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家庭学習が苦手なわが子……。毎日勉強させるのは親も大変です。ゲームやスマホなどの誘惑に打ち勝ち、自ら進んで勉強をこなせる子は決して多くありません。本記事では、家で勉強しない子を3パターンに分けて、それぞれへの具体的な対処法をアドバイス。塾講師であり中学受験生の母でもある天海ハルカさんが、実体験を交えながらお話します。
家で勉強しない子は大きく分けて以下の3パターンに分けられます。
・なかなか取りかからない・すぐ勉強に飽きてしまう・適当に勉強をすませてしまう
3パターンに分けましたが、もちろん複合的に当てはまる子もいます。
ちなみに我が家の娘は、このすべてが日替わりで出るタイプ。毎日違うポイントでつまずくため、試行錯誤の日々です。
やればできるのに、エンジンがかかりにくいタイプです。
「早く始めなさい」と注意しても、良い返事をするだけでなかなか机に向かいません。
このタイプは行動の切り替えが苦手な一方で、取りかかってしまえばしっかり勉強が続けられるという長所もあります。
行動の切り替えが苦手な子は、時間の感覚があいまいです。
あと5分と言ったのに気づけば30分過ぎていた、というようなことが多くあります。
強制的に切り替えるにはタイマーが有効です。
学校のチャイムのように、音で切り替えを意識する作戦ですね。
スマホやタブレットのタイマーを使うのが楽ではありますが、そうするとタイマーを消すために「楽しいもの」に触れることになってしまい、さらに勉強へ気持ちが向かなくなる恐れが。
ここはぜひ、タイマー機能しかないシンプルなものを使いたいところです。
シンプルなタイマーは問題を解くときにも使えるので、100円ショップなどでひとつ調達しておくといいですね。
タイマーを使うときは少し遠くに配置し、消すために物理的に楽しいものから離れなければならない環境を作るというのもひとつの作戦です。
せっかく机に向かっても、「何をやろうかな」で時間を使ってしまい実際の勉強まで進まなければもったいない。
1日分のスケジュールを分かりやすくまとめて掲示しておくと、すぐに手が動かせますね。
スケジュールは科目だけでなく、ページ数まで詳細に書くのがポイントです。
何ページから何ページまでと明確になっていれば、「とりあえずひとつだけやろう」というように勉強に取りかかるハードルが低くなります。
集中力がない、もしくは家だと気持ちが乗らないという子は、家庭学習でもすぐに立ち歩いてしまいます。
歌い出したり落書きを始めたりと自由なんですよね、子どもって。
塾に自習室などがあれば積極的に使うことで解消される可能性があります。
その場合も長期的には、家でも少しずつ机に向かう時間を伸ばして集中力を身につけさせる工夫はしておくと良いですね。
勉強を始める前に「今から何をどのくらいするか」を宣言させることで、勉強に対する意識を変える作戦です。
「計算2ページを20分でやる」という言葉が勉強をするスイッチになり、終了時間もイメージできるようになります。
子どもは時間のイメージが苦手です。
たとえば漢字の熟語を10回書くのは数分ですむにもかかわらず、「30分」と宣言してしまうことも。
うちの娘も「50分かかるから大変!」と言っていた勉強が10分で終わり、誰よりも本人がおどろいた、ということがありました。
おそらくそれまでは、実際よりも多く勉強をさせられている気になっていたのでしょう。
自分の想像よりも早く終わる経験を積めば、勉強への心理的ハードルが下がり、集中力にもつながります。
長く集中できないなら回数を重ねるしかありません。
勉強を細かく分け、少しずつ進めて全部を終わらせます。
たとえば「算数P10~13」をまとめて1回の勉強とするのではなく、「算数P10~11/P12~13」と2回に分けて、間に休憩を挟みます。
集中力が切れる前に休憩を入れて、小刻みに進めていくということですね。
子どもの様子を見ながら、1回の勉強時間を少しずつ長くしていくのが理想です。
一見するときちんと課題を終わらせていますが、よく見ると実はなんとなくで進めてしまっているタイプです。
わからない問題はどんどんパスして丸つけを始めてしまう、適当に丸つけをしてそこで勉強を終えてしまう、などが当てはまります。
わからない問題は一生懸命考え、自分なりの答えを出していくこと。
丸つけをし、間違った問題を正しく理解し直すこと。
これらが勉強の成果につながります。
せっかくならしっかりと身につく勉強をさせたいものです。
適当にすませてしまう子は、そばで見ていてもらうとやる気が出るということがあります。
見られている適度な緊張感と、良いところを見せたいという気持ちがモチベーションにつながるんですね。
適当にすませてしまう子には早く勉強を終わらせたい気持ちがあるので、丸つけは親が担当したほうがいいかもしれません。
本来なら丸つけは本人がやったほうが効果があるのですが、親が肩代わりすることで子どもの勉強時間が増えるなら、そのぶんプラスにはなりますね。
勉強中にずっと見ているのが難しければ、勉強が終わったときにノートなどの勉強結果を確認するのもひとつの方法です。
我が家では勉強後に必ずノートなどを確認し、空欄が多いページは何が分からなかったのかなどを聞くようにしています。
「後でノートを見られる」と思うからか、空欄を減らそうと途中まででも答えを書くようになりました。
そもそも何のために塾へ行くのか。
もちろん、志望校合格やその先の将来という大きな目標のためではあります。
しかし子どもにはもっと近い目標をイメージさせたほうが効果的。
たとえば「次の授業の小テストで満点を取る」「次のクラスわけテストで1クラス上がる」などの目標がわかりやすいですね。
点数や順位、クラスなどの小さくてクリアしやすい目標を作り、まずはそこに向かって頑張ってみましょう。
ひとつの目標をクリアしたら次の目標を立てる、またクリアしたら新しい目標をつくる。そんな風に続けていくうちに、勉強への向き合い方も自然と良くなっていくのではないでしょうか。
さまざまなアイデアを並べましたが、親が何を言ってもどんな工夫をしても子どもに響かない、ということはめずらしくありません。
相手が親だと素直に聞けない、反発して事態が悪くなる、というのはしかたのないこと。
高学年では反抗期に入る子もいますからね。
そういう時は塾の先生から声かけをしてもらうのもひとつの手です。
先生というのは親ではない大人で、かつ勉強や受験のことをわかっている人です。
親ではなく塾の先生からだと、同じ言葉でもおどろくほど素直に聞いてくれることがあります。
塾の先生の立場で言うと、塾では素直で一生懸命な子が、家では全然話さず家庭学習もしないと聞いておどろいたこともしばしば。
子どもにとって親というのはやはり特別で、そのぶん難しい関係でもあるんですよね。
家庭学習がスムーズに進めば成績も上がるため、塾としても相談してもらうのは大歓迎。
せっかく塾に通っているのですから、塾はどんどん使いましょう!
家でなかなか勉強しない子には、あの手この手で立ち向かいます。
しかし、勉強するようになった、と思ってもすぐにまたしなくなるというのはよくあること。
我が家の娘も「頑張る期」と「だめだめ期」を何度も繰り返しています。
勉強への意欲は、上がったり下がったりを繰り返しながらも、最終的に全体が底上げされていれば大丈夫。
対策は打ちつつも、長い目で見ていくことが大切だと思います。
我が家の場合、毎日戦ってはいますが、半年前と比べれば家庭学習が増えていることを実感しています。
毎日注意して反発されてというのを繰り返すのは疲れてしまいますが、それでも前よりは良くなっているものです。
いろいろと試しながら、ときには塾にも頼りながら、一緒に頑張りましょう!
※中学受験ナビの連載『塾のトリセツ』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ。
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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