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車に乗せるとき、6歳未満の子どもにはチャイルドシートの使用が義務付けられていることをご存じでしょうか。2023年の調査ではチャイルドシートの使用率が過去最高を記録した一方で、4分の1の家庭ではいまだに使用されていなかったり、使用していても使い方が誤っていたりするという課題があるようです。
2000年4月1日から、道路交通法により6歳未満の子どもを自動車に乗せる時には、チャイルドシートを使用することが義務化されています。先日、警察庁と日本自動車連盟(JAF)が今年のチャイルドシート使用状況の全国調査の結果を公表しました。最新の使用状況はどうなっているのか、ご紹介します。取り付け方・座り方のミスで多くみられるものなども判明したので、参考にしてください。
まず、チャイルドシート使用率ですが、2023年は過去最高の76%を記録しました。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
しかしながら裏を返せば、まだ約4分の1はチャイルドシートを使用していないということでもあります。
次に、年齢層別にみたチャイルドシートの使用率を表したグラフを見てみましょう。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
1歳未満では92.0%と高い水準ですが、1~4歳では78.7%、5歳では55.5%となり、年齢が上がるごとに使用率が下がっています。5歳になると半数に近い人たちがチャイルドシートを使用していないことになります。
では、乗車位置によって、チャイルドシートの使用割合に変化はあるでしょうか。
後部座席の場合は78.1%と8割近いですが、助手席の場合は66.4%に下がっています。おそらく、後部座席は運転席から子どもの動きが見えにくいため、チャイルドシートの使用率が高くなるのだと考えられます。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
なお、チャイルドシートの取り付け位置に法律上の決まりはありませんが、望ましいのは後部座席です。助手席に取り付けることは推奨されていません。万が一事故になった時にエアバッグが子どもを傷つける危険などがあるためです(ただし、だからといって「助手席の場合はチャイルドシートを使用しない方がよい」ということではありません)。
年齢層ごとに、チャイルドシートの使用状況をもう少し細かく示したグラフを見てみましょう。チャイルドシートを使用しない場合には、子どもはどのように座席に座っているのでしょうか。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より※グラフ中の構成比は、各数値を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがある。
1歳未満では、チャイルドシートを使用しないという人は、子どもをだっこする場合が多いことがわかります。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より※グラフ中の構成比は、各数値を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがある。
1~4歳になると、チャイルドシートを使用しない人は「車両シートにそのまま着座」させたり、「チャイルドシートにそのまま着座」させる場合が多いようです。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より※グラフ中の構成比は、各数値を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがある。
チャイルドシートを使用しない人が半数近くになってくる5歳では、「車両シートにそのまま着座」「大人用シートベルト着用」が大きく増え、それぞれ21.7%、16.7%に。5歳になると大人と同じように座らせるケースが多くなることがうかがえます。
チャイルドシートを使用していても、正しく取り付けられていないと意味がありません。しかしながら、今回の調査では「ミスユース」が全体で38.1%にのぼるという結果が出ています。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
ミスユースの種類としては、乳児用シート、幼児用シートのどちらも「腰ベルトの締め付け不足」が非常に多くなっています。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
なお、チャイルドシートの取り付け状況調査で使用されたチェック項目は以下のとおり。参考にしてください。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
取り付け状況だけでなく、チャイルドシートへの座らせ方に問題がある場合も少なくないようです。着座状況の調査では、「ミスユース」が52.1%にのぼるという結果が出ています。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
具体的なミスユースの種類としては、乳児用シート、幼児用シートのどちらも「ハーネスの締め付け不適正」が突出しています。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
また、学童用シートでは「体格不適合」(22.5%)、「座席のベルトのよじれ・ねじれ」(20.9%)、「腰ベルトの通し方間違い」(19.4%)が多くなっています。
なお、着座状況調査で使用されたチェック項目は以下のとおり。
警察庁/日本自動車連盟「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」より
6歳未満の子どもを自動車に乗せる時に義務付けられているチャイルドシート。今回の調査によると、使用率は過去最高となったものの、まだ4人に1人はチャイルドシートなしで乗車しています。年齢が上がるごとに使用しない割合は増えるようです。また、取り付け方や座らせ方が正しくないケースも。チャイルドシートは万が一の時に子どもを守ってくれます。今一度、正しく使用できているか確認してみてください。
(マイナビ子育て編集部)
画像はイメージです
チャイルドシート使用状況全国調査(2023)/警察庁・日本自動車連盟(JAF)■調査期間:2023年6月3日(土)~7月17日(月・祝)の間※調査データに不備があったため、10月に一部再調査を実施■調査の種類(1)使用状況調査① 調査方法:聞き取りによる確認② 調査対象:自動車に乗車している6歳未満の子ども③ 調査箇所:全国98箇所(調査対象数:13,119人/車両台数:10,392台)(2)取付け状況調査① 調査方法:取扱説明書に準拠した取付け状況の確認② 調査対象:自動車に取付けられたチャイルドシート(乳児用・幼児用に限る)③ 調査箇所:全国8地域(北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県)計16箇所(調査対象数:431シート)(3)着座状況調査① 調査方法:取扱説明書に準拠した着座状況の確認② 調査対象:自動車内でチャイルドシートを使用している6歳未満の子ども③ 調査箇所:全国8地域(北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県)計16箇所(調査対象数:641人)
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