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「たかが蚊」と侮らないで! 効果的な虫刺され予防&ケアの方法を小児科医がレクチャー

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目次

子供は蚊に刺されやすく、かゆくて掻いてしまうとトビヒにもなりかねないので、予防&ケアが必要です。もっとも効果的な方法について、森戸先生に教えてもらいました。

虫除けはディートかイカリジン

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(photoAC)

夏になると、虫刺されが気になりますね。蚊が媒介する病気は意外と多く、ジカ熱やデング熱、マラリア、日本脳炎などがあります。2015年には、25年ぶりに千葉県で日本脳炎患者が報告され、2016年には昆虫忌避剤のディートとイカリジンを高濃度で使った商品が製造販売承認されました。

日本脳炎にかからないためには「日本脳炎ワクチン」を接種することが重要ですが[*1] 、他の病気の感染を防ぐためにも、かゆくてつらい思いをしないためにも虫除けは必須ですね。

長時間にわたって蚊を遠ざける高い効果が証明されている身につけるタイプの忌避剤は、ディートとイカリジンの2種類です。ディートは、生後6カ月未満の子には使えません。使用する回数には制限があり、6カ月以上2歳未満は1日1回、2歳以上12歳未満は1日1〜3回です[*2] 。

またディートの効果持続時間は濃度によって違い、日本国内では30%濃度のものまでありますが、10%だと2時間ごと、24%だと5時間ごとにつけなおす必要があります。また、30%を超えるものは12歳以上が使えます。イカリジン(ピカリジン、KBR 3023、Bayrepel)の使用には年齢制限はなく、5%の濃度のもので効果持続時間は6時間なので、使いやすいでしょう。

それ以外にも、ハーブやアロマなどの「天然だから安心」と書かれた虫除けなども売られていますが、ほとんどは効果の裏付けがありません。ユーカリ油(p-menthane 3,8-diol、PMD)は、低濃度のイカリジンと同じくらい効果があるという報告がありますが、米疾病対策センター(CDC)が3歳までは使用しないように勧告しているので避けたほうがいいでしょう。ディートやイカリジンを、用量用法を守って使うほうが安全です。

早めに市販のかゆみ止めを!

さて、虫除けをしていても、お子さんが保育園や幼稚園、学校、公園などから帰ると、手足をたくさん蚊に刺されていることがあるでしょう。そういうときは、市販のかゆみ止めを早めに塗りましょう。早く塗ったほうがかゆくなりにくいのです。

蚊に刺されると、かゆいこと自体も困りますが、そのままにしておくと子供は加減をせずに掻きむしりがちなのでトビヒになってしまうことも。かゆみ止めパッチもいいですが、小さい子はパッチを取って口に入れることがあるので注意してください。

時に、蚊に刺されたあとが大きく赤く腫れ、水疱ができることもあります。これはストロフルスといって蚊の唾液(だえき)に対する過剰反応です。皮膚科や小児科で、炎症を抑えるステロイドの塗り薬をもらって塗ったり、冷やしたりしましょう。

よく「蚊に刺されたら50度のお湯で温めるといい」と言いますが、これは間違いです。虫に刺されたときにかゆみや腫れを起こすヒスタミンは50~100度くらいの温度では壊れないので効果がありませんし、火傷のリスクがあるのでやめてください。

むしろ、かゆみを抑えるには冷やしたほうが効果的です。「蚊に刺された部分にセロハンテープを貼るといい」「蚊に刺された部分を塩で揉むといい」というのも迷信で、肌を傷つけるリスクがあるのでやらないようにしましょう。

参照)森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケア』(内外出版社)

参考文献[*1]日本脳炎ワクチンは3歳頃に接種することになっていますが、生後半年から接種することができます。[*2] 蚊媒介感染症の診療ガイドライン

(編集協力:大西まお)


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この記事のライター

マイナビウーマン子育て

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