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大切な人や自分を守ってくれる、身に付けるだけで気分が上がる、そんなお守りのような存在、誕生石。2021年12月には63年ぶりに日本の誕生石が改定され、新たに10石が追加、全29石になりました。この連載では、そんな新・誕生石の特徴や魅力を紹介します。6月は「ムーンストーン」、「真珠」、「アレキサンドライト」です。
6月の誕生石は、「ムーンストーン」「真珠」「アレキサンドライト」の3種類です。その特徴や意味を紹介します。
ムーンストーンは月光のような青白い閃光を放つ長石のことで、この光をシラー効果、あるいはシ-ンと呼んでいます。和名は月長石。ムーンストーンは煌々と夜に輝く月のように人を魅了する宝石ともいえるでしょう。化学組成の異なる層が結晶内部で光を散乱させることで閃光を発します。レインボームーンストーンと呼ばれる虹色のイリデッセンスを示すものは、斜長石の一種のラブラドーライトです。
真珠は日本で最も馴染みのある宝石です。御木本幸吉がアコヤ貝による商業的な真珠の養殖に成功したため、一般に身に着けられる宝石となりました。それ以前は海中にある貝から偶然とれたものを使用していたため、驚くほど高価でした。鉱物とは異なる有機起源宝石ならではの神秘性を有しています。
「テリ」と呼ばれる真珠特有の光沢は、アラゴナイト結晶の積層構造が生み出す「光の干渉作用」によるもの。有機物である真珠の美しさを長く保つには、熱や乾燥、酸などに注意し、大切に保管する必要があります。
アレキサンドライトはクリソベリル(金緑石)の変種で、太陽光下で緑色、暖色照明下では赤紫色に変化し、色の変化が明瞭なほど価値があるとされています。1842年にロシア皇帝アレクサンドル2世に敬意を表してアレキサンドライトと名付けられました。
ブラジル産が最良とされていますが、鉱山が枯渇していまい、良質なものは入手が困難になりました。インド、スリランカでも美しい個体が産出されていますが、ブラジル産を好む人が多く、ブラジルで新しい鉱脈が発見されることを世界中の人々が待ち望んでいます。
(文:株式会社 明治堂 会長 望月英樹、写真:協同組合山梨県ジュエリー協会)
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