/
かげ口、嫌がらせ、セクハラ…。これらは人権侵害にあたります。些細なことだからと我慢する前に、「これは人権が不当に侵されているのかもしれない」と気づくことが大切。人権侵害は性別や年齢にかかわらず被る可能性があるものです。人々の人権侵害の経験などを調査した内閣府のデータをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事では、内閣府が実施した「人権擁護に関する世論調査」をもとに、「基本的人権」の周知率や人権侵害についてどう感じているのかをご紹介。また、実際に人権侵害を感じた経験やその内容と対処法についても、一緒に確認していきましょう。
基本的人権についての周知度内閣府「人権擁護に関する世論調査」より
義務教育で必ず習う「基本的人権」。ほとんどの人が知っている言葉だと思いますが、その意味となると、答えられる人が少し減るのかもしれません。「基本的人権は侵すことのできない永久の権利として、憲法で保障されていること」を知っている人は85.6%でした。男女別では、男性が89.3%、女性が82.6%で若干、男性の方が周知率が高いようです。
また、年代別に見てみると、18歳~29歳という若い年代が89.0%と最も高いポイントを示しています。高校生や大学生を含むことが関係しているのかもしれませんね。
人権侵害の推移内閣府「人権擁護に関する世論調査」より
次に、日本では「人権侵害はここ5~6年の間にどのように推移しているか感じているか」を聞いた設問では、「あまり変わらない」が最も多く、37.5%でした。ただし、「どちらかといえば多くなってきた」と「多くなってきた」を合わせると38.9%であり、「あまり変わらない」を上回ります。またこれは、「少なくなってきた」「どちらかといえば少なくなってきた」を合わせた21.9%より15ポイント以上高い値です。
男女別では、「どちらかといえば多くなってきた」と感じている女性が男性より3ポイント近く高い結果でした。さらに、年代別では、18歳~29歳の若い世代で「多くなってきた」と感じている人が13.5%と高い数値を示しているのが目立ちます。若い世代の方が人権の意識に敏感なのかもしれません。
人権侵害の経験内閣府「人権擁護に関する世論調査」より
では、自分自身が人権侵害を受けたことはあると思う人はどのくらいでしょうか?「今までに、ご自分の人権が侵害されたと思ったことがありますか?」という設問に対し、「ある」は27.8%と約3割に上りました。
男女別にみると、男性が25.1%に対し、女性は30.0%と女性の方が多いこともわかります。年代別では、50~59歳で特に人権侵害を感じたという人が多く、4割弱に上りました。
人権侵害の内容内閣府「人権擁護に関する世論調査」より
では、人権侵害を感じたことのある人は、どんな場合にそれを感じたのでしょうか?54.5%と最も多かったのは「あらぬ噂、他人からの悪口、陰口」でした。次いで「職場での嫌がらせ」(30.1%)となっています。言葉による人権侵害が最も身近な問題になるといえるでしょう。特に現在は、SNSを通じた言葉での攻撃が問題になっています。
また、男性では上記以外に「名誉・信用の棄損、侮辱」(29.1%)、「使用者による時間外労働の強制などの不当な待遇」(24.6%)などが多く、一女性では、「学校でのいじめ」(20.6%)、「セクシャル・ハラスメント」(21.8%)などが多く挙げられました。
人権侵害への対応内閣府「人権擁護に関する世論調査」より
最後に、人権侵害をされたと感じたときに自分はどう対応すると思うかについて、結果を見てみましょう。最も回答が集まったのは「身近な人に相談する」(64.8%)でした。相談に乗ってくれる信頼できる人がいる場合、1人で対処しようとせず相談してみるのがよいのかもしれません。
なお、「相手に抗議する」という対応は33.1%、反対に「黙って我慢する」という対応は26.0%でした。我慢するよりは抗議したいと思う人が多いことがわかります。
ただし、男女別でみると、性別によっての違いも現れる結果に。
「身近な人に相談する」男性:52.4%/女性:74.9%「相手に抗議する」男性:43.1%/女性:24.9%「黙って我慢する」男性22.3%/女性29.0%
女性の方がより身近な人への相談を重視しており、相手に抗議するよりも黙って我慢することを選ぶ傾向が見られました。
日本での人権侵害が増えているのではないかと思う人は少なくなく、実際に自分も人権侵害を受けたと感じる人も約3割であることがわかりました。しかし、これは人権侵害だと認識していないケースもあるかもしれません。噂や悪口などをきっかけに人生が変わってしまうこともあり得ます。些細なことであっても、傷つけられたと感じた場合には、誰かに相談して対処を考えることが大切でしょう。「我慢すればよい」と考えることは避けなければなりません。
(マイナビ子育て編集部)
※画像はイメージです
■人権擁護に関する世論調査/内閣府調査対象:全国 18 歳以上の日本国籍を有する者3,000人(有効回収数1,556人)調査時期:令和4年8月4日から9月11日 調査方法:郵送法(配布:郵送、回収:郵送またはインターネット回答)
<関連リンク>✅孤独死の3割は発見まで15日以上!?発見原因で「異臭」よりも多かったのは?✅8割の人が知らない「アンコンシャス・バイアス」みんなが陥る、ある「思い込み」とは?✅20代になると激減!? 15歳⇒25歳で半減する若者の「ある傾向」とは【アンケート調査】
この記事のライター
恋愛・結婚の人気ランキング
新着
カテゴリ
公式アカウント