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鳶色(とびいろ)とは、赤暗い茶褐色のことです。日本の伝統色である【鳶色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。
鳶色とは、赤暗い茶褐色のことです。
色の名前 鳶色 読み方 とびいろtobi-iro 英語 reddish brown,burnt sienna WEBカラーコード #896248 CMYK C=55/M=67/Y=77/K=0 RGB R=137/G=98/B=72
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。
奈良時代に成立した歴史書『日本書紀』では、神武天皇を勝利に導いたとして「金色の鵄(とび)」が記されているなど、はるか昔から日本に生息していた鳶(とび)。【鳶色】の名前の由来は、その鳶の羽の色から来ています。【鳶色】は、赤暗い茶褐色のことですが、実際の鳶の色はそれより赤みが少なめ。「鳶茶」とも言われるほか、「鵄色」「鴟色」「飛色」という漢字で記されることもあります。【鳶色】をはじめ、や【鶯色(うぐいすいろ)】など、動物の名前が入った色名の多くは江戸時代に生まれたものです。【鳶色】は江戸時代の初期から茶系統の色を代表する色として使われはじめ、中期には広く普及しました。とくに男性には人気で、【鳶色】から、【藍鳶(あいとび)】、【紺鳶(こんとび)】、【紫鳶(むらさきとび)】など、茶系の色も多く誕生しています。
鳶色とびいろ 鼠色ねずみいろ
【鳶色】に合う色としては、鳶色から派生した同系色の【藍鳶】【紺鳶】【紫鳶】【黒鳶】などのほかに、灰色系の【鼠色(ねずみいろ)】などが挙げられます。【鳶色】が庶民に流行した江戸時代中期には、これらの地味な色がかえって「粋」とされ、格好いいと人気でした。
景気が悪くなった江戸時代中期、幕府は倹約のため、派手な柄の着物を禁じる令を出します。そのような中でも、庶民は鳶色をはじめとする地味な色を使って、格子やしま模様の柄でおしゃれを楽しんでいたんですよ。
In the historical book “Nihon Shoki” (Chronicles of Japan), which was established in the Nara period (710-794), a “golden kite” was described as having led Emperor Jinmu to victory.
The name of a traditional Japanese color “鳶 tobi -meens kite-” comes from the color of the kite’s wings. “鳶 tobi” color refers to a dark reddish brown color, but the actual color of the kite is less reddish than that. It is also called “鳶茶 Tobi-cha (brown of kite)”, and is sometimes written with the Chinese characters for “鵄”, “鴟”, and “飛”.
Many of the color names with animal names, such as “鳶 tobi”, “鴇 toki (Japanese crested ibis)”, and “鶯 uguisu (bush warbler.)”, originated in the Edo period. “鳶 tobi” color began to be used as a representative color of “brown” in the early Edo period, and by the middle of the period it had become widely used. It was especially popular among men, and many brownish colors such as “藍鳶 Ai-Tobi (indigo-reddish brown)”, “紺鳶 Kon-Tobi (dark blue-reddish brown)” and “紫鳶 Murasaki-Tobi (purplish reddish brown)” were born from “鳶 tobi” color.
日本で古くから愛されてきた【鳶色】。渋い色ではありますが、それが江戸時代には格好いい色だったんですよ。江戸の風情を楽しむ気持ちで、【鳶色】のものを身に着けるのも楽しそうですね。
(マイナビ子育て編集部)
参考文献・『色名がわかる辞典』(講談社)・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)
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