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家事や仕事に追われ、育児に行き詰まる日々……。そんな子育ての悩みは、発想の転換で解消しましょう。超多忙なエッセイスト村井理子さんが記す、自分や家族が気持ちよく過ごせるヒントが満載の『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術』(CCCメディアハウス)の試し読みです。
→『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術』のほかの回はこちら
私も、友人たちも、子育てに関しては決して平坦な道を歩んできたわけではない(はずだ)。それぞれが悩みを持ち、ときにはランチ会のオムライスを完食できないほどに落ち込み、それでもなんとかして育ててきた。
家庭内では、自分以外誰にも頼ることができない。夫に相談しても、疲れて家に戻ったのに面倒くさい話をするなとばかりの態度で、これっぽっちも理解しようとしない。子どもの問題はすべて母親の責任という風潮がどこに行っても追いかけてくるこの社会で、当の子どもにさえ疎ましがられ、家庭のなかで孤立し、それなのに家事だけは完璧に行うように期待され、日々苦しみながら生きるワイたちは一体なんやねん? 怪物かい? という気持ちになったことがある母親はきっと、全体の99%を超えていると推測する私も、そんな環境で感情を爆発させ、家を出た経験がある。私に限って言えば、夜中に車に飛び乗って走り回ったり、仕事にかこつけてホテルに連泊したりといったことだが。
ホテルで連泊していても気になるのは犬や子どもたちのことばかりで、気が休まることはない。どうせ犬は寝ているだろうし、子どもたちはゲームに夢中で母親の不在など気にもならないだろうが、それでも、避難すべきときにちゃんと避難するのは大切だとしみじみ思う。子どもが小さいときは大変かもしれないが、距離を置くことで状況が好転する場合はある。そもそも、限界に達していたのだから、何かしなくては潰れてしまうのだ。
こんな状況で留守にした後家に戻ると、キッチンやリビングがきれいに磨かれているのがわが家の常だ。洗濯物を畳んで入れるシステムが変更されていたり、キッチン道具のレイアウトが変更されていたりする。これは夫の「俺だったらこうやる。いまの状態より機能的だから、これからこうして家事を楽にしてね」というアピールだと思うんだよね……と友人に言うと、それな! という答えだった。
(村井理子『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術』(CCCメディアハウス)より抜粋/マイナビ子育て編集部)
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いますぐ、家事やめて、ピザ発注!みんな、ふて寝、しよう
◎双子:思春期◎義父母:要介護◎夫:妖精キャラ……◎犬:和牛のごとし!――超多忙の人気エッセイストがシェアする快適にくらすアイディア65
「私たちのこだわり、だいたいのことは、他者にとってはどうでもいい」と理解する――私たちは毎日、死にかけている。しかも、誰かのために。仕事、家事、子育て、介護、人間関係……この現代社会、ルーティーンをこなすだけでも大変なことだが、誰もが、想定外のハプニングに振り回されながら生きている。少しは毒づきもする。しかし、キホンは機嫌よく生きていけたらいいですね。それは誰かのためではなく、誰よりも自分のためになるから。
思い込みや先入観から自由になり、いまよりちょっとだけラクに生きていくためのマインドセットとノウハウをシェアします。たとえば、
・オムライスを完食できないほどの苦悩――逃げ場がない子育てからもときには逃げて・冷蔵庫は家具である――私らしい暮らしとは発想を変えて物事を見ること・スケジュール管理のコツ――歯医者も美容院も予約は死守せよ・人生を揺るがすピンチが訪れたら――目の前の小さなことから片づける・リングに立つ私たち――SNSで呪われないためには関わらない・死んでから感謝撲滅委員会――血の繋がった家族をみんな亡くして強く思うこと
翻訳家、エッセイスト。1970年静岡県生まれ。著書に『兄の終い』『全員悪人』(CCCメディアハウス)、『村井さんちの生活』(新潮社)、『犬ニモマケズ』『犬(きみ)がいるから』(亜紀書房)、『村井さんちのぎゅうぎゅう焼き』(KADOKAWA)ほか。訳書に『エデュケーション』(タラ・ウェストーバ一著、早川書房)、『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』(キャスリーン・フリン著、きこ書房)、『ゼロからトースターを作ってみた結果』『人間をお休みしてヤギになってみた結果』(共にトーマス・トウェイツ著、新潮社)、『黄金州の殺人鬼』(ミシェル・マクナマラ著、亜紀書房)、『捕食者』(モーリーン・キャラハン著、亜紀書房)ほか多数。
Instagram:@rikomuraiTwitter:@Riko_Murai
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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