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1日何回トイレに行ったら頻尿?おしっこ問題に悩む人必見の対処法<漢方薬剤師解説>

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目次

トイレが近いと、常にトイレの場所や時間を気にしなければならず、煩わしいですね。頻尿の原因やその対処法、頻尿によく使われる漢方薬について、漢方薬剤師の西崎れいな先生(KAMPO MANIA TOKYO)に教えていただきます。

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この記事でお伝えすること

1. 頻尿とはどんな状態?2. 病院に行くべき頻尿って?3. 漢方から見た頻尿になりやすい体質とは?4. 体質別の頻尿対策は?5. 頻尿にいい漢方薬は?

解説してくれた先生 KAMPO MANIA TOKYO 管理薬剤師西﨑れいな 先生 昭和大学薬学部卒。大手調剤薬局、多診療科クリニックの院内調剤室勤務を経て、漢方専門店にて管理薬剤師。漢方相談や漢方の啓発に努め、2021年より現職。監修を務めるKAMPO MANIAでは、自分の症状や体質からカスタマイズしてくれるサービスも受けられる。

「西﨑れいな 先生」記事一覧はこちら⇒

頻尿とは

医学的には、朝起きてから寝るまでの間に8回以上排尿があると頻尿とされています。それ以下でも、トイレの回数の多さが気になるなら頻尿です。ちなみに、平均の排尿回数は1日6回ほどです。

頻尿になる原因は、カフェインや水分の摂りすぎから、病院に行くべきものまでさまざまです。

病院に行くべき頻尿

頻尿の症状は、あらゆる病気で考えられますが、主なものは以下の4つです。 —————————・糖尿病(血糖が高く糖が尿に出る)・尿崩症(ホルモンが効かず薄い尿がたくさんでる)・膀胱炎(細菌などが膀胱に入って感染)・過活動膀胱(膀胱が尿を貯められない) —————————

糖尿病だと、喉がかわいてたくさん水を飲みたくなり、その結果として尿がたくさん出ます。抗利尿ホルモンが効かなくなる尿崩症でもそうなりますが、発症する確率は、糖尿病である可能性のほうが圧倒的に高いです。糖尿病であれば血糖をコントロールする薬、尿崩症であれば抗利尿ホルモン剤で治療をします。

膀胱炎だと、細菌などが感染しているので、血尿や尿の濁り、下腹部の痛み、腰の痛み、排尿時の痛み、発熱があります。抗生物質などで治療をします。

どちらの症状でもなく、一回の尿が少なければ、過活動膀胱の可能性が高くなります。これは加齢などにより、膀胱の伸縮がうまくいかず尿を貯められなくなるとなりやすいです。

膀胱に溜まった尿が気になる心因性頻尿でも、一回の尿量は少なくなります。ただ、心因性頻尿では、膀胱の尿を貯める能力そのものはあるので、朝一番の尿の量は普通です。過活動膀胱だと夜もトイレに行きたくて目が覚め、夜の尿量や朝一番の尿量は少なくなります。

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漢方から見た頻尿になりやすい体質

漢方の考えでは、頻尿になりやすい体質は大きく2つあります。 —————————・気虚(体を動かすエネルギーが足りない)・陽虚(エネルギーが足りない状態が続いて体の機能が低下) —————————です。どちらも、内臓の機能が落ちて尿を貯める力が落ちている状態です。過活動膀胱の症状と合致するところがあります。

気虚だと、以下のような特徴が出ることが多いです。・顔色が白く黄色っぽい・声が小さい・体が冷えやすい・疲れやすい・だるい・食欲がない・汗をかきやすい・下痢しやすいか、便が柔らかい・舌の色が薄い・舌の両脇に歯型がつく・生理の出血量が多い・生理の血の色が薄い

陽虚だと、気虚に似た特徴に加えて、以下のような特徴が出ることが多いです。・体が冷える(手足だけでなく胸や腹などの中心部も)・腰が冷えて痛む・お腹が冷えて痛む・抜け毛が多い

この2つの体質は、体力や体の機能が低下しているので、免疫力も低下しがちです。そのため、他の体質より膀胱炎になりやすいとも言えます。

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体質別の頻尿対策

過活動膀胱や膀胱炎は、体調を整えることで、なりにくくする・改善する事ができます。体質ごとの体調の整え方を紹介します。

気虚の場合は、以下のことに気をつけましょう。 —————————・冷たいものを食べすぎない・飲みすぎない(食べた時は、温かいものも飲食して中和する)・服装に気をつけて体を冷やさない・消化に良いものをよく噛んで食べる・穏やかな運動を疲れない程度にする・ぬるめのお湯に浸かる、定期的に入浴する —————————入浴して体を温めるのはおすすめですが、サウナや岩盤浴は汗が出すぎて体力を消耗するので、体力が不足している気虚の人には向いていません。

また、気虚の人のエネルギー補充によい食べ物で、手に入りやすいのは、白米、もち米、さつまいも、じゃがいも、山芋(長芋)、大豆(枝豆も)、豆腐、納豆、アスパラガス、えんどう豆、かぶ、かぼちゃ、きのこ類、アボカド、ぶどう、いわし、えび、鮭、かつお、サバ、タコ、マグロ、肉(牛・豚・鶏)、味噌、ココアなどです。

気虚の人は消化器官も弱っていることが多いのですが、それについては、おくら、小松菜、パクチー、アボカド、大根、トマト、にんにく、にんじん、白菜、りんご、グレープフルーツ、オレンジ、ブロッコリー(カリフラワー)などを、よく噛んで食べるのがおすすめです。

気虚が進行して、陽虚を生みます。そのため、陽虚の場合は、気虚で気をつけるべきことにプラスして、以下のことに気をつけましょう。 —————————・カイロや腹巻き、レッグウォーマーで下半身を温める・暖かく快適な環境を保つ・運動は温かいところで疲れない程度に行う —————————食材は、気虚でおすすめした食べ物全般がおすすめです。火を通したものをよく噛んで食べましょう。

また、陽虚の人が芯から体を温めるのにいい食べ物で、手に入りやすいものは、ニラ、エビ、くるみ、栗、鶏肉、鶏レバー、まぐろ、シナモンなどです。よもぎ茶もおすすめです。

お腹が特に冷えて仕方ない人は、ししとうがらし、高菜、みょうが、わさび、黒砂糖、からし、コショウ、酒粕(酒粕で作った甘酒)、サンショウ、唐辛子、豆板醤を適量とるのもおすすめです。特に山椒は、温めて腸の動きをよくする漢方薬にも含まれています。

どちらの体質でも、頻尿ならカフェインは控えるべきです。

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頻尿にいい漢方薬

主に、過活動膀胱と膀胱炎による頻尿に漢方薬が使われます。膀胱炎では、抗生物質と併用することもよくあります。また、心因性頻尿に使われる漢方薬も紹介します。いずれも、体内の水分代謝を調節する働きをもっています。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

加齢による過活動膀胱によく使われる漢方薬です。疲れやだるさ、腰痛、尿の出しにくさがある人に向きます。山薬(サンヤク)や地黄(ジオウ)、山茱萸(サンシュユ)で加齢に伴う機能の低下を高めて、附子(ブシ)や桂皮(ケイヒ)で体を温めます。血行や水分代謝もよくします。ある程度胃腸が丈夫な向けの漢方薬です。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

八味地黄丸に、血流を促したり、水分代謝を高める生薬を2つ加えたものです。頻尿で、むくみもひどく、腰痛や坐骨神経痛などを併発している場合に効果的な漢方薬です。

真武湯(しんぶとう)

体の芯から冷えている人を温める漢方薬です。体力のない人のめまいや風邪によく使われますが、体を温めて機能を活性化させるので、冷えて免疫力が落ちた人の膀胱炎や、冷えてトイレが近くなるタイプの頻尿にもいい漢方薬です。体を温める生姜と附子に、水分代謝を改善し、体力をつける生薬を組み合わせたものです。

五淋散(ごりんさん)

膀胱炎によく使われる漢方薬です。炎症を抑えて、尿の出を良くして膀胱に溜まった菌を追い出す目的で使われます。膀胱炎のせいで、排尿時に痛みがある時にも効果的な漢方薬です。水分代謝を改善する生薬、感染症などによる体の熱を冷ます生薬などで構成されています。胃もたれしやすい生薬や、熱を冷ます生薬が多いため、胃腸が弱い人や、体の中心を触ってみて冷たい人には向きません。

猪苓湯(ちょれいとう)

熱が出たりと、症状が強い膀胱炎に使われる漢方薬です。尿の出を良くして膀胱に溜まった菌を追い出す目的で使われます。のどが渇いて水を飲みたがるけれど尿の出が悪い場合にも効果的な漢方薬です。水分代謝を改善する生薬、炎症を抑える生薬が組み合わせられています。止血作用がある生薬も含まれているので、膀胱炎で血尿が出るときにもよく使われます。

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

膀胱炎で、尿を出すときの痛みが強いとよく使われる漢方薬です。デリケートゾーンのトラブルや湿疹にも使われます。水分代謝を改善する生薬、体の熱を取る生薬、血を補う生薬が多種多様に組み合わせられています。胃もたれしやすい生薬や、熱を冷ます生薬が多く含まれているので、胃腸が弱かったり、体の中心を触ってみて冷えていたりする人には向きません。

清心蓮子飲(せいしんれんしいん)

心因性頻尿に使われることが多い漢方薬です。いろいろ思い悩むことが多く、不安やイライラ、眠れない人に向きます。蓮肉(レンニク)で精神を安定させつつ、人参(ニンジン)や黄耆(オウギ)で体力をつけます。水分代謝を改善する車前子(シャゼンシ)、体を潤して熱を冷ます麦門冬(バクモンドウ)などで構成されています。胃腸が弱く、他の漢方薬だと胃がもたれてしまう場合に用いることがあります。

まとめ

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薬剤師の先生から漢方について学ぶ「ママのお悩み漢方相談室〜不調な私の取扱説明書〜」。第22回の今回は、頻尿の原因やその対処法、頻尿におすすめの漢方薬についてお伝えしました。体が冷えるとトイレが近くなりますし、免疫力が落ちて膀胱炎になりやすくなるので、普段の生活から体を冷やさないよう気をつけて、免疫力を高めていきましょう。

(解説:西﨑れいな)

※画像はイメージです

参考文献実用中医薬膳学(辰巳洋、東洋学術出版社)食養生の知恵 薬膳食典 食物性味表(日本中医食養学会、燎原書店)

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、薬剤師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事のライター

マイナビウーマン子育て

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