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たった1問、あと1点が合否を分ける中学入試。今回は大手塾の国語講師・天海ハルカさんに、国語の得点を上げるための方法を伺いました。意識するだけであと3点が取れる、3点を落とさなくするテクニックってどんなもの?
当たり前のようで意外と見落としがちなのが、問題文の確認です。
問題文をしっかり読むというのは、何度言っても言いすぎることはないというくらい念押ししたい重要ポイントです。
選択肢問題の多くは「ふさわしいものを選べ」ですが、まれに「ふさわしくないものを選べ」という問題もあります。
いつものくせでふさわしいものを選ぼうとして、正答にたどり着けないのは困りもの。問題文を読み違えたまま選択肢を精査してしまう時間も無駄になってもったいないですね。
対策はまず問題文を冷静に読むこと。そして「ふさわしくないもの」とあったら線を引くことも大きな効果があります。
たとえ問題文で「ふさわしくないもの」に気づけても、選択肢を精査しているうちに忘れてしまうことは少なくありません。
線を引くという作業を挟むと、意識から問題文が抜けにくくなりますよ。
「ひとつ選べ」ではなく「すべて選べ」という問題もあります。
理科でも複数選択の問題は出題されますが、国語の場合、理科よりは選択肢が少ないですね。
10の選択肢から選ぶこともある理科とは違い、国語では多くても6つくらいが一般的です。
極端に選択肢が多いわけではないため、正解をひとつ見つける問題だろうと勘違いしやすいのが厄介なところ。
こちらも「ふさわしくないもの」と同じように、問題文に線を引くことが対策になります。
つまり、問題文をよく読み、読み間違えしやすいところには線を引くようにするとさまざまなミスを防げるということです!
子どもにとって言葉を指定された記述問題は、「条件ありの記述だから難しい」問題と感じられるようです。
しかし実は、ヒントが書かれているサービス問題でもあるのです。
たとえば「『後悔』という言葉を使って」という問題なら、誰が何に後悔するかを考えれば答えが導けます。
考え方の方向がわかるので、空欄は避けられるということですね。
何か書けるはずの問題を、難しく見えるせいで後回しにしてしまうのはもったいない。
「AがBを後悔した」だけでもいいので、得点のチャンスを作るために飛ばさずチャレンジしてみましょう。
漢字のミスも意識して減らしたいですね。
塾のテストで惜しい間違いが多い子は、とくに意識してみましょう。
「保険」を「保検」、「講義」を「構義」と書き間違えるなど、部首は漢字の中でも間違えやすいポイントです。
そもそも部首を覚えるのが難しいという子は、意味の違いを整理するとわかりやすくなります。
たとえば「講義」というのは誰かが話しているものなので、「きへん」ではなく「ごんべん」なんですよね。
覚えることはできるのに書き間違えてしまう子は、部首は間違えやすいという意識を持つことが大事です。
漢字問題を見直すときは、書けたと思っている漢字の部首に注意を払ってみましょう。
同音異義語(同じ読みの熟語)も間違えやすいです。
たとえば「コウエン(講演・公演)」、「キカイ(機械・機会)」などですね。
同音異義語として単独で出題されれば気を付けやすいのですが、読解文の傍線部を漢字に直すような問題ではうっかり間違えてしまいます。
入試はとくに気が急くため、読み方からぱっと思いついた漢字を書いてしまいがち。
同音異義語も間違えやすいと意識して、見直しをしてくださいね。
漢字の問題ではトメハネを意識していると思いますが、つなげ字にも注意を払ってみてください。
二画で書くべきところを一画で書いてしまうと、画数が変わってしまうので減点の対象になる可能性があります。
よくあるのが「口(くち)」と「しんにょう」ですね。
ほかにも、近くに短い線がある場合はつなげてしまいやすいので注意です。
つなげ字(画数)はクセになってしまうので、普段から気をつけましょう。
どれだけ勉強しても、わからない問題や解けない問題は出てきます。
長く時間を使ってしまうのももったいないし、かといって空欄にしてしまうのももったいないのでどうすべきか迷ってしまいます。
時間をかけるかすぐに飛ばすかの取捨選択をして、少しでも点数を増やすチャンスに繋げましょう。
「4択の問題で答えがわからないときはイにするとあたりやすい気がする」という話はよく聞きますが、もう少しだけ確率を上げる方法があります。
4択の問題というのは多くの場合、2択までは簡単に絞れます。
消せる2つの選択肢というのは、気持ちを表す言葉が不自然だったり不必要に言葉が強かったりしてすぐに違うと見やぶれることが多いです。
4択の中から勘で選ぶより、2択まで絞ってからのほうが正解する確率は高くなりますよね。
選択肢を減らすためのひと手間は、時間をかけるべきポイントです。
記述問題には部分点があるので空欄は避けたいもの。たとえば10点満点の問題なら、本文に合う「それっぽい」ことを書くだけでも3点くらいはもらえます。
「それっぽい」とは、たとえば「主人公は母親と話して前向きな気持ちになった」というような、主語と気持ちの方向が合っていて本文に関係ある理由も書かれているような解答です。
「とにかく書いて1点でももぎとる!」という気概は大切ですね。
簡単そうに見えて難しいのが、抜き出し問題です。
なぜかというと、抜き出しには部分点がなく、正答に見当がついても本文から探すのに時間がかかってしまうからです。
たとえ正答が見つかっても、時間をかけすぎると別の問題に支障が出てしまいます。
選択肢や記述の問題は空欄を作ってはいけませんが、抜き出し問題だけは空欄にしたほうが良いときもあるのです。
すぐに正答イメージがわかなければ先に進み、あまった時間でチャレンジしましょう。
1問にこだわらず、全体の得点アップを狙うことも大切ですね。
問題を解いていくとき、自信のないものには印をつけておくと効率が上がります。
最後にあまった時間で見直すものに優先順位をつけるということですね。
印をつけることで、迷った問題に区切りをつけて次に進みやすくするという効果もあります。
「もう少しでわかるかも」と思って、いつまでも先に進めない子もいますからね。
わからない問題は、時間を置くことで解きやすくなることも多いもの。
限られたテスト時間を有効に使うため、ぜひ心配な問題には印をつけることを試してみてください。
あと3点をものにするにはミスをなくし、時間を効率的に使うことが重要です。
テスト時間に焦ってしまうのはしかたがないこと。そんな中で落ち着いて進めるために、普段からこれらを意識してやってみましょう。
もちろんここに挙げた10のポイントすべてを一気に注意するというのは大変です。
テストや模試の結果、普段の様子を見て、生かせる部分をチョイスしてください。
志望校合格への一助となりますように!
※中学受験ナビの連載『塾のトリセツ』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ。
この記事のライター
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