック成分配合のパラベン』や『オーガニック成分配合の農薬』なんてものも出来てしまいます。
実際、商品自体は良いものなのかもしれませんよ。
んでも、『オーガニック成分配合』ってのを前面に打ち出してミスリードを誘発させてでも売上を上げようみたいな、その気持ちがイヤなんですよね。
だってその姿勢が優しくないじゃん。
そんな優しくない商品、使いたくないですよ自分なら。
というわけで、各メーカーさん。
『オーガニック成分配合』なんていう言葉のイメージでミスリードするようなダサいやり方やめませんか?
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