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中学受験を目指す6年生家庭でありがちなお悩み。「日中は学校があって、塾から帰宅後に宿題や過去問をやると、寝る時間が23時を過ぎることも。睡眠は大事だとは思いますが、ここが頑張りどころだし……。どう考えたらいいの?」直前期の受験生の睡眠と勉強のバランスについて、教育ジャーナリスト・中曽根陽子さんに訊いてみました。
埼玉は1月10日、千葉は1月20日、そして東京・神奈川は2月1日が中学入試の本番スタート日。入試も目前に迫りまさに頑張りどきです。やることもいっぱいあって、いくら時間があっても足りないという状況。よくわかります。
私の子どもも冬期講習中、塾で居残り勉強をしていて、帰宅時間が23時過ぎることもたびたびでした。小学生が22時過ぎまで塾で勉強をしているなんてちょっと異常なのですが、直前期は子どもも“ハイ”になっていたのでしょう。親である私も感覚が麻痺しているところがあって、ついつい寝る時間も遅くなってしまっていました。
しかし、睡眠不足が続くと集中力も落ちてしまい、結果的に居残り勉強は長続きしませんでした。「受験前には朝型にしたほうがいい」というアドバイスもあり、1月に入ってからは塾での居残りはやめて早く帰るようにしました。そして、できるだけ早く寝るようにして睡眠時間を確保し、逆に朝30分早く起きて勉強をするようにしたところ、娘はかえって集中力も上がり、入試本番まで元気に乗り切ることができました。
周りの子の頑張りや過去問の点数などいろいろ気になり、ついつい「みんな頑張っているのだから、あなたも頑張って」とか、「もうちょっと頑張れば手が届くから」と思ってしまいますよね。
昔は受験に関して「四当五落」などという言葉があり、寝る間を惜しんで夜遅くまで頑張ることが讃えられていたこともあります。睡眠時間を削って遅くまで勉強することに、違和感を覚えない親御さんもいるかもしれません。しかし、実際は睡眠不足が続くと脳は疲れて、認知能力が低下します。
さらに、睡眠によって記憶が定着するということもわかっています。しかも起床2時間後くらいから脳が活性化するといわれていますから、本番の試験開始時間によいコンディションに持っていくためにも、直前期は朝型に切り替えて、生活のリズムを整えたほうがいいのです。
受験を乗り切るには体力と気力が必要です。質の良い睡眠と栄養は、子どもの心身の成長には欠かせません。受験でよい結果を出すためにも、ぜひ毎日を一定のリズムで過ごすように心がけてほしいと思います。
入試前にインフルエンザにかかったり、風邪を引いたりしたら大変。学校に通わせるかどうかも悩みどころでしょう。1月中旬から学校を休ませたという人もいれば、前日までいつも通りに学校に行っていたという人もいます。
考え方はいろいろだと思いますが、わが家の場合、子どもは前日まで学校に行きました。いつも通りのリズムで臨んだほうが、変に緊張しないし、気分転換にもなっていいと思ったからです。
試験までもう少しと思うと、親も緊張感が増してきます。しかし、親が過剰に心配すると、その不安や緊張が伝わって子どもに影響を与えてしまいます。
冒頭の質問のママもそうでした。本番まで時間がない状況。睡眠時間を削って勉強している。宿題に追われている。過去問に取り組む余裕がない。そうしたお子さんの状況に、親御さんがイライラを募らせていたといいます。『やる気がないなら、受験なんてもうやめたら』と大声を出すこともあったそうです。
直前期は特に親の冷静さが求められます。子どもは子どもなりに頑張っているのです。親が不安になることは多々あります。でも、親の感情を子どもにぶつけたところで、プラスになることはありません。
私は親御さんに、親子で受験すると決めたときのことや、お子さんの成長の話をいろいろとお聞きしました。親御さんは思い出しながら話しているうちに、「どんな結果になってもそれが最善」、「第一志望の学校に受かることだけが全てではない」と思い直したのです。そして「あれこれ欲張らず、子どもが最善をつくせるようにサポートする」と話してくれました。
経験豊かな塾の先生も、「受験本番まで子どもは伸びる」とおっしゃっています。ぜひお子さんを信じて、頑張っているところを認めて励ましてあげてください。そういう親御さんからの言葉は、子どもにとって安心につながります。もちろん、風邪をひかないように手洗いやうがいを念入りにし、健康管理に努めることもお忘れなく。
中学受験ナビの連載『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています元の記事はコチラ。
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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