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ここ数年で、子どもを取り巻くデジタル環境は劇的に変化。私たち親世代は、子どものデジタル機器の付き合い方や、ITリテラシーの教え方にどう向き合ったらよいのでしょうか? ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーとして活躍し、自身も二児の母である鈴木朋子さんに教えてもらいます。
執筆者プロフィール 鈴木朋子さん ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザースマホやSNSなど、身近なITサービス全般に関する記事を執筆。なかでもSNSに関しては、コンシューマーからビジネスまで広く取材を行い、最新トレンドを知るジャーナリストとして定評がある。また、安全なIT活用をサポートするスマホ安全アドバイザーとして記事執筆や講演も行う。著書は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)、『インターネットサバイバル 全3巻』(日本図書センター)など。進学、進級の季節ですね。「入学・進学祝いにスマホを買って」と頼んでくるお子さんも多いかと思います。一方、保護者の方も仕事面で生活スタイルが変わるなど、これまでの見守り方法や連絡手段では不安を感じている人もいるかもしれません。
お子さんに持たせるデジタルツールは、大きく分けて3つあります。・見守りGPS・キッズケータイ・スマホ
どのデバイスが我が子に向いているのか、迷っている人も多いかと思います。今回は、それぞれの特長とトレンドについて説明していきます。
子どもの現在地を把握する「見守りGPS」は、ほとんどが50mm×50mm程度の小さなサイズです。重量も50g程度でランドセルなどに入れておいても負担がないなど、持ち運びが手軽という特長があります。
見守りGPSは、現在地をGPS衛星やWi-Fiから測位し、保護者の端末に送信します。お子さんの移動履歴も振り返ることができます。自宅や学校などの指定したエリアに出入りしたときや、子どもの活動範囲を超えた移動をしているときには通知でお知らせしてくれます。
ケータイの持ち込みを禁止している学校でも、「見守りGPSならOK」というケースもあり、特にお子さんが小学校の間は役立つ端末でしょう。キッズケータイでは位置情報を把握するために有料オプションを付ける場合もありますが、見守りGPSは本体代金も月額料金もお手頃というメリットもあります。
ただし、現在地を共有するだけで通話やメッセージで連絡は取れないというマイナス面があります。そこで、音声メッセージによりコミュニケーションを可能にする端末も発売されています。
ここでは、2機種紹介します。
「BoTトーク」は、メッセージを音声で録音し、相手と送受信できます。音声メッセージの送信は無制限。音声メッセージが不要であれば、GPSのみのプランで安く運用できるのも特徴です。
https://www.bsize.com/bot/talk
音声メッセージは親から子どもに送るのみですが、子どもは再生したらボタンを2回押すことで既読を知らせることができます。「日本不審者情報センター」と連携し、不審者が目撃されたエリアに近づくとブザーで警告し、親に通知を送ってくれます。
https://mimori-ai.jp/
キッズケータイは、登録した相手との通話やメッセージができる端末です。防犯ブザーを備えており、ブザーを引っ張ると音が鳴るだけでなく、その場で撮影された写真が保護者に送られるなどの機能を持つ機種が販売されています。また、位置情報を把握するオプションなども用意されています。
最新機種ではカメラが搭載され、本体のデザインがスマホのようになっている機種もあります。かわいいストラップやケースもあり、待ち受け画面に自分が撮影した写真を設定するなどして楽しめます。パケット通信料でメッセージのやりとりができる「+メッセージ」に対応している機種では、LINEのようにスタンプのやり取りもできます。
スマホのような雰囲気はありながら、ブラウザの閲覧やアプリのインストールはできず、子どもに安心して使わせることができます。「どうしてもLINEが使いたい」「子どもっぽいデザインが恥ずかしい」などの要望が出てくるまでは、キッズケータイで十分でしょう。
注意点としては、位置情報を把握するためのオプションが有料であったり、親子で同じキャリアに契約していなければならないケースがあることです。まずは保護者が契約しているキャリアのキッズケータイをチェックしてみましょう。
ここでは、今年発売になったばかりの3機種をご紹介します。
「+メッセージ」に対応。防犯ブザーを引くとブザーが鳴り、保護者に発信できます。遠隔操作でキッズケータイのマナーモードを解除、着信自動応答を搭載するなど、子どもが気づかなくても呼び掛けられます。
https://www.docomo.ne.jp/product/ky41c/
「+メッセージ」に対応。防犯ブザーを引くと、ブザーが鳴り、保護者に発信。さらに、位置情報とカメラで撮影した写真も保護者に送られます。セコムへの連携もオプションで可能です。
https://www.au.com/mobile/product/featurephone/mamorino6/
ソフトバンクの家族同士は通話が無料。メール(MMS)も無料。防犯ブザーを引くとブザーが鳴り、位置情報とカメラで撮影した写真が保護者に送られます。
https://www.softbank.jp/mobile/products/mimamorimobile/kids-phone3/
キッズケータイとスマホの大きな違いは、インターネットに接続して、ブラウザの閲覧やアプリの利用ができるかどうかです。ネットに接続すると、世界中の情報にアクセスできるようになり、子どもにふさわしくない情報に触れる可能性があります。また、アプリをインストールすることで、知らない人と交流したり、ゲームに課金してしまうといったトラブルが起きやすくなります。
そこで、スマホを使わせるには、フィルタリングの設定が必要になります。利用時間の管理など、親の見守りも重要になります。また、スマホは高価なデバイスで故障や損傷の恐れもあります。
一方で、子どもが成長するにつれ、「友人と部活の連絡をLINEで行いたい」「勉強アプリで勉強時間を管理したい」という要望も出てくるでしょう。スマホデビューの時期は、ご家庭それぞれの状況や考え方などによって最適な時期が異なりますが、親も子どももスマホを管理できると思えたら、専用のスマホを持たせてみてはいかがでしょうか。
スマホは大人と同じデバイスを使うことになるため、キャリアのフィルタリングサービスや、iOSの「スクリーンタイム」と「ファミリー共有」、AndroidのGoogleファミリーリンクなどを設定します。家庭で話し合い、スマホの使い方に関するルールを定めておくことも大切です。
※詳しくは本連載の第3回目に「基本のキ」をまとめていますので、ご参照ください。
「キッズスマホ」として販売されているスマホもあります。「Hamic MIELS(ハミック ミエルス)」は主に小学生中学年以上に向けたスマホで、Androidが搭載されており、アプリの追加も可能です。Googleファミリーリンクでの見守りが必要になりますね。居場所を通知するオプションも利用できます。
メッセージは専用のアプリを使って行います。防犯ブザーがついており、ブザーを引くと、位置情報とその場の音声を録音したデータが保護者に送られます。
https://hamic.ai/pages/hamic-miels
見守りGPS、キッズケータイ、スマホを紹介しましたが、見守りGPSを卒業してすぐスマホを持つご家庭もあるでしょう。子どもの年齢や性格、家庭状況に合わせてステップアップをし、自分の家庭やお子さんに必要な見守りは何かを考えて、端末を選んでくださいね。
(文:鈴木朋子、編集:マイナビ子育て編集部)
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