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新学期になると、自分で鍵を持って登下校し、一人で留守番をするようになる子も増えます。それも一つの成長ではありますが、不安やリスクがあることも事実。子供が安心して「鍵っ子生活」を送るためのポイントをお伝えする本シリーズ、第三回目の今回は「鍵っ子が守るべきチェックリスト<お留守番>編」についてお伝えします。
<これまでの記事>【第一回】安心して「鍵っ子デビュー」① 知っておきたい5つのリスク【第二回】安心して「鍵っ子デビュー」② 守ってほしいこと「持つ・使う」編
今回、お話を伺った人 清永 奈穂さんNPO法人体験型安全教育支援機構代表理事株式会社ステップ総合研究所所長日本女子大学学術研究員教育学博士2000年にステップ総合研究所を設立。犯罪、いじめ、災害などから命を守るための研究に取り組み、大学などの研究員や政府、自治体等の委員会委員なども務める。各地の自治体、幼稚園、保育園、小学校などで独自の体験型安全教育を行っている。著書に『犯罪から園を守る・子どもを守る』(メイト)、『犯罪からの子どもの安全を科学する』(共著ミネルヴァ書房)、『危険から身を守る学校・通学路・遊び場・家』(監修/一部岩崎書店)など。危険を避ける上でも、鍵っ子になるために最低限できていてほしい3つのこと
✅ <持つ>鍵の管理ができること✅ <使う>鍵の開け閉めができること✅ <居る>留守番ができること
この中でも、今回は「<居る>留守番ができること」についてお伝えします。※「持つ・使う」のチェックリストについてはこちらの記事をご覧ください。
留守番中はさまざまな危険と隣り合わせです。家の中にあるリスク、家の外から来るリスク、それぞれに対応できるよう、子供が一人で留守番をする際に守ってほしいルールを挙げます。
① お留守番中に誰かが来ても出ない誰かがインターフォンを鳴らしても対応せず、そのままにしましょう。宅配便などに対しても、少なくとも小学一年生のうちは対応しないようにした方がいいでしょう。
② 鍵は必ず閉めておく玄関のドアだけでなく、できればベランダや窓の鍵も閉めておくようにしましょう。
③ 登録されている番号以外の電話には出ない電話で在宅情報を探られ、犯罪につながるケースは珍しくありません。万が一、うっかり知らない番号からの電話にでてしまったときには、「今、お母さんは(お父さんは)忙しいので」とすぐに切り、あれこれ会話しないようにしましょう。
⑤ 火やお湯を使わないガスコンロやストーブなどは火災のリスクがあります。また、カップラーメンなどを作ろうとして、電気ポットのお湯で火傷することもあります。子供だけでいるときは、使わないようにしましょう。
⑥ 決められたもの以外は電子レンジに入れない電子レンジならば火を使わないので安心と思うかもしれませんが、誤った使い方をすると火事の危険があります。大人が「これは電子レンジで温めていいよ」と準備したもの以外は電子レンジに入れないようにしましょう。
⑦ アイロン・包丁・瞬間接着剤は使わない アイロンビーズなどでアイロンを使いたいと思ったり、お料理に興味があって包丁などの刃物を使いたいと思うこともあるでしょう。しかし、これらは火傷や怪我の危険があるので、使うのは必ず保護者のいるときだけにしましょう。また、工作などで使うことがある瞬間接着剤も、衣服に付着すると火傷(やけど)するおそれがあります。一人でいる時に怪我をすると対応が遅れるので、使うのはやめましょう。
※誤って服などの上に瞬間接着剤をこぼした場合は、あわてて脱がずに大量の水をかけてから徐々にはがしましょう。(参考:日本接着剤工業会「瞬間接着剤のトラブル処理と使い方の手引き」)
⑧ お風呂で遊ばない浴槽など水が溜まっているところでは遊ばないようにしましょう。また、ドラム式洗濯乾燥機で遊ぶことは大変危険です。入ったりすることは絶対にやめましょう。
⑨ ベランダでは遊ばない転落事故防止のために、ベランダで遊ぶことはやめましょう。
⑩ 外出予定は事前に伝えるお友だちと遊びに行くなど帰宅してから出かける場合は、あらかじめ保護者にその予定を伝えるようにしましょう。急に予定ができた場合でも、携帯電話に連絡するなど何らかの方法で知らせて許可を取りましょう。
⑪ 勝手にお友だちを家に入れない外で遊ぶ時だけでなく、お友だちを家に呼ぶ場合も必ず保護者の許可をとりましょう。
⑫ タブレット、ゲーム機などは家のルールを守って使う一人でいる時に動画を見たりゲームしたりする時でも、決められたルールを守りましょう。
一人で食事をすることが想定される場合は、電子レンジにかけてよいもの・悪いものがわからないうちは「これはチンしていいよ」というものを事前に用意しておきましょう。なお、冷凍食品の外袋も加熱不可なので、あらかじめ外袋を外しておくなどの工夫をしましょう。
ベランダだけではなく、出窓に座ったり、網戸にもたれかかったりすることで起こる窓からの転落事故もあります。一人で留守番させる前に、一度家の中の転落リスクがある場所を点検しましょう。
転落だけでなく、やけどする、溺れる(お風呂など)、閉じ込められる(ドラム式洗濯乾燥機など)、誤飲・誤食する(薬やアレルギーのあるものなど)と、ものや場所によっては命に関わる危険が隣り合わせであることを忘れてはいけません。「だめよ」と言葉で伝えるだけではなく、子供の手が届かない場所に収納したり、近づけないようにするなどの対策が必要です。
大人がいない環境では、子供が誤ったICT機器の使い方をしてしまうこともあります。タブレット、ゲーム機などについて家のルールを再度確認しましょう。使用時間や使い方、使用場所、見ていい動画などについて決まりを作り、紙に書き出してみるといいですね。もちろん、フィルタリングは必ずかけておいてください。
上記に併せて、生活上のルールも作っておくと安心です。例えば・遊ぶのは宿題が終わってから・おやつは用意されてるものを食べる・お金は勝手に使わない(もしくは「○円まで」と上限を決めておく)など。ご家庭ごとに、お子さんと相談して決めてみてください。
—————————前回の「持つとき」「使うとき」に続き、今回は鍵っ子に守ってほしいことの中でも「お留守番のとき」についてお伝えしました。次の記事では、鍵っ子の練習方法を解説します。5つのステップでシミュレーションしてみましょう!
(解説:清永奈穂先生、構成:マイナビ子育て編集部)
※写真はイメージです
<鍵っ子対策連載記事一覧>【第一回】安心して「鍵っ子デビュー」① 知っておきたい5つのリスク【第二回】安心して「鍵っ子デビュー」② 守ってほしいこと「持つ・使う」編【第三回】安心して「鍵っ子デビュー」③ 守ってほしいこと「お留守番」編【第四回】安心して「鍵っ子デビュー」④ 練習の5ステップ【第五回】安心して「鍵っ子デビュー」⑤ 紛失、不審者、地震…どうする?
この記事のライター
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