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「ゆずりは(譲葉、ユズリハ)は聞き慣れない名前ですが、庭木などにも使われる意外と身近な植物。さらに縁起がよい花言葉もついており、お祝いの席で飾られることもあります。ここでは、ゆずりはの概要や特徴、花言葉、名前の由来などを詳しく解説します。
ゆずりはの花言葉は「世代交代」「譲渡」「若返り」。
これらの花言葉はすべて、ゆずりはの特性が由来です。ゆずりはは、春になり枝に新しい葉がつくと、まるで場を譲るように古い葉が一斉に落葉します。これが「世代交代」や「譲渡」をイメージさせ、そのまま花言葉がつけられたというわけです。
「若返り」も、古い葉が落ち、つややかな新しい葉が生えてくるようすからつけられています。
ゆずりはに「死」や「呪い」を意味するような怖い花言葉はありません。
ただ、古い葉が一斉に落ちる特徴に、少々怖さやもの悲しさを感じる人はいるかもしれませんね。「世代交代」も、古い世代からしてみれば、追いやられるような怖いイメージの言葉といえるかもしれません。
ゆずりははユズリハ科ユズリハ属に属する常緑高木で、やや大きめの樹木です。
日本では福島県や関東以西の本州、また四国・九州・沖縄に分布。庭木としても用いられています。
落葉期をもたない常緑樹に分類されますが、ゆずりはにいたっては、新しい葉が生えると前年の葉が落ちるのが特徴です。落葉の時期は、若葉が生えそろう春になります。葉は楕円形で長さ8~25cmと大きく、光沢があるのが特徴。枝先にらせん状に集まって生え、垂れさがるようにつきます。
・分類…ユズリハ科ユズリハ属・原産地…日本、韓国、中国・別名…譲葉、ツルノハ・開花期…5~6月・出回り期…通年
ゆずりは(譲葉)の名前も、花言葉同様、新しい葉に譲るように古い葉が落ちるようすからつけられたといわれています。
一方で、葉の脈が太く弓の弦のように見えることから「弓弦葉(ゆづるは)」と呼ばれるようになり、ゆずりはになったという説もあるようです。
また、九州などではゆずりはを「つるのは」と呼ぶ地域も。こちらも弦に似ていることで「弦の葉(つるのは)」と呼ぶようになったと考えられます。それがやがて「鶴の葉」につながり、鶴は千年の長寿でおめでたい鳥とされることから、縁起のよい植物になったようです。
誕生花とは、生年月日にちなんだ花のこと。ギリシア・ローマの神話に由来するとされています。ゆずりはが誕生花となる生年月日は以下のとおりです。
ゆずりはの花言葉と聞いて、「樹木にも花言葉があるの?」と驚いた人もいるかもしれませんが、ゆずりはにも花が咲きます。
ゆずりはの花の開花期は5~6月。葉の付け根部分に、小さな花が集まるように密集して咲きます。雄花と雌花を別々の個体で咲かせる雌雄異株で、雄花には花びらがつかず葯(花粉が入った袋)が目立つのが特徴。雌花は先がふたつに裂け、小さな萼がつく変わった姿をしています。
ゆずりはは、花だけでなく実もつけます。
春についた雌花の子房は秋にかけて少しずつ膨らみ、秋には紫色の丸い果実に。見た目はブルーベリーのようで一見おいしそうにも見えますが、多数の毒性物質を含んでいます。誤って口にすると呼吸困難などの重篤な症状を引き起こすことがあるので、見かけても絶対に口にしないでください。同じくゆずりはの葉にも有毒物質が含まれます。
過去には、ゆずりはを食べてしまった牛がゆずりは中毒を起こし死亡した事例も。ペットや小さなお子さんにも注意が必要です。
毒性がある点は穏やかではないですが、前述したとおり、ゆずりはは縁起のよい植物として知られています。
古い葉を落とし新しい葉を迎える特性をお正月の迎春になぞらえ、お正月のしめ縄や鏡餅に飾られることが多いようです。葉の茎部分が赤く葉の裏は白い点も、「紅白」をイメージさせ、縁起ものとして扱われる理由のひとつ。まさにお正月にぴったりの植物ですね。
ゆずりはは、その葉の入れ替わり方から「家系の継承」を象徴する植物とされ家の庭に植えられることもあるようです。庭があるご家庭は、ゆずりはを庭木として育ててみてはいかがでしょうか。
ただ、葉や実は毒をもつので、ペットや小さいお子さんがいるご家庭は十分な注意が必要です。
この記事のライター
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